ジャガイモは暑さに弱く、25℃以上になると芋が急速に肥大して生理障害を起こす恐れがあり、30℃以上になると芋が形成されなくなってしまいます。
しかし、霜にも弱いので、早く植えることもできません。
霜の心配がなくなってから植えつけ、暑くなる前に収穫してしまうのが一般的な栽培方法です。
3月中旬に種芋を植えつけて、4月初旬に出芽してしまうと、まだ遅霜の心配があります。
なので、3月下旬に種芋を植えつけて、4月中旬ごろに出芽するのが、ちょうどいいくらいです。
収穫は、暑くなりだす6月下旬ごろからです。
これだと、栽培期間は2か月ちょいと短めです。
そこで、早植えをして、ビニールトンネルで霜対策をして、栽培期間を長くする方法があります。
2月中旬ごろに種芋を植えつけ、ビニールでトンネルして保温して育てて、5月中旬から収穫していこうという栽培方法です。
今年は前倒しで畝を早めに準備できたので、早植えトンネル栽培を試してみることにしました。
通常のジャガイモの育て方はこちらにまとめてます。
⇒ ジャガイモの育て方とコツ|「収量に優れる春作」に「黒マルチ」で多収を狙う
ジャガイモの種芋を購入(2017年1月31日)
ホームセンターなどでは早くからジャガイモの種芋が売られています。
これを買ってすぐに植えつけて、普通に栽培したら、霜にやられます。
売られていたらほしくなりますが、本来は我慢して、霜の心配がなくなってから出芽するように植えつけます。
ただ、今回はあえて早植えしますので、購入して浴光育芽をはじめます。
品種はキタアカリにしました。
植えつけ(2月17日)
浴光育芽を半月ほどしたので、芽が5mmほど出てきました。
まだ2月中旬ですが、畑に植えます。
ホーラーのH70Pを使って種芋を植えました。ジャガイモの種芋を植えるのに便利な道具です。
ホーラーのH70Pについてはこちらにまとめてます。
⇒ ジャガイモや里芋の植えつけにホーラーのH70Pが便利
このまま放っておくと出芽したときに霜でやられますので、不織布でパオパオして、ビニールでトンネルします。
これで芽が出ても大丈夫なはずです。
発芽(3月23日)
通常ではまだ種芋の植えつけ時期ですが、もう芽が出てきました。
霜にやられることもなく、今のところ順調です。
芽かき(4月2日)
芽がたくさん出てきて込み合ってきたので、芽を2~3本残して芽かきをしました。
まだ遅霜の心配のある時期ですが、ビニールでトンネルしてることもあって、今のところ順調です。
順調に生育(4月27日)
霜の心配がなくなったので、ビニールをとりました。
一般的には今はまだ芽かきをしてるくらいの時期ですので、生育がかなり早いです。
試し掘り(5月7日)
花が咲き終わったら試し掘りをしてみようと思ってましたが、花が咲きませんでした。
品種がキタアカリだからか、早植えしてビニールでトンネルして保温して栽培してるからか、花が咲きません。
蕾はできて、そろそろ花が咲くか?と思っていたら、蕾のまま茶色くなってぽろっととれました。
花が終わった?!ということで、試し掘りをしてみました。
まだ5月初旬、驚異的な早さです。
1株を試しに掘ってみたら、芋の大きさはまあまあ、芋の数もまあまあ、多くはないけど、思ったよりも芋が育ってました。
収穫開始(5月16日)
試し掘りから一週間ちょっとが経ちました。
まだ5月中旬で、一般的にはジャガイモの花が咲きだすころですが、ビニールでトンネルして育てたジャガイモは、もう収穫できるようになりました。
試し掘りのときはまだ少し芋が小さく、数も少なめでしたが、今回の収穫では、芋は大きく、数もたくさん収穫できました。
しかも、地上部が大きく育ち、まだ青々としていて、まだまだ収量は上がりそうです。
おわりに
今回はうまくいきましたが、春の気温が高めで、強烈に気温の下がる日がありませんでした。
もし、ビニールでトンネルしていても、出芽してから強烈に気温が下がることがあったら、全滅していたかもしれないです。
なぜなら、気温が高めだったのに、葉の先が少し傷んだ株があったからです。
どうしても早く収穫したいのであれば、早植えしてトンネルを二重(小さいトンネルの上に大きいトンネル)にすると安心かもしれないです。