野菜は、私たちの食生活に欠かせない、とても大切な存在。
スーパーや青果店にはさまざまな野菜が並んでいます。
ですが、野菜の本当の味や姿、栄養・効能を知らず、なんとなく取り入れていることも多いのではないでしょうか。
また、「野菜を食べなくては」と思いながらも、忙しい毎日のため、野菜をじゅうぶんにとれていない人も多いのではないでしょうか。
そこで、野菜のもつ栄養や効能、保存方法や下ごしらえなど、野菜の魅力とともに紹介しています。
野菜の基礎を知ることで、野菜を身近に感じ、活用することができるようになります。
あなたの食生活がもっと豊かになるかもしれません。
野菜の旬
野菜が通年入手できるようになり、野菜の旬の考え方が変わりました。
たとえばトマトは、温度管理されたハウス栽培がさかんで、安定した価格で一年中流通しています。
また、品種改良によって暑さや寒さに強い品種が作られ、品種によって旬が異なることもあります。
このように、多くの野菜が周年作られるようになり、産地や旬が表面的には消えてきています。
基本的に野菜の旬とは、露地栽培のものを呼び、野菜が栄養素を1年でいちばん多く抱える時期で、旬の野菜はみずみずしくて味もよく、おいしい時期のことを言います。
その野菜に合った気候でストレスなく育てられているため、栄養価が高く、価格が安いのが特徴です。
また、旬の野菜を食べておいしいと感じるのは、旬の野菜の栄養を体が求めているからです。
特別な調理をしなくても素材の味を生かすだけで、おいしくいただけます。
野菜の分類
野菜にはどんな分類(種類)があるのだろう?
野菜を分類する方法にはいくつありますが、実用的なのは、食べる部位による分け方と、栄養素による分け方です。
食べる部位で分類すると、葉茎菜類(葉や茎を食べる)、果菜類(実を食べる)、根菜類(根を食べる)となります。
栄養素で分類すると、緑黄色野菜と淡色野菜となります。
食べる部位による分類
食べる部位によって野菜を分類すると、葉茎菜類、果菜類、根菜類に分けられます。
葉や茎を食べる野菜、実を食べる野菜、根を食べる野菜と覚えておくとわかりやすいでしょう。
[葉茎菜類(ようけいさいるい)]
小松菜、ホウレンソウ、ブロッコリー、白菜、キャベツ、タマネギ、ネギなど、葉や茎を食べる野菜を葉茎菜類と呼びます。
[果菜類(かさいるい)]
トマト、ナス、キュウリ、カボチャなど、実を食べる野菜を果菜類と呼びます。
インゲンや枝豆などの豆類も含みます。
[根菜類(こんさいるい)]
大根、カブ、ニンジンなど、根を食べる野菜を根菜類と呼びます。
ジャガイモやサツマイモなどの芋類も含みます。
栄養素による分類
栄養素によって野菜を分類すると、カロテンの含有量により、緑黄色野菜と淡色野菜に分けられます。
緑黄色野菜は、カロテンの含有量が多い野菜です。
[緑黄色野菜]
名前から緑色や黄色の野菜を連想しがちですが、カロテンの量によって分類されます。
厚生労働省により、原則として可食部100g当たり、カロテンが600μg以上のものを緑黄色野菜と規定しています。
ホウレンソウ、小松菜、ニンジン、カボチャ、トマト、ピーマンなど。
[淡色野菜]
緑黄色野菜以外の野菜を淡色野菜と呼びます。
大根など、葉は緑黄色野菜、根は淡色野菜となるものもあります。
白菜、キャベツ、レタス、大根(根の部分)、カブ(根の部分)、ナス、キュウリなど、
野菜の鮮度を落とさない保存方法
野菜は収穫後も生きています。
スーパーなどに並ぶ野菜も生きています。
買ってきた野菜をそのままにしておくと、芋類は芽が出るし、根菜類は葉が伸びていきます。
野菜を長持ちさせるには、その野菜の育った環境や性質を知り、育った環境に合わせて保存することです。
立って育つ野菜(立ち型野菜)の保存方法
小松菜、ホウレンソウ、春菊、水菜、ネギ、白菜、キャベツなど、土の上に立って育つ野菜を立ち型野菜と呼びます。
横に寝かして保存してしまうと、本来の性質の通り、立ち上がろうとしてエネルギーを消耗し、鮮度が落ちてしまいます。
ビニール袋やラップに包み、冷蔵庫の野菜室で立てて保存すると長持ちします。
土の中で育つ野菜(土つき型野菜)の保存方法
大根、カブ、ニンジンなどの根菜類や、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモなどの芋類など、可食部分が土の中で育つ野菜を土つき型野菜と呼びます。
葉つのものは葉を切り落としてから、新聞紙に包み、冷暗所で保存すると長持ちします。
タマネギやニンニクなどは、ネットに入れて風通しの良い冷暗所に置くか、日の当たらない場所に吊るして保存します。
枝になる野菜(ぶらり型野菜)の保存方法
トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、エンドウなど、枝やツルに実がつく野菜をぶらり型野菜と呼びます。
原産地が暑い地域で夏に収穫されるものが多く、冷やしすぎると低温障害を起こします。
冷蔵庫に入れず、ざるや段ボールに入れ、風通しの良い場所で保存すると長持ちします。
野菜に合わせた調理方法
同じ野菜でも、生か、加熱するかなど、調理方法によって食べられる量や栄養価が変わります。
生食は手軽で、加熱に弱いビタミンCやB群を効率よく摂取できます。
加熱することにより、栄養素は減少しますが、量をたくさん食べられ、多くの栄養価を摂取することができます。
また、水分が抜け、うまみが凝縮します。
栄養を効率よく摂取するためにも、おいしくたっぷりと食べられる調理方法を知っておきましょう。
[生]
レタスやキャベツなど、生で食べるさいは、包丁を使わずに手でちぎります。
タマネギやネギなど辛みの強いものは、水にさらすと味がやわらぎます。
[ゆでる・煮る]
小松菜やホウレンソウなど火が通りやすいものは、沸騰した湯から、さっとゆでます。
根菜類や芋類など固くて火の通りにくいものは水からゆでます。
[炒める]
手軽に調理でき、いろいろな食材を組み合わせることができます。
水分が多いものは強火でさっと炒め、水分を閉じ込めます。
何種類か炒める場合は、火の通りにくいものから加えていきます。
[揚げる]
皮ごと揚げれば栄養をたっぷり摂ることができます。
根菜類は素揚げして塩をふるだけでおいしく食べられます。
[焼く]
水分が飛ぶため、野菜本来の味がぎゅっと凝縮します。
グリルで焼けば手軽に野菜本来の味を楽しめます。
[蒸す]
ビタミンの損失が少ない調理方法です。
油を使わないため、ヘルシーです。
電子レンジで加熱すると簡単です。