イチゴは、甘酸っぱくて美味しい、子供に人気ナンバーワンの野菜です。
採りたての真っ赤に熟した完熟イチゴを口にしたときの香りと、みずみずしい甘さは格別で、市販品では絶対に味わえません。
原産はアメリカで、江戸時代の末期にオランダから日本の長崎にもたらされ、オランダイチゴと呼ばれました。
そのときは血の色を連想させることから普及しませんでしたが、明治時代にフランスの品種が導入されてから本格的に栽培がスタートしました。
1950年代までは、イチゴの旬は5月~6月でしたが、60年代に入って温室やハウスでの栽培がおこなわれるようになり、今では1年中出回っています。
品種も多く、糖度の高いものや大粒のものなど、豊富に出揃っています。
家庭菜園では露地栽培が一般的で、10月下旬に苗を植えて、5月上旬~6月上旬に収穫します。
栽培期間が長いわりに収穫期間が一月と短く、しかも保存も効きませんが、その採りたての味わいや赤い実の可愛らしさから家庭菜園の人気者です。
マルチをして泥の跳ね返りなどを防ぎ、清潔に栽培することがポイント。
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プランターでイチゴを育てよう
目次
激しい品種の移り変わり
イチゴは品種の変化が激しく、現在は東のとちおとめ、西のあまおうが天下を二分しており、酸味よりも甘さの強いものが好まれています。
イチゴの育て方
家庭菜園でのイチゴの栽培は、露地栽培が一般的で、10月下旬に苗を植えて、5月上旬~6月上旬に収穫します。
暑さや土の乾燥に弱く、乾燥しやすい場所での栽培は避け、やや湿り気の多い場所を選びます。
苗を植えるとき、株元の膨らんだ部分(芽)を埋めないように注意しましょう。
概要
生育温度 | 17~20℃。冷涼な気候を好み、乾燥を嫌う。 | ||||
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連作障害 | あり。2年以上あける。 | ||||
育てやすい品種 | 宝交早生(暖地向き)、ダナー(中間地向き)など。 | ||||
元肥 | 元肥と苦土石灰を入れる。 | ||||
良い苗の条件 | 深緑の大きな葉をしていて、頑丈で太い茎をしている。 | ||||
苗の植え付け時期 | 10月下旬。 | ||||
苗の植え付け方法 |
畝幅:90cm。 マルチ:冬を越すまではしない。 株間:2列、25cm~30cm。 植え方:ランナーを畝の内側に向けて浅めに植える。 |
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栽培中の管理 |
除草:マルチを張るまではこまめに除草する。 追肥:11月下旬頃、3月上旬頃。 マルチ:2回目の追肥後(3月上旬頃)に黒マルチを張る。 鳥害対策:防鳥ネットや防虫ネットなどを張って対策する。 |
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収穫時期 | 5月頃~。完熟してヘタの部分まで赤く色づいたものから収穫する。 | ||||
病害虫 |
主な病気:うどんこ病や灰色かび病など。 主な害虫:アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ、ナメクジなど。 その他:実が赤くなりだすと鳥や小動物に狙われる。 |
ポイント
- 健全で丈夫な苗を入手する。
- 苗のランナーを畝の内側に向けて植える(収穫しやすい)。
- 苗を深植えしないように注意する。
- 2回目の追肥後に黒マルチを張る(地温が上って生育が促進される)。
栽培時期
※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
ハウス栽培では12月~5月頃まで収穫できますが、家庭菜園での露地栽培が一般的で、10月下旬に苗を植え付け、5月に収穫します。
品種
大きな実のものから小粒の実のものまで多くの品種がありますが、家庭菜園では小粒の品種が作りやすくておすすめです。
[イチゴの育てやすい品種]
