はじめて購入した培養土は品質のよいものであっても、同じ土で何度も野菜を育てているうちに質が落ちてきます。
土を使い続けると水はけや通気性は悪くなり、土の中の養分も減り、土は酸性化して野菜の生育が悪くなります。野菜を好む雑菌も繁殖して病気の原因にもなります。
そこで、野菜を栽培したあとの培養土は、使い捨てにせずに、土を殺菌して栄養分を補給し、土を再生させます。
使った土をそのつど処分するのは不経済ですから、土の再利用にチャレンジしてみましょう。
古土に混ぜるだけで再利用できるさまざまなリサイクル材も市販されているので、利用すると手軽に再生できます。
再生させた土は、ビニール袋に入れて、日光や雨のあたらない場所で保管します。
土の改善
同じ野菜や同じ科に属する野菜を、同じ土で連続して育てると、病原菌や害虫、害虫の卵が増えたりして、病害虫が発生しやすくなり、野菜が育たなくなります。
これを連作障害といいます。
そのため、野菜を栽培したあとの培養土は、土の中のゴミの除去、太陽光を利用して土を殺菌などして、ひと手間加えてやれば、新しい土と同じように、再び野菜が元気に育つようになります。
太陽光を利用した土の再生方法
1.使った土をシートに出し、1~2日乾燥させます。
2.大きな根などの残渣を取り除き、目の粗いふるい(5~7mm)で鉢底石と残渣と土とに分けたら、天日に当てて土がさらさらになるまで乾燥させます。
3.土をビニール袋に入れてジョウロで水をかけて全体を湿らせて密閉し、日当たりのよい場所に10日以上置いて熱殺菌します。
4.袋から土を出し、苦土石灰と元肥を加え、腐葉土または新しい培養土を30~40%混ぜます。
肥料は古い土に対して1リットル当たり2~5g程度の化成肥料を混ぜます。
苦土石灰と元肥を同時に混ぜると、アルカリ分と肥料の窒素が反応して窒素が逃げてしまうので、一週間ほどずらして入れましょう。
熱湯を使った土の再生方法
病害虫の卵が死滅するには60℃以上で15分以上おくことが必要です。
1.ブリキバケツなどの高温に耐えられる容器に、リサイクルしたい土を入れ、同量の熱湯を注ぎます。
2.熱湯を入れた土を数日間ビニールシートの上に広げて乾燥させます。
3.乾燥したら、ふるいにかけて葉や根を取り除きます。
4.苦土石灰と元肥を加え、腐葉土または新しい培養土を30~40%混ぜます。
肥料は古い土に対して1リットル当たり2~5g程度の化成肥料を混ぜます。
苦土石灰と元肥を同時に混ぜると、アルカリ分と肥料の窒素が反応して窒素が逃げてしまうので、一週間ほどずらして入れましょう。
手軽に土を再生するには
土を再生するのに手間をあまりかけられないという人は、使用した土に混ぜるだけのリサイクル剤を利用するのもよいでしょう。
さまざまな商品がありますので、使用方法や効果を確認してください。