7月は、前半の梅雨の時期と、後半の梅雨明けしてからでは環境ががらりと変わります。
前半は、気温はさほど高くありませんが、梅雨で曇りや雨の日が多く、湿度の高い日が続きます。
水はけをよくしておいた畑であっても、降りしきる雨で加湿になりがちです。
雨や加湿は、土や肥料を流してしまうほかに、株や実を泥で汚す原因になり、病気が発生しやすくなります。
敷きわらやビニールマルチをして対処しましょう。
後半は、梅雨が明け、急に強い日差しがさすようになって気温も一気に上がります。
梅雨明け直後、多湿な状態で急に地温が上がると、病気や害虫の発生が多くなります。
暑さ対策や除草を早めにしておき、夏に備えておきましょう。
また、7月ごろから台風が接近することがあります。
トマト、ナス、ピーマン、キュウリなど、春に植えた夏野菜が次々と実がなってくるころなので、被害が出ないように注意しましょう。
秋ナスをとりたい場合は下旬ごろに更新剪定を行います。
[7月の主な作業]
- 種まき
- 植えつけ
- 追肥
- 水やり(後半)
- 病害虫対策
- ナスの更新剪定
- 太陽熱土壌消毒
7月に種をまく野菜
- 地這いキュウリ
- 大豆
- キャベツ
- 小松菜
- シュンギク
- ブロッコリー
- カリフラワー
など。
大豆の種まきは、7月中旬ごろまでにはすませておきましょう。
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夏に種まきできる野菜
7月に植える野菜
- ニラ
- 長ネギ
- モロヘイヤ
など。
マルチング
梅雨対策には敷きわらやビニールマルチをして病害虫の予防をします。
植えつけ時にビニールマルチを張っておくと土の跳ね返りなどの予防になりますが、植えつけ後に対処するなら、わらや刈った草を株のまわりに敷くとよいでしょう。
種まき・苗の植えつけ
梅雨の時期は、水はけのよい畑でも過湿になりがちです。
水はけの悪い畑ではなおさらです。
多量の雨が降ると種を流してしまったり、苗を傷めたりするので、パオパオ(不織布をべた掛け)するなどの工夫が必要です。
追肥
夏野菜は7月が最盛期で、疲れが見られるようになってきます。
肥料が切れると、実のつきが悪くなるので、早めの追肥が大切です。
梅雨明け後の乾燥時には、肥料を施したら水をかけておきましょう。
水やり
梅雨が明けると、急に強い日差しが照りつけるようになり、乾燥した暑い日が続きます。
土が乾燥しがちになるので、乾燥が続く場合には、ときどき水やりをすると、野菜の生育がよくなります。
また、肥料は水に溶けないと効果がない出ないので、乾燥時には、肥料を施したら水をかけてかけるとよいでしょう。
収穫
7月になると、夏野菜は次々と花を咲かせ、収穫が本格化してきます。
収穫が遅れると、株が疲れ、実のつきが悪くなります。
とくに、キュウリ、オクラは実が大きくなるのが早いので、早めに収穫しましょう。
除草
大豆、人参は、草に負けないように除草します。
マルチをしていても、株元の穴から草が生えてくるので、株が小さいうちはしっかり除草しましょう。
病害虫対策
梅雨の雨が多い時期は、土壌の過湿や泥跳ね、蒸れなどによって、病気の発生が多くなります。
さらに、梅雨明け直後、多湿な状態で気温が急に上がったときも注意が必要です。
泥はねを防ぐためには、敷きわらやビニールマルチをして対処しましょう。
蒸れを防ぐためには、混み合った枝葉を整理したり株間をじゅうぶんに取りましょう。
ナスの更新剪定
ナスは7月下旬頃になると、しだいに実のつきが悪くなってきます。
原因は、高温と乾燥、病害虫によって、株が疲れるからです。
このままにしても回復は難しいので、思いきって更新剪定をしましょう。
一か月ほど収穫できなくなりますが、秋には再び良質な実を収穫できるようになります。
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太陽熱土壌消毒
繰り返し野菜を栽培した土壌は、特定の微生物の割合が多くなり、病気や害虫が発生しやすくなります。
病害虫が発生した場所では、夏に透明のビニールマルチを張って、太陽熱を利用して殺菌します。
太陽の熱による土の消毒には60℃以上の高温を数時間保つ必要があります。
このため、真夏で晴天が続く7~9月が作業の適期です。
畝を立て、2~3週間ほど透明のビニールマルチを張っておきます。
畝の表面が高温になって菌や害虫が死滅します。
また、雑草対策にもなり、芽が出た雑草が熱によって枯れ、畝の表面にいた雑草がなくなり、雑草が生えにくくなります。
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