大根の育て方とコツ|土は深く耕し、適期を外さずに種をまく

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大根

野菜の中でもトップクラスの消費量を占める大根。

原産地は地中海沿岸や中央アジアなど諸説ありますが、明確ではありません。

日本には中央アジアからシルクロードを渡り、中国を経由して、日本各地に広まってさまざまな品種が生まれました。

日本での記録は「古事記」や「日本書紀」が最初で、「おおね」として記載されています。また、春の七草に欠かせない「すずしろ」として有名で、日本人にとって馴染み深い野菜です。

現在流通しているものの種類としては、日本大根、ヨーロッパ大根、中国大根の3つがあります。

かつては日本各地で固有のものが栽培され、白首大根が好まれていましたが、1970年代半ばにス入りが遅く、病気にも強く、大きさが手ごろで甘みのある青首大根が出現し、1980年代には代表品種となってまたたく間に全国で栽培されるようになりました。

一年を通して出回るようになった大根ですが、本来の旬は冬で、本来涼しい気候を好む野菜で、夏ものの大根は辛みが強く、冬ものは甘みが増してきます。

大根の栄養

根の部分は95%が水分で、ビタミンCや消化酵素のジアスターゼ、タンパク質分解酵素プロアテーゼなどを豊富に含んでいます。

豊富な酵素が働き、古くから消化のよい野菜といわれ、胃の調子を改善します。

ただし、酵素は熱に弱いので、大根おろしやサラダ、刺身のつまなどで食べる方が効率よく摂取できます。

葉は緑黄色野菜に属し、カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富で、葉の先から根の先まで、むだなく食べられます。

部位によって味が違う

大根には辛み成分であるイソチオシアネートが含まれ、根の先端にいくほどイソチオシアネートが多く、辛みが強くなります。

葉に近い首の部分は甘みが強いので、上部はサラダやダイコンおろしに、中間部は煮物に、辛みのある下部は薬味に向きます。

人気の青首大根

1974年に生まれた品種が、青首大根の耐病総太りです。ス入りが遅く、病気に強く、手ごろな大きさといった理由で人気となり、店頭は青首大根一色となりました。

それまで各地で栽培されてきた固有の大根は特産品となり、大切に栽培されています。

大根の育て方

大根

日本の代表的な野菜である大根は、日本各地の土壌、気候に適応し、さまざまな品種があります。季節に合った品種を選べば1年じゅう栽培できます。

15~20℃の冷涼な気候を好み、暑さには比較的弱いものの、寒さには強く、適期に種をまけば、家庭菜園でもつくりやすい野菜です。

もっともポピュラーな大根は青首大根ですが、ずっしり太く重たい三浦大根、ツンとする辛みで水分が少ない辛み大根、ほかに形の変わったものや変わった色のものなど、いろいろとつくってみるのもよいでしょう。

栽培の概要

生育温度 15~20℃。
連作障害 あり。1年以上あける。
育てやすい品種 耐病総太り、YRくらま、YRてんぐなど。
元肥 苦土石灰と元肥を入る。
種まき時期 春まき:4月。
秋まき:9月。
種まき方法 畝幅:90cm。
黒マルチ:あり(なくても良い)。
株間:2列、25cm間隔で4粒ずつ。
栽培中の管理 間引き1回目:本葉が1~2枚になったら間引いて3本を残す。
間引き2回目:本葉が5~6枚になるまでに一カ所1本に間引く。
追肥:2回目の間引きのとき、畝間に化成肥料を施す。
収穫 大根の肩が地面から15cm以上飛び出したら。
病害虫 [病気]萎黄病(いおう)、黒斑細菌病(こくはんさいきん)、黒斑病(こくはん)、軟腐病(なんぷ)、べと病、モザイク病、根こぶ病など。
[害虫]アブラムシ、ダイコンシンクイムシ(ハイマダラノメイガの幼虫)、ダイコンサルハムシ、キスジノミハムシ、アオムシ、カブラハバチ、コナガ、ヨトウムシなど。

栽培のポイント

  • 初心者向きは秋まき。
  • 連作はしない。
  • 障害物を取り除き、深く耕す。
  • 種まき適期を守る。
  • 畑に直まきして間引く。
  • 防虫ネットや寒冷紗でトンネルする。

