ビートとも呼ばれ、ホウレンソウと同じアガサ科の野菜です。
北海道で栽培されているテンサイ(砂糖大根)の変種です。
原産地は、地中海沿岸地域とされ、当初は薬用に利用され、その後イタリア、近東地域に広がり、野菜として利用されるようになったといわれています。
日本には、江戸時代に渡来しており、「大和本草」(1709年)にビーツとよく似た特徴のシャムロ大根として紹介されています。
主に根の部分を利用しますが、葉の部分も食べられます。
根の部分は、大半がショ糖で、生で食べるとほんのりと甘みがあり、茹でると甘みがより増します。
葉の部分は、ホウレンソウのように利用できます。
ビーツを広めたのはテレビ?
2016年10月15日、「世界一受けたい授業」でビーツが紹介されます。
テーマ「栄養士おすすめの新食材ベスト5」で、ビーツが5位にランクイン。
高血圧の予防になる野菜として紹介され、実際に高血圧の人にビーツを摂取してもらい、1時間で血圧が下がったという実験結果が示されます。
当時ビーツの知名度がまだ低く、知る人ぞ知る野菜でしたので話題になりました。
知っておきたいビーツの栄養・効能
ビーツは、天然の着色料と、酸味のある甘みのショ糖が特徴の野菜です。
鮮やかな赤色はベタシアニン系色素によるもので、抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に期待できます。
やや土臭さのある独特の甘みは、ショ糖を多く含むからで、野菜の中では高カロリーです。
ショ糖は、体内で分解されてブドウ糖に変わり、吸収されて脳のエネルギーなります。
ビタミンB群の一種、葉酸もたっぷりと含んでいます。
葉酸は、細胞の生産や再生を助け、細胞の分裂や成熟にも大きく関わるとされ、胎児の健全な発育に重要な栄養素です。
妊娠初期から産後にかけて摂取することが推奨されており、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄の発達異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができるとされています。
ビーツの旬
国産のビーツの旬は2回あり、春まきの6~7月と、秋まきの11~12月です。
輸入物は通年出回っています。
おいしいビーツの見分け方
- 形が丸く、ボコボコしていない
- 直径が7~8cm(小カブほどの大きさ)
ビーツの下準備
サラダで食べる以外は、あらかじめ下茹でをします。
皮をむくと色があせてしまうので、皮付きのまま、茎を少し残し、かぶるくらいの水を入れ、酢と塩を加えて、弱火で竹串がスッと通るまで茹でます。
酢と塩を加えるのは、赤色を固定するためで、色止めになります。
茹で時間の目安は30分程度です。
茹であがったら皮をむき、調理します。
ビーツの保存方法
根と葉の部分は分けて保存します。
葉の部分は、湿らせたキッチンペーパーで包み、保存用袋またはポリ袋に入れ、立てて冷蔵庫の野菜室で保存します。
根の部分は、新聞紙に包み、冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存します。
保存期間の目安は、葉は2日、根は2週間ほどです。
菜園でビーツを育てるには
春まきと秋まきができますが、冷涼な気候を好むので、秋まきから始めるのがよいでしょう。
春まきでは、3月下旬から4月に種をまいて、5月から7月にかけて収穫します。
秋まきでは、9月に種をまいて、11月から12月にかけて収穫します。
[詳しく見る]
ビーツの育て方(畑)
プランターでビーツを育てよう