食用となる部分は鱗茎(りんけい)で、地下茎が肥大したものです。
球ニンニクの利用が中心になっていますが、食の多様化により、「ニンニクの芽」と呼ばれる花茎や、「葉ニンニク」と呼ばれる葉を若どりしたものも利用されるようになりました。
[鱗片]
鱗片とはニンニクの一片を指し、食用になる部分です。
[芯(芽)]
鱗片を切ってみると中心に芯があります。
また、古くなったニンニクは芯の部分が緑色になります。
この芯の部分は、発芽葉(はつがよう)といって、芽となる部分です。
食べても問題ありませんが、芯の部分は焦げやすく刺激も強いので、取り除いたほうが風味がよくなります。
芯の周りに薄皮ががあるので、それも取り除きましょう。
[芽]
放っておくと緑色の芽が出てきます。
食べても問題ありませんが、一般的には芯といっしょに取り除きます。
[根元]
鱗片の根元の部分はかたいので、切り取ります。
[根]
放っておくと白い根が生えてくることがあります。
根がついたまま素揚げで食べられますが、一般的には取り除きます。
[葉]
生育途中のニンニクを若どりした葉は食べられます。
においの強い鱗片と比べてにおいが少なく、やわらかくて甘みもあります。
傷みが早く日持ちしないので、ほとんどスーパーなどに出回りませんが、まれに「葉ニンニク」「ニンニク葉」の名で直売所などに並ぶことがあります。
全国的にはあまりなじみがありませんが、高知県ではぬたやすき焼きの具など、冬の食卓に欠かせない食材です。
[花茎]
花をつける花茎を花が咲く前に切り落としたもので、「ニンニクの芽」や「茎ニンニク」と呼ばれます。
「ニンニクの芽」は、ニンニクの新芽ではなく、花をつける花茎を指します。
カロテンやビタミンCが豊富に含まれ、ニンニクにはないビタミンAも含まれています。
食感はシャキシャキしていて、甘みもあり、炒めものや揚げ物など、中華料理の代表的な食材です。
国産のものは珍しく、スーパーなどに出回っているニンニクの芽のほとんどが中国産です。
[珠芽(むかご)]
ニンニクには、山芋や自然薯のような「むかご」ができます。
ニンニクとして食べられますが、スーパーや直売所などに並ぶことはまずありません。