空芯菜は、サツマイモによく似た中国野菜で、茎の中が空洞なことからこの名前がつきました。
ヒルガオ科のサツマイモ属に分類され、つる性で熱帯では多年草ですが、日本では越冬できないため一年草として扱われます。
中国南部から熱帯アジアが原産で、中国名では「エンサイ」と呼ばれ、中国やタイの家庭料理でよく食べられています。
エンサイ、ヨウサイ、アサガオナなど多くの別名があり、沖縄の方言でウンチュー、ウンチェーバーとも呼ばれています。
地面に這うように伸びる若い葉や茎を食用にし、葉にはぬめりがあり、茎にはシャキシャキとした歯ごたえが特徴で、味はくせがなく、炒めものやおひたしなど、さまざまな料理で活躍します。
最近では、栄養価の高い野菜として注目され、スーパーでもよく見かけるようになりました。
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プランターで空芯菜を育てよう
目次
空芯菜の育て方
空芯菜は、サツマイモと同じ仲間のツル性の野菜です。
高温多湿の気候を好み、土も湿り気を好みます。
葉もの野菜を作りづらい夏に重宝します。
病害虫の被害が少なく、手間もほとんどかかりません。
生育が旺盛でつぎつぎと側枝が出てくるので、ツル先のやわらかい茎葉を摘みとって収穫します。
概要
生育温度 | 25~38℃。 | ||||
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土壌酸度 | 6.0~7.0。 | ||||
連作障害 | あまり出ない。 | ||||
品種 | 大葉種と小葉種。 | ||||
元肥 | 苦土石灰と元肥を入れる。 | ||||
種まき時期 | 気温がじゅうぶん上がってから。 | ||||
種まき方法 |
畝幅:90cm。 マルチ:しなくてもいいが、した方が管理が楽に行え、防寒対策にもなる。 種まき方法:条(すじ)まき。 条間:30cm。 |
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栽培中の管理 |
害虫対策:防虫ネットでトンネルした方が安心。 間引き:最終的に株間が10~15cmになるようにする。 摘芯:背丈が30~40cmほどになったら芽先を摘みとる。 追肥:摘芯のあと。以降は、3週間に1回を目安に追肥。 水やり:畑がひどく乾燥しているとき。 |
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収穫 |
背丈が30~40cmくらい伸びたら摘み取って収穫。 つぎつぎと側枝が出てくるので、順次若い茎葉を摘みとる。 |
ポイント
- 気温がじゅうぶん上がってから種をまく。
- 摘芯して側枝の発生を促す。
- ひどく乾燥しているときは水やりをする。
- 芽先を15~20cmの長さで切って収穫する。
- 3週間に1回ほど追肥すると、秋まで収穫できる。
時期
※地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
熱帯性で高温多湿を好むので、気温がじゅうぶん高くなってから栽培をスタートします。
品種
空芯菜に品種はありませんが、大葉種と小葉種があります。
種は、エンサイ、エンツァイ、アサガオナなどの名前で市販されています。
畑の準備
空芯菜は連作が可能ですが、できれば連作せずに1年以上あけてください。
種まきの2週間前に苦土石灰をまいて耕し、1週間前になったら堆肥と化成肥料を施してよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。
黒マルチは、雑草の抑制や、保湿や地温を上げる効果に期待できます。
種まき
高温性の野菜なので、気温がじゅうぶん上がってから種まきを行います。
マルチを30cm間隔ですじ状にカットし、切り込みに支柱などを押し当てて浅い溝を作ります。
溝に5cm間隔くらいで種をまき、薄く(1cm以下)土を被せて軽く鎮圧し、水をたっぷりやります。
害虫対策
空芯菜は比較的害虫の少ない作物ですが、ヨトウムシやイモキバガの幼虫が発生することがあるので、防虫ネットでトンネルした方が安心です。
間引き
発芽後、本葉が4~5枚までに株間10~15cmに間引きます。
摘芯
背丈が30~40cmほどになったら、収穫を兼ねて芽先を摘芯します。
摘芯することで側枝の発生が促され、収量が増えます。
追肥
空芯菜は生育期間が長いので、肥料を切らさないように育てるのがポイントです。
摘芯のあと、化成肥料を条間に少量施します。
以降は、3週間に1回を目安に追肥します。
水やり
空芯菜は高温多湿を好むので、畑がひどく乾燥しているときは水やりをします。
収穫
背丈が30~40cmくらい伸びたら芽先を摘み取って収穫します。
収穫するときは、根元から摘み取らず、下部の葉を2~3枚残すようにします。
摘芯したときのようにつぎつぎと側枝が出てくるので、順次若い茎葉を摘みとります。
あまり伸びすぎると葉茎がかたくなってしまうので、早めに摘みとります。
病害虫
空芯菜は比較的病害虫の少ない作物ですが、アブラムシ、ヨトウムシ、イモキバガの幼虫などが発生することがあります。
害虫は、防虫ネットでトンネルして予防し、見つけたら早めに取り除きます。
イモキバガに注意
イモキバガの幼虫が葉を食害します。
丸まった葉の中に隠れているので、見つけたら駆除します。
茎が硬い
収穫が遅れたり、土が乾燥していると茎が硬めになります。
硬くなる前に早めに摘みとり、乾燥しやすい夏場はこまめに水やりをします。
株を増やす
空芯菜は、節(葉柄の付け根)から根が出やすいので、さし芽して増やすことができます。
つるの先端や脇芽を3~5枚の葉をつけてカッターで斜めに切り取り、トレーやポットで育苗してから畑に植えつけます。
空芯菜の花
秋になると朝顔のような白い花を咲かせます。
そのためアサガオナという別名もついています。