(アブラムシ)
プランターで野菜を作るうえで、避けて通れない問題なのが、害虫と病気の発生です。
野菜が好む環境をつくれても、長雨や乾燥が続いたりすると、病害虫が発生しやすくなり、病害虫の発生を完全になくすことはできません。
こういったとき、日ごろから野菜をよく観察し、病害虫を防除する必要があると思ったら、ただちに薬剤を散布するのも一つの手です。
初心者は、薬剤の使用をためらって、被害が進んでどうにもならなくなってしまいがちです。
しかし、初期の段階であれば、少量の薬剤を1回散布するだけで大体はすみます。
薬剤は正しく使えば安全だといっても、できるだけ使用量を抑えたいものです。
注意すべき病害虫の種類や発生の症状、発生しやすい時期を知って、よく観察しましょう。
病害虫は被害が小さい初期段階のうちに対処するのがコツです。
殺虫剤
害虫を退治する薬剤で、多くの種類の製品があります。
[接触剤]
直接接触剤と残効性接触剤があります。
直接接触剤は、害虫の体に直接薬剤が触れて退治します。
残効性接触剤は、葉や茎に薬剤が付着し、そこに触れた害虫を退治します。
[浸透移行性剤]
薬剤が葉茎や根から吸収されて植物体内に広がり、食害した害虫を退治します。
[食毒剤]
薬剤が付着した葉や茎を食害した害虫を駆除します。
殺菌剤
病気を予防したり治療する薬剤で、多くの種類の製品があります。
[保護殺菌剤(予防)]
傷口や気孔から侵入しようとする病原菌を、侵入できないようにして病気を予防します。
予防効果のあるもので、発病してからでは効果が少なくなります。
[浸透性殺菌剤(予防・治療)]
葉の中に薬剤が浸透し、葉の中に侵入した病原菌を退治します。
農薬のじょうずな使い方
農薬を使うときはまず、どの野菜のどんな病害虫を防除したいのか、目的をはっきりさせることが重要です。
使用時は、薬剤のラベルの説明を見て正確に計量し、正しい量を使用します。
散布する薬剤を使用する場合は、散布時に飛散するので、露出部分が少ない服装をします。
また、マスクと手袋、できればゴーグルも着用し、できるだけ風のない日に散布を行います。
スプレーや噴霧器で、葉の表と裏にまんべんなく散布します。
粒剤は、株元に散布します。
決められた濃度、使用する時期を必ず守りましょう。
農薬を安全に使うために
薬剤は濃いほうが効くだろうと、規定量よりも濃い薬剤を散布する方がいます。
薬剤は濃くしたからといって効果が上がるものではありません。
逆に、薬害で野菜に悪い影響が出てしまったり、完全性にも影響がでてしまいます。
農薬取締法によって、野菜や病害虫によって使える農薬の使い方、使用量が決められています。
プランター栽培で使用する場合でも、薬剤に登録されていない条件で使用した場合、使用者が罰則の対象となります。
ラベルの説明をよく見て、それらを守って正しく使用しましょう。
また、農薬を使うときは、必ずマスクや手袋をはめて、肌にかかったり吸い込まないように注意しす。
農薬は使える野菜、使える時期、使える量が決まっています。
混植(寄せ植え)している場合は、ほかの野菜をビニールで覆うなどして農薬がかからないようにします。
農薬をかけるときは、葉の表面だけでなく裏にもかけます。
スプレーや噴霧器を使う場合は、下から上に向けてかけるようにすれば、葉の裏にもじょうずにかけられます。