宝交早生(暖地向き)、ダナー(中間地向き)など。
詳しくはこちら。
⇒ 家庭菜園で育てやすいイチゴの品種
畑の準備をする
イチゴは連作を嫌います。2年以上はイチゴを育てていない場所を選びます。
また、長日植物といって、日照時間が長くなると開花・結実する植物ですので、よく陽のあたる場所を選びます。
イチゴの根は肥料に弱いため、苗の植え付けの3週間前までに苦土石灰を入れて深く耕しておき、植え付けの2週間前に元肥を入れて再び深く耕し、畝幅を90cm~110cmとし、高めに立てておきます。
畝を高めに立てることで水はけがよくなります。
苗を用意する
イチゴは苗の出来がとても重要で、苗の良し悪しは収穫量に大きく影響します。
[良い苗の条件]
- 深緑の大きな葉をしている。
- 頑丈で太い茎をしている。
健康で丈夫な苗を選ぶようにしてください。
詳しくはこちら。
⇒ イチゴの苗の選び方 ~茎が太くてがっちりした苗を選ぼう~
苗を植える
イチゴは苗の植え方がとても重要で、株元の膨らんだ部分(芽)が土に埋まると腐ってしまいますので、倒れない程度に浅めに植えるのがコツです。
あらかじめ準備しておいた畝に、2列で、株間を25~30cmとり、苗のランナー(チョロ枝)を畝の内側に向けて植え、最後に水をたっぷりやります。
[植え付け手順]
- 2列、25~30cmの間隔とする。
- ランナーを畝の内側に向け、倒れない程度の浅めに植える。
- 水をたっぷりやる。
※管理人は苗の植え付け前に黒マルチを張って雑草を抑制しますが、冬を越すまで張らないのが基本です。
苗を植えるときにランナーの切り跡を畝の内側に向けよう
イチゴは、子苗のときに親株とランナーで親株とつながっていて、その反対側に花が咲いて実ができます。
この性質を利用して、苗を植えるときにランナーの跡を畝の内側に向て植えると、畝の外側に実がついて収穫しやすくなります。
家庭菜園では株数が少ないので、こだわらなくていいかもしれませんが、ちょっと気にするだけで実が畝の外側に綺麗に並びます。
苗の植え付けのときにランナーの向きを気にしてみてください。
追肥をする(1回目)
11月下旬頃、条間または株元から15cmくらい離れたところに化成肥料を施し、軽く土と混ぜます。
冬越し
イチゴは寒さに強い作物ではありますが、寒さが厳しい地域では防寒対策をした方が安心です。
- 敷き藁や黒マルチをして防寒する。
- よしずやビニールトンネルで雪から守る。
また、冬越しの間は枯れた下葉を摘み取ります。
追肥をする(2回目)
3月上旬頃、畝の肩に化成肥料を施し、軽く土と混ぜます。
マルチをする
2回目の追肥の後、黒マルチを張ります。地温が上り、生育を促進します。
イチゴの上から黒マルチを張り、株の部分のマルチをカッターなどで十字に切るか、または指でマルチを破き、株を痛めないように丁寧にマルチから株を出します。
ランナー(匍匐茎)の除去
3月中旬頃から生育が盛んになり、急に大きくなります。
風通しが悪くなると病気が発生しやすくなるので、枯れた葉はこまめに取り除きます。
また、ランナーが発生したらこまめに摘み取ります。
鳥害対策
病害虫の心配はあまりありませんが、実が赤くなりだすと鳥や小動物に狙われます。
鳥害のひどいところでは、防鳥ネットや防虫ネット(もしくは寒冷紗など)を張って対策します。
防虫ネットで鳥害対策をする場合、虫がネットの中に入って受粉が行えるように、ネットの裾を少し開けます。
収穫する
完熟してヘタの部分まで赤く色づいたものから収穫します。
日中の収穫は実が傷みやすいので、気温の上がらない午前中に収穫しましょう。
実の形が悪い
受粉がうまくいかないと、実が変な形になってしまいます。
ふつうは虫などによって受粉が行われますが、気温が低いと虫の活動が活発でなく、受粉がうまく行われないことがあります。
気温が上がると虫の活動が活発になり受粉されますが、心配な場合は人工授粉をするとよいでしょう。
食べ方はいろいろ
傷みかけたイチゴはジャムにして味わうといいでしょう。
イチゴをボウルに入れ、レモン汁を1個分絞ります。
さらにグラニュー糖を入れます。
これを煮詰めるとジャムができます。