トウガラシは、辛み種と甘み種に分類されますが、シシトウは甘み種のトウガラシの仲間です。
先端が獅子の口に似ていることから、この名前がつきました。
甘み種なので基本的に辛くないものの、たまに驚くほど辛いものがあります。
これは、栽培の環境や時期に原因があり、おもに乾燥にあうと辛みが増します。
暑さや病害虫に強く、栽培も比較的容易で、次々と実をつけます。
日あたりと高温を好みますが、乾燥を嫌うので、大きめのプランターで育てます。
収穫が遅れると実がかたくなり、株も疲れてしまうため、早めに収穫しましょう。
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シシトウの育て方(畑)
目次
栽培カレンダー
気温がじゅうぶん暖かくなってから栽培をスタートします。
栽培メモ
- 科名
- ナス科・トウガラシ属
- 別名
- 獅子唐辛子(ししとうがらし)、南蛮辛子(なんばんがらし)、南蛮など。
- 難易度
- ふつう
- 置き場所
- 日の当たる場所
- 背丈
- 60~80cm
- 種?苗?
- 苗から育てる
- 生育適温
- 25~30度
- 追肥
-
1回目:苗を植えて1か月したら
以降:2週間おき
- 病害虫
- 病気:尻腐病、青枯れ病など
害虫:アブラムシ、ハダニなど
栽培のコツ!
- じゅうぶん暖かくなってから苗を植える
- 支柱を立てて茎を支える
- 追肥と水やりを適度に行う
プランター向きの品種
改良シシトウ、翠臣など。
[改良シシトウ]
暑さに強く、家庭菜園でも作りやすいシシトウです。
[翠臣]
生育の早い早生種です。
生育の勢いがよく、スタミナがあり、栽培の中~後期に収量が上がります。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、支柱棚セットなど。
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必要な道具を準備しましょう
苗の用意
種から育てることがもできますが、手間と時間がたいへんかかるため、株数の少ないプランター栽培では苗を購入するとよいでしょう。
全体ががっちりしていて、1番花が開花直前くらいの苗を選びます。
2本仕立て(1ポットに2株)の苗を購入した場合は、植えつけ前に生育の悪い方を間引いて1本にするか、植えつけて活着してから1本にします。
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苗は丈夫なものを選ぼう
植えつけ
高温を好む野菜なので、気温がじゅうぶん暖かくなってから植えます。
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
苗を中央に置き、植える位置を決めます。
深さ10cmの植え穴を掘ります。
株元を人差し指と中指ではさみ、斜めに倒して根鉢を崩さないように丁寧に苗を取り出します。
植え穴に苗を植えつけ、株元を手のひらで軽くおさて土と根鉢を密着させて株を安定させます。
植えつけ後は、仮支柱を立てて苗が動かないようにしておきます。
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苗のじょうずな植え方
害虫対策
夏の高温期にはハダニが発生しやすくなります。
葉がかすれたようになったら、水やりのついでに葉の裏を洗って駆除します。
葉の裏を小まめに観察して、早めに対処しましょう。
芽かき
風通しと採光を確保するため、一番花がついた枝と、すぐ下の1本を残して、その下の脇芽をすべて摘み取ります。
その後、再び出てきたわき芽も摘み取ります。
脇芽を摘み取るさいは、切り口から菌が入らないように、晴れた日に手で摘み取ります。
支柱立て
背丈が伸びたら、仮支柱を抜き、本支柱を立てます。
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背が高くなる野菜は支柱を立ててサポート
整枝
枝が増えて葉が混み合ってきたら、3~5本の太い枝を残して、それ以外の枝を切り取ります。
以降は、太い枝から出た細い枝は放任し、枝が混み合い日当たりが悪くなったときは、細い枝を切り取ります。
枝を誘引
枝が伸びて支柱にとどいたら、枝の重みで折れてしまうのを防ぐため、2本の枝を支柱に誘引します。
ほかの枝は、紐で吊り上げるようにして誘引します。
放任しておくと、実や枝の重さで垂れ下がり、折れてしまいます。
追肥・増し土
苗を植えつけてから1か月したら、2週間に1回を目安に追肥を施します。
株のまわりに肥料をまき、土となじませ、株元に土を寄せます。
土が減ってきたら新しい培養土を足します。
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追肥のコツを知っていますか?
収穫
開花後15~20日で実の長さが6~7cmになったら、ヘタのすぐ上をハサミで切り取って収穫します。
とり遅れて熟すとかたくなってしまうため、早めに収穫します。
シシトウの花
シシトウは葉の脇に下向きに白い小さな花を咲かせます。
開花して2週間ほどしたら収穫できます。
花が落ちる原因
シシトウは多肥を好み、肥料切れや、乾燥によって花が落ちやすくなります。
追肥を忘れずにしっかり行い、夏場は敷きわらなどをして保湿し、朝と夕方にたっぷり水をやります。
辛くなる原因
シシトウは「食べるロシアンルーレット」ともいわれ、たまに辛みの強い実があります。
乾燥にあうと辛み成分であるカプサイシンが増加して、辛みが増します。
夏場は敷きわらなどをして乾燥対策を行い、朝と夕方にたっぷり水をやります。
肥料切れでも辛くなることがあるので、肥料を切らさないように注意します。