冬の寒さから野菜を守るには、保温効果の高い素材を使った通気性と保水性のある不織布や寒冷紗などで、畝全体をトンネル状に覆うといいでしょう。
また、春先の遅霜や乾燥した寒風から苗を守るには、ホットキャップやビニール袋で株ごと覆う方法があります。
白菜やブロッコリーは、外葉で頭部を包み込んでひもで結ぶことにより凍結から守ります。
土壌の乾燥と凍結防止
冬場は野菜そのものの保護だけでなく、土壌の乾燥と凍結にも注意が必要です。
そのためには畝ごと保温できるビニールや堆肥などでマルチングする方法が効果的です。
マルチングには枯草や敷き藁なども使え、土の上に厚めに敷きならします。
小苗で越冬するイチゴやタマネギなどの野菜には、土壌湿度を保つマルチングは効果があります。
マルチング
土壌の表面をわらなどの有機物やポリエチレンフィルムなどで被覆することをマルチまたはマルチングといいます。
ポリエチレンフィルムは、夏期には黒色不透明のものを使って雑草の発生を抑え、冬期には透明のものを使って地温を保ちます。
土壌の浸食防止、雑草の発生防止、蒸散の抑制、地温の調整のほか、泥はねの防止により病気の発生を抑える効果もあります。
また、光るものを嫌うアブラムシを忌避するために、アルミを蒸着した銀色のシルバーマルチを使うこともあります。
べたがけとトンネル
野菜は豪雨や強風など、突発的な気候の変化によって甚大な被害をこうむります。
また、虫害や鳥害を受けないためにも、被覆資材を使用して野菜の苗を守ります。
べたがけとは、不織布でできたシートなどで、栽培中の畝や株全体を覆う方法です。
トンネルとは、プランターや畝に支柱をわたして、これにべたがけ資材やトンネル資材で全体を覆う方法です。
被覆資材
土壌表面を覆うマルチ資材(ポリエチレンフィルム、雑草や病気の発生防止、蒸散の抑制)、ベタがけ用の不織布(保温、防虫、防霜)や、防虫、防霜などに使う寒冷紗があります。
べたがけ
保温や防霜、防虫などの目的で、植物の上に不織布を直接被せて栽培することをベタがけといいます。
不織布は90%以上光を透過し、非常に軽いので、植物は生長するに従って布を持ち上げていきます。
夜間は水蒸気が結露して通気性がなくなるので、保温力に優れます。
種まきや苗の植え付け後の寒さ対策のほか、害虫防止、鳥などによる食害防止に効果を発揮します。
シートが水や空気を通すため、シート内は適度に保温、保湿され、種の発芽を促し、株を守ります。
トンネル
半円形の支柱を作り、プラスチックフィルムで被覆し、保温や雨除けをするものをトンネルといいます。
小型のものをいいますが、大型だとハウスになります。
トンネルの効果としては、防風、防鳥のほか、遮光、保温、雨除けの効果があります。
トンネルの資材としてはポリエステル製の寒冷紗、ビニールフィルムやポリエチレンフィルムのシートが使われます。
穴あきシートは保温効果は落ちますが、通気性がよく、換気の手間が省けます。
寒冷紗は通気性、防水性があり、強い日光を遮ると同時に、保温、凍霜害を防ぐ効果が高い素材です。
白と黒の2色あり、黒色は遮光率約50%、白色は約20%です。