育てやすい品種

[青首大根]
耐病総太り、YRくらま、YRてんぐなど。

[白首大根]
おふくろ、竜神三浦2号など。

[丸大根]
聖護院、冬どり聖護院など。

[漬物用]
山田ねずみ、阿波新晩生、秋まさり2号など。

栽培時期

大根の栽培時期

※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。

品種を選べば1年じゅう収穫できますが、家庭菜園では春まきと秋まきが一般的で、秋まきが育てやすくておすすめです。

又根を防ぐには

又根の原因は、土中の残渣や未熟な堆肥、小石やかたい土のかたまりなどの障害物です。

畑は深くよく耕してかたい土のかたまりを砕いて細かくし、堆肥は必ず完熟したものを使いましょう。

畑の準備

準備した畑

連作障害のでにくい野菜ですが、できれば1年以上栽培していない場所を選びます。

酸性には比較的強いほうですが、酸性に傾いた土壌では石灰を施し、土壌酸度を調整します。

大根は根を土中に深く伸ばし、肥大してよいものとなるので、土中に石や肥料のかたまりがあって根にあたると、根が二又に分かれてしまいます。又根にならないように、障害物は取り除き、堆肥は完熟したものを使いましょう。

窒素が多いと葉はよくできますが、根が大きくならず、肌のきれいな真っ白な大根になりません。窒素の量を減らすか、肥料を控えめにします。

大根十耕といわれるほどで、大根は深くまで耕し、よく土を砕くことが大切です。

種まきの2週間前に、石ころや残渣などの障害物を取り除き、苦土石灰と堆肥を施して、30cmの深さに丁寧に耕して土のかたまりを砕きます。

種まきの1週間前になったら、化成肥料を施してよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。

大根は黒マルチをしなくてもつくれますが、黒マルチは雑草の抑制や、地温を上げる効果に期待できます。

直根性なので植え替えできない

大根は直根性の野菜です。

間引いた株を欠株したところに植え替えたり、苗をつくって移植したりすると、根の先が切れて又根になり、生育も悪くなります。

かならず畑に直まきして育てましょう。

種まき

大根の種まき間隔

秋まき冬どりが育てやすくて一般的ですが、春まき、夏まきもできます。

直根性のため、畑にじかに種をまき、間引きながら育てます。

秋まき大根は、種まきが早すぎると、暑さにやられて病気にかかりやすくます。種まきが遅いと、寒さが来て根が太らないので、種まきの適期にまくことが大切です。

準備した畝に、2列、株間は25cmとし、空き缶や空き瓶、手の甲などで深さ2cmほどの窪みをつくり、一カ所に4粒ずつ、種と種の間を1cm以上あけてまきます。

厚さ2cmほどの覆土をし、手で軽く押さえて種と土を密着させ、水をたっぷりやります。

  1. 2列、株間は25cm
  2. 深さ2cmほどの窪みをつくる
  3. 4粒ずつ種をまく
  4. 厚さ2cmほど覆土する
  5. 手で軽く押さえる
  6. たっぷり水をやる

たくさん種をまくのに便利な道具

スキップシーダーのPS-3

穴ありマルチに大根の種をたくさんまくとき、スキップシーダーのPS-3があると便利です。

穴あきマルチをして点まきをするには、時間と手間がかかります。

PS-3を使えば、立ったまま楽にたくさんの種をまくことができます。

種まきにマルチ播種機の「スキップシーダー PS-3」が便利

害虫対策

防虫ネットで害虫対策

秋の栽培ではダイコンシンクイムシの発生しやすい時期となり、生育初期にシンクイムシに食害されると失敗します。

防虫ネットや寒冷紗でトンネルした方が安心です。このとき、ネットの裾は隙間がないように土を被せて埋めます。

間引きのコツ 双葉を見て決める

双葉の形には、できる大根の良し悪しに関係があります。

よい大根をつくるには、間引きのときに、双葉がそろっていないものや、正ハート形でないものを間引きます。

[残す株]

