刻むと独特のネバネバが出るオクラ。
原産地はアフリカ東北部で、「オクラ」の名も現地語に由来しています。
エジプトでは2千年前に栽培されていた記録があるそうです。
日本には江戸時代末期にアメリカ人によってもたらされましたが、その個性から普及しませんでした。
日本で野菜として本格的に栽培されるようになったのは、1970年代になってからです。
普及し始めたころは気温が高い地域で栽培されていましたが、現在は全国的に栽培されています。
ハウス栽培もされているため、一年を通して流通していますが、旬は夏の7~9月です。
ハイビスカスと同じアオイ科で、同じような美しい黄色い花を朝に咲かせますが、昼にはしぼんでしまいます。
果実の長さ6~10cmの若いサヤを食用とし、輪切りにしたときに5角形になるものが主流です。
完熟したオクラの種がコーヒー豆に似ていることから、昔のイギリスやフランスではコーヒー豆の代わりとして栽培されていたこともあり、日本でも戦時中にコーヒーの代用品にしていました。
サヤがすらりとしていて美しいことから、アメリカではレディースフィンガーと呼ばれています。
オクラの特徴であるネバネバのもととなっているのは、ペクチンやムチンなどの成分です。
ペクチンは、水溶性食物繊維の一つで、血液中のコレステロール値を下げる働きや血糖値の上昇を抑える働きがあります。
ムチンは、複合タンパク質で、胃の粘膜を保護したり、タンパク質の消化を促進して整腸といった働きがあります。
オクラは生でも食べられますが、ゆがくことで青臭さが抜けて、口当たりもよくなります。
オクラの種類
オクラにはさまざまな種類(品種)があります。
種類は形状によって区別され、五角種、丸サヤ種、多角種などがあり、角のある五角種が好まれ、一般的に多く出回っています。
また、サヤが赤いものや、長さ2~3cmのミニオクラなどもあります。
花オクラというオクラに似た花を食用にするものもありますが、これはオクラの花ではなく、トロロアオイという植物の花です。
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オクラの種類いろいろ
オクラの旬
オクラの旬は7~8月の真夏で、味が最高によく、価格も安くなります。
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オクラの旬はいつ?
オクラの栄養
ペクチン、ムチン、カロテン、ビタミンCなど。
切ったり刻んだりしたときに生じる独特のネバネバは、水溶性食物繊維のペクチンと、複合タンパク質のムチンなどの成分によるものです。
また、カロテン、ビタミンB1、B2、ビタミンC、カルシウム、葉酸なども豊富に含みます。
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オクラの栄養・効能
オクラの選び方
[鮮度]
ヘタの切り口がみずみずしく、へたが黒ずんでいなくて、しおれていないもの。
[大きさ]
大きいものは皮や種が固く、味や食感が悪いので、6~10cmの小ぶりサイズで、やわらかそうなもの。
[形]
先端に向かい形がなめらかに細くなっているもの。
[色]
鮮やかな緑色のもの。
[うぶ毛]
古くなるとうぶ毛がとれるので、細かいうぶ毛が表面を均一におおっているもの。
[角]
角がはっきりしているもの。
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おいしいオクラの選び方
オクラの食べ方
オクラには産毛があり、口当たりが悪くなるため、調理の前に塩をふってまな板の上でころがしてうぶ毛をとります。
種には苦みがあるため、取り除くと味わいがよくなります。
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オクラのおいしい食べ方
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オクラの下ごしらえ
オクラの保存方法
オクラは、鮮度が落ちると風味が落ちるので、できるだけその日のうちに使いきります。
暑すぎなければ常温でも日のあたらない場所で保存できます。
保存するときは、乾燥を防ぐため、水で湿らせたキッチンペーパーにくるみ、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
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オクラの上手な保存方法
菜園でオクラを育てるには
オクラは高温性野菜で暑さを好み、気温が高くなるとグングン育ちます。
乾燥や多湿にも強く、病害虫も比較的少ないので、家庭菜園でも育てやすい夏野菜のひとつです。
高温を好むので、種まきは気温が十分に高くなってから行います。
実は大きくなりすぎないように早めに収穫し、肥料切れさせないように追肥します。
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菜園でオクラを作ろう