ツルムラサキは熱帯アジア原産で、おもにつる先から15cmくらいまでの若い葉と茎を食用とする野菜です。
つる性の植物で葉のつけ根に紫の実をつけるため、ツルムラサキと名づけられました。
日本では古くから染料として利用されてきましたが、野菜として利用されるようになったのは1970年代からです。
主産地はおもに福島、宮城、徳島、山形などで、東北地方を中心に栽培が盛んに行われれています。
葉、茎ともに緑色の青茎種と、茎が赤紫色の赤茎種があります。
英名は「インドのホウレンソウ」といって、味はホウレンソウにそっくりですが、ホウレンソウとはまったくの別種で、栄養価はホウレンソウ以上といわれています。
葉ものには珍しく真夏が旬で、ツヤのある茎と肉厚な葉をもち、加熱すると独特なにおいとぬめりが生まれるのが特徴で、最近では栄養価の高さが注目されています。
独特のにおいとぬめりは、ゆでるよりも炒めたほうがうまく抑えられます。
ツルムラサキの栄養
ツルムラサキは、葉ものが少ない真夏が旬で、カロテン、ビタミンA、C、B2、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルが非常に豊富です。
ビタミンAがホウレンソウの20倍、骨粗鬆症を予防するといわれるカルシウムは約4倍、強い抗酸化作用でがんや細胞の老化を防いでくれるカロテンが約1.2倍、風邪の予防や肌のシミをなくしてツヤとうるおいを与えるビタミンCは約1.2倍も含まれます。
また、葉もの野菜の中でもマグネシウムや鉄などのミネラル類を多く含み、夏に起こりやすい目まいや貧血などの予防に効果的です。
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ツルムラサキの栄養・効能
ツルムラサキの種類
ツルムラサキの種類(品種)は少なく、茎と葉柄が紫がかる赤茎種と、茎も葉も鮮やかな緑色の青茎種があります。
ともに調理すると独特のにおいとぬめりがあり、赤茎種の花は紫色、青茎種の花は白色で、どちらも美しい濃紫色の実をつけます。
赤茎種も食べられますが、野菜としては青茎種が適しています。
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ツルムラサキの種類(赤茎種と青茎種)
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シンツルムラサキとは?
ツルムラサキの旬
ツルムラサキは、暑さに非常に強く、葉もの野菜には珍しく真夏に旬を迎えます。
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ツルムラサキの旬はいつ?
ツルムラサキの産地
暑さを好む夏野菜で、福島、宮城、徳島、山形がおもな主産地で、とくに福島、宮城、徳島で一二を争っています。
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ツルムラサキの産地はどこ?
ツルムラサキの選び方
葉の色が濃く、肉厚で、茎の切り口がみずみずしいものを選びましょう。
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おいしいツルムラサキの選び方
ツルムラサキの食べ方
ツルムラサキは生でも食べられますが、風味にクセがあるため、加熱調理が一般的です。
独特なぬめりが苦手な人は、一度茹でてから調理するのがおすすめです。
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ツルムラサキのおいしい食べ方
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ツルムラサキの大量消費レシピ
ツルムラサキの保存方法
ツルムラサキは乾燥に弱いので、水気をよく切り、茎にしめらせたキッチンペーパーなどを巻き、ポリ袋に入れて冷蔵庫で立てて保存します。
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ツルムラサキの上手な保存方法
菜園でツルムラサキを育てるには
ツルムラサキは暑さに強く寒さに弱いので、種まきはじゅうぶん暖かくなってから行います。
畑に直まきして育てることもできますが、苗を作ってから畑に植えつけたほうが、管理が楽に行えます。
主枝を摘芯すると次々とわき芽が伸びてきて、秋の終わりまで収穫できます。
夏になると旺盛につるを伸ばし、側枝もたくさん発生します。
日あたりさえよければどんなところでも育ち、病害虫の被害もあまりありません。
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ツルムラサキの育て方(畑)