夏の風物詩ともいえるスイカ。
暑さを好み、日本の夏に適した野菜です。
プランターでスイカを育てるには、小玉の品種が作りやすくておすすめです。
原産はアフリカのカラハリ砂漠とする説が有力で、高温と乾燥、強い日光を好み、猛暑続きのときほどおいしいものができます。
肥料が多すぎると、葉ばかりが繁って実がつかない「つるボケ」を起こすため、肥料は控えめにします。
よい実をつけさせるには、人工授粉をします。
人工授粉をした日を記録しておくことで、よく熟した甘い実を収穫することができます。
プランターで育てるには少し難しいですが、挑戦してみたい野菜の一つです。
[関連記事]
小玉スイカの育て方を徹底解説!(畑)
目次
栽培カレンダー
小玉スイカは高温を好むので、じゅうぶん暖かくなってから栽培をスタートします。
栽培メモ
- 科名
- ウリ科・スイカ属
- 別名
- 寒瓜(かんか)
- 難易度
- むずかしい
- 置き場所
- 日当たりのよい場所
- 背丈
- 200cm
- 種?苗?
- 苗から育てる
- 生育適温
- 25~30度
- 追肥
-
1回目:実が大きくなりはじめたら
以降:2週間おき
- 病害虫
- 病気:炭そ病、うんどこ病など
害虫:アブラムシ、ウリハムシなど
栽培のコツ!
- 肥料をやりすぎない
- ネットにツルを誘引する
- 人工授粉をする
- 実をネットで吊り下げる
プランター向きの品種
愛娘、紅こだま、マダーボールなど。
[愛娘]
果重は2.5~3kgで、草勢はやや強く、着果しやすく、プランターでも育てやすい小玉スイカです。
[紅こだま]
果重は2.5kg前後で、糖度が高くて香りもよく、おいしい小玉スイカです。
[マダーボール]
ラグビーボール型の品種で、果重は2.2kg前後、糖度が高く、草勢は旺盛で育てやすい小玉スイカです。
準備するもの
48Lのプランター、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、ネット棚セットなど。
苗の用意
小玉スイカの種まき時期は3月下旬から4月上旬で、保温して育てる必要があります。
育苗時の温度管理は難しいので、市販の苗を利用したほうが簡単です。
本葉4~5枚の病害虫の被害のない苗を選びます。
[関連記事]
苗は丈夫なものを選ぼう
植えつけ
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
苗を中央に置き、植える位置を決めます。
深さ10cmの植え穴を掘ります。
株元を人差し指と中指ではさみ、斜めに倒して根鉢を崩さないように丁寧に苗を取り出します。
植え穴に苗を浅めに植えつけ、株元を手のひらで軽くおさて土と根鉢を密着させて株を安定させます。
[関連記事]
苗のじょうずな植え方
支柱立て・ネット張り
小玉スイカのようなツルが伸びる野菜は、ツルを誘引しながら育てます。
ツルが伸び出したら、支柱を立ててネットを張ります。
[関連記事]
背が高くなる野菜は支柱を立ててサポート
ツルを誘引
小玉スイカには巻きひげが出ますが、自分では這い上がれないため、ネットに誘引します。
わき芽かき
親ヅルを摘芯せずに1本仕立てにする方法と、親ヅルを摘芯し、その下から出る強い子ヅルを2本育てる2本仕立てがありますが、プランターは土量が少なく、ツルを伸ばすスペースも少ないため、1本仕立てがおすすめです。
子ヅルが伸びてきたら、つけ根から切り取ります。
人工授粉
確実に実をつけるために人工授粉をします。
花粉の寿命が短いので、かならず午前9時頃までに、その日咲いた雄花を使用します。
雄花を摘んで花びらを取り、むき出しになった雄しべを雌花の雌しべに軽く押しつけて受粉します。
交配日を記入したラベルをつけて収穫の目安にします。
追肥
実が大きくなりはじめたら、肥料を施します。
プランターの縁に肥料をまき、土となじませ、株元に土を寄せます。
以降は、2週間に1回のペースで追肥していきます。
[関連記事]
追肥のコツを知っていますか?
枯れ葉取り
ウリハムシに食害されてボロボロになった葉や、枯れた葉は、病気の原因になるので、早めにハサミで切り取ります。
玉吊り
実の大きさがソフトボール大になったら、実が落下しないように、ネットで実を包んで固定します。
収穫ネットや延伸棒ネットなどに実を入れ、横に渡した支柱やネットに固定します。
水を控えめにする
収穫の10日前から水やりを控えめにして乾燥気味にすると、甘い小玉スイカが収穫できます。
収穫
受粉から35~40日が収穫適期です。
受粉日を書いたラベルをつけていない場合は、実のついた節の巻きひげが枯れきったら収穫します。
ハサミでヘタの部分を切って収穫します。
小玉スイカは収穫のタイミングが難しい
雌花の開花日(もしくは人工授粉をした日)がわからない場合は、次のポイントを目安に収穫適期を見極めます。
[巻きひげの状態]
実のついた節から伸びる巻ひげが完全に枯れたら。
[ツヤ]
実の表面のツヤがなくなったら。
[音]
実を叩いて「ポンポン」と音が通る(濁らない)。
音で判断するのは難しいので、巻ひげが完全に枯れていて、実のツヤがなくなっていたら収穫するのがよいでしょう。
熟してない小玉スイカは美味しくないので、早くとりすぎるのは禁物です。
注意する病害虫
病気ではうどんこ病、害虫ではウリハムシが多く発生します。
うどんこ病は、葉が白く粉をふく病気です。
枯れ葉や病気がひどくなった葉は取り除いて風通し良くします。
ウリハムシは、黄色の甲虫で、成虫は葉を食害し、幼虫は根を食害します。
見つけしだい捕殺します。
小玉スイカの花
花の根元に幼果がついているのが雌花です。
花の根元に何もないのが雄花です。