  • 双葉がきれいにそろっている
  • 双葉が正ハート形

1回目の間引き

大根の間引き

暖かい時期は2~3日で発芽します。

本葉が1~2枚になったら、子葉の形が悪いものや、左右のバランスの悪いものを間引き、3本残します。

2回目の間引き

本葉2~3枚から少しずつ間引き、本葉が5~6枚になるまでに一カ所1本に間引きします。

残した株を傷めないように、残す株の株元を押さえて、間引く株を引き抜きます。

大根の葉は栄養価が高く、間引き菜はおいしく食べられます。

追肥

大根は痩せた土地でも育つといいますが、それは肥料の吸収が強いからで、根が大きくなるものほど多くの肥料を必要とします。

また、高温期ほど生育が早く、肥料を吸収しやすいので、窒素成分が多すぎると葉ばかりが繁って根が大きくなりません。

気温が低くなる9月中旬以降の種まきでは、追肥をしっかり効かせます。

2回目の間引きのとき、畝間に化成肥料を施します。

大きく育ったら防虫ネットを外してOK

大きく育ったら防虫ネットを外す

株が大きく育てば、ダイコンシンクイムシなどの害虫に食害されても根は太ります。

葉が繁って込み合ってきたら、防虫ネットを外して風通しをよくします。

収穫

収穫適期の大根

葉が大きく広がって外葉が垂れるようになり、大根の肩が地面から15cm以上飛び出したら収穫適期です。

葉のつけ根と、根の地上に出た部分をしっかり持って、まっすぐ上に引き抜いて収穫します。

肩が地上にでないものや、長いもので曲がっていると折れることがあります。スコップなどで周り少し掘り起こしてから収穫するとよいでしょう。

収穫が遅れるほどスが入りやすくなり、食味が悪くなります。とり遅れないように注意します。

収穫した大根

病害虫

大根は病害虫の心配があまりなく、家庭菜園でもつくりやすい野菜ですが、油断はできません。

大根につく害虫は、アブラムシ、ダイコンシンクイムシ(ハイマダラノメイガの幼虫)、ダイコンサルハムシ、キスジノミハムシ、アオムシ、カブラハバチ、コナガ、ヨトウムシなどです。

種まき直後に防虫ネットでトンネルして、害虫から大根を守りましょう。

病気では、萎黄病(いおう)、黒斑細菌病(こくはんさいきん)、黒斑病(こくはん)、軟腐病(なんぷ)、べと病、モザイク病、根こぶ病などが発生します。

大根は連作障害のでにくい作物ですが、同じ場所でつくり続けると病気が発生しやすくなります。できるだけ連作を避けましょう。

耐病性のある品種を選び、かならず種まき適期を守ることが大切です。

ダイコンシンクイムシに注意

大根の芯が食べられるのは、ダイコンシンクイムシ(ハイマダラノメイガの幼虫)による食害です。

ダイコンシンクイムシに芯を食べられても、わき芽が伸びて根はそこそこ太り、少し小さいくらいで収穫できます。

被害を防ぐには、大きくなるまで防虫ネットでトンネルするか、薬剤を使用します。

大根の肌が汚い

そうか病、横縞症状、キスジノミハムシの幼虫、ネグサレセンチュウ、ネコブセンチュウなどの病害虫による被害が考えられます。

これらの病害虫は防虫ネットでトンネルしても防げないので、連作を避け、発生の心配がある場合は薬剤を使用しましょう。

コンパニオンプランツ

アブラナ科の大根は、セリ科の人参や、キク科のレタスと混植すると、害虫を寄せつけにくくする効果があります。

また、キク科のマリーゴールドと混植すると、センチュウが減って肌のきれいな大根ができます。

スとは?スが入るのはなぜ?

