野菜を育てるには、種をまくか、苗を植えなくてははじまりません。
ほとんどの野菜は種から育てることもできますが、市販の苗を購入して植えるのが手軽です。
最近はいろいろな種類の苗が市販されるようになり、便利になりました。
気温が上がって暖かくなる5月は、夏野菜の苗の植えつけが集中する時期です。
できるだけスムーズに作業を行うためにも、苗の植えつけ方法をマスターして、忙しい時期を上手に乗り切りましょう。
ここでは、野菜の苗の植え方の基本を解説しています。
野菜の性質による植えつけ方法の違いについては、各野菜の育て方の中で詳しく解説していますので、参考にしてください。
目次
野菜の苗の入手
家庭菜園で少量の野菜を栽培する場合には、市販の苗を入手して植えます。
一般的に、トマトやナスなどの夏野菜は、数株あればじゅうぶんなので、苗を購入して植えます。
植えつけ時期になるとホームセンターや園芸店などに苗が市販されます。
健全で、茎が太く、しっかりした苗を選びましょう。
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野菜の苗の選び方
準備するもの
- 野菜の苗
- 紐、ロープ、メジャーから準備できるもの(植えつけの位置を決める)
- マルチ穴あけ器(穴なしマルチの場合)
- スコップ、ジョウロ(苗を植えつける)
- 支柱、紐(苗を支柱に固定する)
野菜の苗の植え方
育てた苗や、店頭やネットで購入した苗を畑に植えつけます。
植えつけに適した時間帯は、春では暖かい日の午前中、夏では涼しい夕方がベストです。
植えつけたばかりの苗は、根が張っていないので、風が強いと倒れ、日差しが強いと弱ってしまいます。
植えつけは風のない曇りの日を選び、午前中に行います。
Step1:苗に水を吸水させておく
苗の植えつけを行う当日の朝に苗に水をやっておきます。
前もって吸水しておくことにより、ポットから苗をとりだすときに土が崩れるのを防げます。
また、根の付きもよくなります。
Step2:植えつける位置に印をする
作物にはそれぞれ栽培に適した間隔があり、株の間隔を「株間」、列の間隔を「条間」と呼びます。
前もって株間と条間を調べておき、紐とメジャーを使って植える位置に印をします(または位置に苗を置きます)。
穴あきマルチの場合はこの作業は不要です。
Step3:植え穴をあける
マルチ穴あけ器で植えつけ位置に深さ10cmほどの植え穴をあけます。
さらにスコップでポットより一回り大きくなるように穴を広げます。
Step4:植え穴に潅水(かんすい)する
開けた植え穴に水をたっぷり入れます。
水がひくまで待ちます。
Step5:苗を植える
深植えにならないように注意します。
また、逆に浅すぎてもよくありませんので、株元が少し盛り上がる程度の深さになるように植えつけます。
苗の株元を片手で持ちます。
逆さにして、そこを押し、根鉢を傷めないようにポットから苗をとりだします。
植え穴に入れ、株元が地表に来るように高さを調整します。
すきまに周囲の土を寄せて入れます。
上から手で軽く押さえます。
接木苗の場合は、必ず接ぎ木部分が地上にでるように植えつけます。
Step6:支柱で苗を支える
植えつけたばかりの苗はぐらぐらしています。
強風で倒れてしまったり、ぐらつくことによって活着が遅れます。
風で動かないように、支柱を立て、苗を紐で固定します。
支柱と苗の固定は、8の字結びにします。
固結びをしてしまうと苗の茎を傷めることがあります。
[8の字結び]
苗に紐を回す → 紐を8の字にねじる → 支柱に結びつける
野菜の苗の植え方を動画で解説してます
野菜別の植えつけ
野菜の特性によって植えつけのやり方もさまざまです。
[挿し苗]
サツマイモの苗などです。
芋から出たツルの先端を苗として植えます。
[挿し芽]
ツルムラサキや空芯菜などです。
ツルの先を切って土に挿しておくだけで根が生えてきます。
[球根]
ニンニクやラッキョウなどです。
球根を分球して植えつけます。
[種芋]
ジャガイモや里芋などです。
里芋は1個を植えつけますが、ジャガイモは分割して植えることもできます。