(作りやすく、短期間で収穫できる)
インゲンの由来は諸説ありますが、隠元(いんげん)禅師が中国から日本に持ってきたことから、この名前がついたといわれています。
原産地は中央アメリカからメキシコで、日本へは江戸時代に隠元禅師によってもたらされ、明治初期から本格的に栽培されるようになりました。(隠元禅師が伝えたのはフジマメとの説もあります。)
β-カロテン、ビタミンCなどを多く含み、豆としての栄養であるタンパク質にはアスパラギン酸が多く、疲労回復の効果も期待でき、夏バテ防止に効果的です。また、食物繊維も多く、腸内環境を整えてくれます。
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目次
インゲンの別の呼び名
インゲンにはいろいろな呼び名があり、収穫までの成長が早く、年に3度栽培(作型が3つ)できることから三度豆(さんどまめ)とも呼ばれます。
ほかにも、菜豆(さいとう)などとも呼ばれます。
つるありインゲンの育て方
インゲンにはツルが長く伸びるタイプとツルの伸びないタイプがあり、育て方や栽培期間が異なります。
ここでは、つるありインゲンの育て方を紹介します。
つるありインゲンは、支柱が必要でやや手がかかりますが、長期間収穫できて収量が多くなります。
マメ科は根に根粒が多くつき、その中にいる根粒菌によって空気中の窒素を固定して取り込む性質があるので、マメ科は肥料を少なめにするのが一般的ですが、インゲンはマメ科のわりに肥料食いです。
肥料をしっかり施したほうが収量が多くなります。
ただし、肥料が多すぎると、実のつきが悪くなったり、病気が出やすくなるので、やりすぎないように注意します。
収穫までの期間が短く、関西地方では三度豆(さんどまめ)とも呼ばれ、作型を3つ組み合わせれば、収穫の始まる6月下旬から秋まで切れ目なく収穫することができます。
概要
生育温度 | 15~25℃。 | ||||
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連作障害 | あり。2年以上あける。 | ||||
育てやすい品種 | スラットワンダー、ケンタッキー101、モロッコ、成平など。 | ||||
元肥 | 苦土石灰と元肥を入れる。 | ||||
種まき時期 | 4月下旬、6月中旬、8月初旬。 | ||||
種まき方法 |
畝幅:90cm。 マルチ:しなくてもいいが、した方が管理が楽に行え、防寒対策にもなる。 種まき方法:点まき。 株間:2列で25~30cm間隔。 |
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支柱立て | 支柱かネットを張って蔓を誘引する。 | ||||
栽培中の管理 |
間引き:一カ所2本にする(2本仕立て)。 追肥1回目:花が咲き始めたら。 以降の追肥:月1回~月2回。 |
||||
収穫 | 莢が若いうちに収穫する。 |
ポイント
- 連作をしない。
- 元肥と追肥を施す。
- 遅霜の心配がなくなってから種をまく。
- 支柱やネットに蔓を誘引する。
- 実をとり遅れないように注意する。
時期
※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
インゲンは寒さに弱く、早まきして低温にあたると全滅します。十分に暖かくなってから栽培しましょう。
育てやすい品種
スラットワンダー、ケンタッキー101、モロッコ、成平など。
畑の準備をする
インゲンは連作障害の出る野菜です。インゲンを含むマメ科(枝豆、エンドウ、ソラマメなど)の野菜を2年以上は栽培していない場所を選びます。
また、酸性の土壌を嫌います。酸性に傾いた土壌では必ず石灰を施し、土壌酸度を調整します。
種まきの2週間前に苦土石灰をまいてよく耕し、1週間前になったら、堆肥と化成肥料を施して耕し、高めの畝を立て、黒マルチを張ります。
畝を高めに立てることで水はけがよくなり、黒マルチは地温を上げる効果に期待できます。
種まき
インゲンは寒さに弱いので、遅霜の心配がなくなる4月下旬から種をまきます。
準備した畝に、2列で、25~30cm間隔の点まきにします。
一カ所に4粒、人差し指の1関節分くらいの深さにくぼみをつけ、種をまいて土を被せます。
水分が多いと種が腐りやすいので、水やりの必要はありません。
間引き
本葉が2枚展開したころ、生育の悪いものを間引いて一カ所2本にします。
芽が出なかったところ(欠株)は、丁寧に間引いた株であれば補充できます。
ネットを張る
蔓が伸び出す前に、支柱を立ててネットを張ります。
長さ2m以上の支柱を四隅に立て、次に上部と下部に横に支柱を通して固定します。
立てた支柱にキュウリ用のネットをかけ、支柱に結束バンドや紐で固定します。
追肥
花が咲き始めたら、化成肥料で追肥します。以降は、月に1~2回を目安に追肥します。
1回目の追肥:花が咲き始めたら。
以降の追肥:月に1~2回。
収穫
品種によって収穫適期の実の大きさが違いますので、種袋などで確認しておきます。
収穫期を迎えると、次々にたくさんの実がつきます。
左手で蔓を持って右手で実を引っ張ってとるか、ハサミなどで莢と蔓をつなぐ部分を切って収穫します。
莢は成長しすぎると硬くなり、なり疲れも起こします。とり遅れないように注意しましょう。
摘芯をする
主枝が支柱の高さに達したところで芯を止めると、脇芽が出て着果させることができます。
つるなし種でコンパクトに栽培
空いたスペースで手軽に栽培したい場合は、つるなしインゲンが便利です。
株間25~30cmに種をまき、カメムシ対策に防虫ネットでトンネルして育てます。
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