ジャガイモは、南アメリカのアンデス地方の原産で、涼しい気候を好み、昼夜の温度差があるとよく育ちます。
手がかからず、簡単につくれるので、プランター栽培でも人気の野菜です。
プランターでジャガイモを育てるには、種イモと呼ばれる栽培用の無病のイモを植えつけることからはじめます。
形のよいイモをたくさんつくるには、15cm以上深く植え、芽が出そろったらしっかり芽かきをし、3~4本の茎を育てるのがポイントです。
地上部が枯れたら、天気のいい日に掘り上げて収穫します。
土の中の様子がわからないので、収穫時にドキドキ感は野菜の中でも一番です。
最近はいろいろな品種が登場しているので、いろいろな品種にチャレンジしてみるのもよいでしょう。
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目次
栽培カレンダー
ジャガイモの栽培カレンダーです。
春と秋に栽培できますが、秋作は病気や害虫が多く収量も少ないので、春作がおすすめです。
栽培メモ
- 科名
- ナス科・ナス属
- 別名
- 馬鈴薯、二度イモなど
- 難易度
- やさしい
- 置き場所
- 日の当たる場所
- 背丈
- 50~60cmくらい
- 種?苗?
- 種イモで育てる
- 生育適温
- 15~23度
- 追肥
- 芽かきのあとと蕾が見えたころの2回
- 病害虫
- 病気:疫病、モザイク病など
害虫:アブラムシ、ニジュウヤホシテントウ、ハダニ、ヨトウムシなど
栽培のコツ!
- 深さのある大型のプランターを使用する
- 無病の種イモを使用する
- 芽かきをして大きなイモをつくる
- 増し土をしてイモの緑化を防ぐ
プランター向きの品種
男爵、キタアカリ、メークインなど。
[男爵]
日本で最も多く栽培されている品種です。
ホクホクしているのが特徴で、粉ふきいもやポテトサラダに最適です。
[キタアカリ]
煮上がるのが早いので、粉ふきいもやポテトサラダに最適です。
[メークイン]
長い楕円形で芽が浅いのが特徴です。
肉質はきめ細かくて舌触りが良く、煮崩れしないので、煮物や炒め物に向いています。
準備するもの
48Lのプランター、種イモ、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベルなど。
ジャガイモは土の量が少ないとたくさん収穫できないので、大型のプランターを使用します。
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必要な道具を準備しましょう
種イモの用意
ジャガイモは種イモで伝染するウイルス病などがあります。
ホームセンターや園芸店などで売られている検査に合格した種イモを購入して使用しましょう。
種イモの植えつけ
ホームセンターや園芸店で売られている専用の種イモを植えつけます。
食用のものはウイルス病に感染している恐れがあるので避けます。
へこんでいる部分(へそ)を下にして植えつけます。
30~40gくらいの小さめの種イモを切らずにそのまま植えるのがおすすめです。
[30~40gの種イモ]
小さめの種イモはそのまま植えられます。
[40g以上の種イモ]
大きな種イモは縦に半分に切ります。
切り口が湿ったまま植えつけると腐りやすいので、日陰で半日切り口を乾かします。
切り口を下にして植えます。
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
30cmの間隔をあけて、15~20cmの深さに種イモを植えつけます。
植えつけ直後は、種イモが腐りやすいので、水やりをしません。
植えつけてから1週間くらいしてから水やりを開始します。
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苗のじょうずな植え方
芽かき・追肥
すべての芽を成長させるとイモが小さくなります。
茎の数が少ないほうが大きなジャガイモできます。
出た芽が10~15cm程度になったら、生長のよい芽を3~4本残して、生長のよくない芽を取り除きます。
芽を取り除く際は、種イモを傷めないように、芽のまわりを押さえるようにして抜きます。
芽かきの後、株のまわりに肥料を施します。
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追肥のコツを知っていますか?
追肥・土増し
蕾が見えはじめたころからイモが太りはじめるので、株のまわりに肥料を施します。
新しいイモは種イモの上にできるので、露出して緑色にならないように、土を増してしっかりと株元に土を寄せます。
水やり
水やりは1日1回が基本ですが、水をやりすぎるとイモが腐ったり病気になりやすいので、土の表面が乾いていたらやります。
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水やりが重要なポイント!
収穫
葉が枯れてきたら収穫できます。
雨が降ったあとに収穫したジャガイモは腐りやすいので、晴天が2~3日続いた日に収穫します。
株元をしっかりと持ってまっすぐ上に引き抜いて収穫します。
取り残しがないように土の中をよく探します。
枯れているのにいつまでも土の中にイモがあると、イモは病気になってしまうので、茎が枯れたら早めに収穫します。
貯蔵性を高めるに、土をよく落として日陰に敷いて半日ほど干し、保管は暗いところで行います。
注意する病害虫
ジャガイモには一晩で枯れてしまう疫病があります。
病気は種イモより伝染するので、健全な種イモを購入して使用します。
害虫のテントウムシダマシは葉を食い荒らすので、葉の表や裏をよく観察して、見つけたらすぐに駆除します。
緑色のイモに注意
イモが地上に出て日光に当たると、その部分が緑色になり、有毒のソラニンという成分を含み、食べると中毒症状を起こします。
イモが出ないように、こまめに土寄せをしてイモに光が当たらないようにします。
秋ジャガの作り方
ジャガイモは秋にも栽培することができます。
デジマやアンデス赤など、休眠期間の短い品種を選びます。
気温が高く、種イモを切ると腐りやすいので、小さめの種イモを切らずに植えます。
種イモを植えつけた後、地温が上がりすぎないようにワラや刈り草などを土の表面に敷きます。