独特の香りと風味が特徴のシュンギク。
すき焼きや鍋の定番として親しまれ、冬の代表的な栄養価の高い緑黄色野菜です。
春に花を咲かせ、花や葉が菊に似ていることからシュンギク(春菊)と名づけられました。
原産地は地中海沿岸地方で、日本では野菜として食べられていますが、強い香りのせいか、ヨーロッパではもっぱら観賞用として親しまれています。
栄養価の高い野菜で、カロテンの含有量は小松菜やホウレンソウをしのぎ、カルシウムは牛乳以上、ほかにビタミンB2、C、E、鉄なども豊富に含みます。
丈夫でつくりやすく、種まきから約1か月で収穫でき、一度種をまけば、摘み取りながら長期間収穫できます。
冷涼な気候を好むので、春と秋に栽培できますが、春の栽培ではトウ立ちしやすいので、初心者には秋まきがおすすめです。
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シュンギクの育て方(畑)
目次
シュンギクの種類
葉の大きさで、大葉種、中葉種、小葉種があり、一般的に出回っているのは中葉種です。
また、1本の茎を中心にわき芽を摘みとる「摘み取り種(株立ち種ともいう)」と、根から株が多数分かれて株ごと収穫する「株張り種」があり、それぞれに適した品種があります。
[株立ち種]
きわめ中葉春菊、さとゆたか、竜光(りゅうこう)など。
[株張り種]
菊次郎、さとにしきなど。
プランターで育てるには、長く収穫できる「株立ち種」がおすすめです。
栽培カレンダー
シュンギクの栽培カレンダーです。
寒さに強く、夏以外ならいつでも栽培できますが、春の栽培ではトウ立ちしやすいので、秋まきがおすすめです。
栽培メモ
- 科名
- キク科・シュンギク属
- 別名
- キクナ
- 難易度
- やさしい
- 置き場所
- 日の当たる場所~半日陰
- 背丈
- 30cmくらい
- 種?苗?
- 種で育てる
- 生育適温
- 15~20度
- 追肥
- 2回目の間引きのあと
- 病害虫
- 病気:べと病、炭そ病など
害虫:アブラムシ、ハモグリバエ、アザミウマなど
栽培のコツ!
- 種まき後はごく薄く土をかける。
- 間引きながら株間を広げていく。
- 生長したらわき芽を伸ばして長期間収穫する。
プランター向きの品種
きわめ中葉春菊、さとゆたか、竜光(りゅうこう)など。
[きわめ中葉春菊]
寒さに強く、中葉の摘み取り種です。
葉は濃緑色でやわらかく、香りにすぐれます。
側枝の発生が多く、栽培は容易です。
[さとゆたか]
中葉の摘み取り種です。
節間のつまった草勢で、側枝の発生が多く、べと病に非常に強くて育てやすいです。
[竜光(りゅうこう)]
中葉の摘み取り種です。
茎は太く、葉肉は厚く鮮緑色で、香りが強いのが特徴です。
側枝の発生が多く、育てやすい品種です。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、防虫ネットセットなど。
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必要な道具を準備しましょう
種まき
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
3列、条間10cm、深さ1cmの浅い溝をつくり、1~2cm間隔で2~3粒ずつ種をまきます。
発芽率が悪いので、種を多めにまくとよいでしょう。
発芽に光を必要とする好光性の種なので、覆土はごく薄くします。
発芽するまで乾かさないように注意します。
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プランターでの種まき
害虫対策
シュンギクは害虫に強い野菜ですが、防虫ネットでトンネルすると安心です。
簡単に設置できる防虫ネットセットがおすすめです。
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防虫ネットを被せて虫よけ
間引き・土寄せ
間引きを2回行い、本葉3~4枚までに5~6cm間隔にします。
2回目の間引き菜は、サラダにして食べるとよいでしょう。
[1回目]
双葉が開いたら、2~3cm間隔になるように、茎が伸びて徒長した株や葉の形が悪いもの、生育の遅い株を間引きます。
間引き後、株のぐらつきと根の乾燥を防ぐために左右から土を寄せ、根が土から出ないようにします。
[2回目]
本葉3~4枚で2回目の間引きをして、株の間隔を5~6cm程度にします。
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たくさん発芽させて間引きをしよう
追肥
2回目の間引きのあと、株間とプランターの縁に少量の肥料を施します。
追肥の肥料には、「住友化学園芸 マイガーデンベジフル」が使いやすくておすすめです。
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追肥のコツを知っていますか?
1回目の収穫
草丈が15cm程度になったら、間引きを兼ねて1本おきに収穫します。
2回目の収穫
株がじゅうぶんに大きくなったら、下葉を3~4枚残すようにして節の上で摘みとって収穫します。
その後、側枝が伸びてきて次々と収穫できます。
以降の収穫
残した下葉からわき芽が伸びるので、必要な分だけ摘みとって収穫していきます。
収穫後は生育の様子を見て、伸びが遅いようなら追肥します。
注意する病害虫
シュンギクは病害虫の被害を受けにくい野菜ですが、アブラムシやハモグリバエ(エカキムシ)には注意が必要です。
アブラムシは、葉の裏などをチェックし、見つけしだい捕殺します。
ハモグリバエは、幼虫は葉肉内を食い進み、その跡が筋状の白い絵を描いたような模様に見えます。肥料を多用すると多発する傾向になるので、肥料のやりすぎに注意します。
病気では、べと病や炭そ病が発生することがあります。
間引きを適切に行い、株間を広くとって風通しをよく育てましょう。