大根にスが入るとは、根内部がスポンジ状になって空洞ができる状態です。スが入るとかたくなり、味も落ちます。

スが入る原因は、根が過熟しすぎて起こる老化現象によるもので、種まき適期より早まきしすぎるとじゅうぶんに育ってなくてもスが入ります。

また、肥料不足でじゅうぶんに生育できなかったり、収穫が遅れてもスは入ります。

スは葉柄にも入るので、根にスが入っているかどうかは、葉のつけ根3cmぐらいで切ると分かります。

品種によって差がありますので、ス入りの遅い品種を選択し、かならず適期に収穫しましょう。

葉ばかりが育って根が太くならない

根が太らない原因はいくつかあります。

  • 肥料(とくに窒素)の与えすぎ
  • 種まきが遅い
  • 株間が狭い

窒素成分を多く与えると、葉ばかりが繁って根に養分がいかなくなり、根は太りません。

また、種まきが適期よりも遅れると、気温が低くなり、根の太りが悪くなります。

株間が狭くてじゅうぶんなスペースがない場合も、根は太くなれません。

辛い大根ができた

大根は本来辛みのあるもので、品種改良によって辛みがなくなりました。

ただし、肥料が少なかったり、栽培中の極度の乾燥や気温が高いと、その辛みが出てくることがあります。

夏の大根は辛みが強いものが多いのはこのためです。

大きな大根をつくるには

一般的に栽培される大根は、手ごろな大きさに改良された青首大根です。

スーパーなどでたまに見かける大きな大根は、三浦大根や大蔵大根などの大きく育つ品種です。

大きな大根をつくりたい場合は、大きくなりやすい品種を選ぶとよいでしょう。

ミニ大根

ミニ大根

普通の大根の根長が40cmくらいなのに対し、ミニ大根は根長が20~25cmの食べきりサイズの品種です。

普通の大根よりも少ない肥料で育ち、条間20~25cmの密植ができ、家庭菜園の狭いスペースでもたくさん作れます。

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大根いろいろ

紅しぐれ

[辛味大根]
辛味が強く、水分が少ないのが特徴で、おろしたてものを蕎麦などの薬味代わりに用います。

[レディサラダ]
小型の大根で、皮が鮮やかなピンク色で、中は純白です。

[紅芯大根]
小型の中国系大根で、外皮が緑色で中は鮮やかなピンク色をしています。水分が多く、やわらかくて甘みがあります。

[紅しぐれ]
首部分はアントシアニンの濃紫色、地中部分は淡紫色、根内部も中心が紫色に着色します。

[ラディッシュ]
二十日大根ともいわれ、小さくて丸型のかわいい大根です。

[三浦大根]
大型の品種で、根の長さが50~60cmあり、中ぶくれなのが特徴です。

[聖護院大根]
球形で1.5~2kgほどある大型の大根です。

[桜島大根]
球形で、20kgを超えるもっとも大型の大根です。

[守口大根]
細長いのが特徴で、直径は2~3cm、長さは120~130cmにもなる世界最長の大根です。

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埋めて保存

大根は寒さに強いほうですが、霜が降りても収穫せずにそのまま畑においていると、土から出てる部分が凍って傷み、やがて腐ってしまいます。

短期保存したいときは、霜が降りる前にいったん抜き取って、畑に並べて土を被せます。

  1. 大根をいったんすべて抜き取る
  2. 少し隙間を開けて横に寝かせて並べる
  3. 厚く土をかける
  4. できればむしろなどをかける

長期保存したいときは、霜が降りる前にいったん抜き取って、深い穴に大根を埋めます。この方法で3月ごろまで保存できます。

  1. 大根をいったんすべて抜き取る
  2. 葉を根元ぎりぎりのところからとりのぞく
  3. 畑に70~80cmほどの深い穴を掘る
  4. 穴に大根同士が触れ合わないように少し隙間をあけて並べる
  5. 大根が隠れるくらい土をかける
  6. これを2~3段繰り返す
  7. 土をこんもりと盛る
  8. できればむしろなどをかける

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切り干し大根にして保存

収穫した大根をよく洗って5mmの厚さに切り、1cm幅に切って天日で1~2週間乾かします。

その後、ジップロックなどに乾燥材と一緒に入れて密閉し、陽の当らない風通しの良い場所で保存します。

漬け物にして保存

たくさん収穫できたときは、漬け物にするとよいです。

漬け物用には細くて長い品種が適していますが、普通の青首大根でもつくれます。

収穫した大根の泥を洗い落とし、数株ずつまとめて葉を縛り、雨のあたらない風通しのよい軒下などに吊るして2週間ほど乾かします。

その後、漬け物用の樽に入れて塩や米ぬかで漬けこみます。

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