畑の準備

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畑

農園を借りた。さあ、野菜を育てられる場所が決まったはいいが、最初に何をすればいいだろうか?

さっそく野菜の種をまいてみようと思われるかもしれません。

しかしながら、野菜は種をいきなりまいたのでは、うまく育たないケースが多いのです。

なぜ、うまく育たないのか?その原因は、もしかしたら整備されていない畑にあるかもしれません。

家庭菜園でおいしい野菜をたくさん収穫するためには、野菜がすくすく育つ環境をつくることが大切です。

野菜づくりをはじめる前に、畑の準備を念入りに行います。

よい環境であれば、野菜は健康で元気よく育ってくれます。

後片付け

借りた畑

はじめて菜園を利用する場合は、まず、片付けからはじめます。

貸し菜園や市民農園を利用する場合は、前利用者の使った支柱やマルチなどの残留物が畑に残されていることがあります。

あきらかにゴミであったとしても、勝手に処分するのではなく、管理者に確認してから片付けましょう。

また、前の利用者が栽培中の野菜を処分するために地中に埋めていることもあります。

そのままにしておくと、畑を耕すときの障害になったり、病気の発生の原因になったりします。

地中の残留物もすべて取り出して畑の外で処分しましょう。

雑草や石を取り除く

次に、畑の雑草を取り除いて耕します。

雑草を取り除かないと、野菜に悪い影響を及ぼすことがあります。

  • 雑草によって日光がさえぎられてしまう
  • 野菜に与えた肥料や水を雑草にとられてしまう
  • 害虫の発生や誘引の原因になる

小さな草は手や小鎌を使って取り、大きな草は備中グワ(備中鍬)などを使って根ごと掘り起こして抜きます。

ヨモギやスギナなどの多年草の雑草は、根も残さないように丁寧にすべて取り除きます。

抜いた雑草は通路などに敷きます。

雑草を抜きながら、地上の石も取り除きます。

取り除く石の大きさの目安は、手で拾える大きさです。

地中に埋まった石は、後に耕しながら取り除いていきます。

耕す

クワを使って耕します。

耕すことで土がやわらかくなり、通気性や排水性が良くなります。

通気性や排水性が良くなれば、病気の発生の抑制になります。

健全な土壌では、野菜の根が元気に良く育ちます。

[詳しく見る]
畑の耕し方

畑を仕切る

[庭などの小さな菜園の場合]

ブロックや土留めを使って仕切り、畑の場所を明確にします。

庭の植物(芝など)と畑の野菜が混じらないようにすることで、管理が楽に行えます。

植物や野菜によっては浅い仕切りでは越えてしまいますので、出来れば塩ビ板などを利用して地中も仕切っておけば安心です。

[ある程度の広さの菜園の場合]

通路をあらかじめ決めておくと作業が楽に行えます。

通路の位置を決め、防草シートなどを敷いておきます。

防草シートであれば通路の位置をいつでも変更できます。

[畑の一角の大きな菜園の場合]

隣接する区画とトラブルにならないためにも、管理者と相談して、ひもなどを使って仕切って使用する場所を明確にします。

このとき、ビニールひもを使用すると、劣化して土に混入して取り除けなくなってしまうので、ナイロンなどの劣化しにくいひもを使用しましょう。

天地返し

上層30cmぐらいの土と下層30cmぐらいの土を入れ替えます。

これを天地返しといって、病原菌や害虫の卵、雑草の種などが下層に、病害虫や雑草の種が少ない土が上層に変わります。

全面を天地返ししたら、かたまっている土をクワや手で丁寧にほぐします。

[詳しく見る]
病害虫がひどい場合は天地返しがおすすめ

太陽熱消毒

夏の暑い時期であれば、畑を透明のビニールで覆って土を熱消毒します。

これを太陽熱消毒といって、40~60℃でカビ類が死滅し、70℃を越えると病害虫の多くは死滅します。

[詳しく見る]
真夏の太陽熱消毒で土をリフレッシュ

畝の大きさと位置を決める

前述の作業で畑らしくなってきました。

次に、畝のサイズと位置を決めます。

畝のサイズと位置を決める上での注意点は次の通りです。

  • 畝の方向は生育の良い南北が望ましい。
  • 畝間が狭いと作業が大変になるため、通路はできるだけ広くする(30cm以上)。

畝は一度立てると、あとから変更するのは難しいです。

先のことも考えて、慎重に決めます。

農園を借りた場合の畝

市民農園のような農園では、畑の広さは概ね15㎡(3m×5m)から30㎡(5m×6m)です。

そのような広さの畑では、以下のような畝の配置をオススメします。

広くない畑での畝の大きさと位置

畝を小さくたくさん仕切ることで、どの畝でどの野菜を育てるかなど、計画を立てやすくなります。

広い畑を借りた場合の畝

地主さんからお借りするような広い畑では、以下のような畝の配置をオススメします。

広い畑をお借りした

広い畑では端から端まで長い畝を立てるのが一般的です。

畝を科別に分けてローテーションすることにより、連作障害を回避できます。

種まきの2週間前からの準備

種まきや苗の植え付けを行う2週間前くらいから、種まきや苗の植え付けの準備を行います。

1.(2週間前)苦土石灰を施す

苦土石灰を撒いたところ

種まきや苗の植え付けの2週間前、畝に苦土石灰を撒いてよく耕します。

苦土石灰を施すことにより、酸度を調整します。

2.(1週間前)堆肥と元肥を施す

堆肥を入れたところ

種まきや苗の植え付けの1週間前、畝に堆肥と元肥を入れてよく耕します。

堆肥を施すことにより、保水力のある水持ちの良い土になります。

3.黒マルチを張る

マルチを張って穴をあけた畝

最後に畝に黒マルチを張り、種まきや植え付けまで土を寝かせます。

マルチを張ることにより、保温や保湿、雑草の抑制の効果に期待できます。
※野菜や状況によってはマルチを張らない方が良い場合もあります。

次はいよいよ種まき!

以上で種まき前の準備は終わりです。いかがでしたか?

畑を借りれた嬉しさから、ついついすぐに種まきをしたくなります。

しかし、準備のされていない畑に種をまいても野菜はうまく育たないものです。

種まきの前に準備をしっかり行うことは、とても大切なことです。

クワの扱いや畝立て、マルチ張りに苦労されたことと思います。

作業を重ねて要領を得てしまえば、割と簡単に早く作業できるようになります。

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