台風は、野菜に襲いかかる猛威の一つで、家庭菜園に大きな被害をもたらします。
台風シーズンの9月は秋冬野菜の植え付け時期と重なり、台風の強風で植えたばかりの苗が折れたり、大雨で流されたりします。
また、7月や8月の夏野菜の収穫時期にも台風はやってきて、収穫を楽しみにしていた野菜が被害にあいます。
台風は短時間に多量の雨が降り、強い風も吹くので、対策が必要になります。
夏を元気に乗り切るために、夏前から台風対策を意識し、台風の予報がでてあたふたしないように、ふだんから備えをしておきましょう。
目次
早めの対策
台風が来ることを想定して、早めの対策をしておきましょう。
資材はしっかりしたものを使おう
支柱はできるだけ太いもの、紐などもできるだけ太いものを使いましょう。
支柱は細いほど折れやすく、紐は細いほど切れやすいので、台風の強風で支柱が倒壊しないためにも、しっかりしたものを選び、支柱はできるだけ深く埋めましょう。
高畝
台風の大雨で野菜が長く水に浸かってしまうと、根が腐って枯れたり、病気が発生して蔓延したりします。
水はけの悪い場所では、畝を高く立て、野菜が水に浸からないようにしましょう。
防風ネット
防風ネットを風上側に張るか、防風ネットで畑を囲って風よけをします。
網目状で効果がなさそうに思えますが、網目であっても風が通過するときに風力が軽減され、強風対策になります。
防風ネットを風が通過するときにかなりの抵抗がかかるので、支柱はしっかりしたものを使用し、できるだけ深く埋めましょう。
ソルゴー
植物のソルゴーは、丈が高くなり、防風ネットや防風林と同じ風よけの効果があります。
4月ごろに畑を囲むように種をまけば、台風シーズンには大きく育って風よけになります。
直前の対策
台風の被害を最小限に食い止めるために、直前であっても対策をしましょう。
土寄せをしよう
ネギやブロッコリーなどの野菜は、台風の強風で曲がったり、折れたりして、その後に生育に大きく影響します。
台風が来る前に、株元に土をしっかり寄せておきましょう。
排水をよくしよう
排水の悪い畑では、台風による大雨で畑にいつまでも水がたまり、株を枯らしたり、病気の発生の原因になります。
周辺に排水溝があれば泥やごみをだして掃除をしておき、畑の周囲や畝間に排水のための溝をつくって排水をよくしておきましょう。
べたがけして野菜を畝に固定しよう
丈の低い野菜は、不織布や防虫ネットなどをかけ、プラ杭やUピンで固定します。
ややきつめに張って野菜を畝に固定します。
支柱を立てて野菜を固定しよう
トウモロコシなどの丈の高い野菜は、太い支柱を立てて、倒れないように紐で固定します。
または、数株をまとめて縛ると倒れにくくなります。
収穫しておこう
ナスやトマト、キュウリなどの野菜は、台風の強風で実に傷がつきます。
台風の前に収穫して、被害を軽減しましょう。
支柱の補強をしよう
トマトやナス、キュウリなどの仕立てで使用している支柱は、結束点を縛り直したり、斜めに支柱を渡して筋交いを入れたり、支柱を追加するなどして強度を増しましょう。
また、紐を張って土にプラ杭などを打ち込んで縛るなどの補強もあります。
雨除けのビニールは外しておこう
トマトの雨除けは風の影響を受けやすく、しっかりと地面に固定していないと、支柱ごと抜けて横倒しになり、周辺の野菜を傷つけてしまします。
支柱に筋交いを入れたり、紐を張るなどして補強するのはもちろんのこと、台風のときはビニールを外しておきましょう。
台風が去ったら
台風が過ぎた後は、焦らずに、まずは見回りを行い、土がある程度乾くまでは様子を見ます。
ただし、畑にいつまでも水がたまっていると、株を枯らす原因や病気の発生の原因になるので、すぐに溝を掘って排水をします。
土が乾いてきてから作業しよう
台風の被害を見て焦り、まだ土がぬかるんでいるときに作業をすると、土を踏み固めて根を傷める原因になります。
畑がある程度乾くまで待ち、土がかたく締まっているところは耕してやわらかくしましょう。
倒れた株を立て直そう
台風の強風で株が倒れてしまっても、ほとんどの野菜は、次の日には自力で起き上がります。
無理に起こそうとすると、折ってしまったり、根を傷めることがあるので、しばらくは自力で起き上がるのを待ちましょう。
自力で起き上がれないと判断した場合は、土がある程度乾いた後、起こして元に戻します。
元に戻したら、株元に土寄せをして株をまっすぐにします。
傷ついた株を除去しよう
台風の後は湿度が高く、病気が発生しやすくなります。
台風で傷ついた葉や茎から病原菌が入って病気になり、あっという間に蔓延することもあります。
病気予防のために収穫前日数に注意して薬剤を散布するか、もしくは傷のついた株は早めに除去しましょう。
実に傷ができたら
ナスやトマトなどは実が葉や茎に擦れると傷がつき、台風にあえば傷だらけになります。
台風が来る前に収穫してしまうのが無難ですが、もし台風で傷がついてしまっても、味は変わりませんので、美味しく食べられます。