知っておきたい連作障害

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連作障害とは、「同じ場所で同じ野菜ばかりを続けてつくると現れる障害」のことです。

同じ野菜でなくても、同じ科の野菜を連続して作ると起こります。

たとえば、大根、カブ、白菜、キャベツを何年も同じ場所で作ると、いずれもアブラナ科なので連作となります。

とくに連作障害で恐ろしいのは、青枯れ病や根こぶ病などのように、農薬でも完治できない土壌病原菌が蔓延してしまうことです。

また、土の養分にも偏りが出てくるため、野菜のできが悪くなってきたりもします。

同じ科の野菜を続けてつくる連作を避け、いくつかの科の野菜を順にローテーションする輪作が基本です。

種まきや苗の植えつけを行う前に、菜園のプランを考えましょう。

連作障害を見分ける方法

野菜の生育が悪かったり、枯れたりしてしまった場合、放っておいたり、抜いてすぐに処分するのではなく、よく観察してみてください。

野菜が簡単に抜けてしまうようであれば、根の生育が悪く、根が張れなかった原因があると考えられます。

アブラナ科の野菜で根にこぶがついているのであれば、おそらく根こぶ病です。

その他の野菜で根にコブがついているのであれば、ネコブセンチュウが原因です。

根こぶ病はカビが原因によるもので、ネコブセンチュウは線虫です。

どちらも根に付いて増殖すると地上部の生育が悪くなり、ひどくなると枯れてしまいます。

しかも、連作することによって土の中に増えていきます。

※マメ科の野菜の根にできるこぶには共生している根粒菌によるこぶですので、問題ありません。

その他にも、ジャガイモのそうか病なども連作することによって起きやすくなります。

連作することによって微量要素の欠乏症になることもあります。

害虫や病気に侵されている様子がない場合は、肥料を施してみましょう。

連作障害の種類

連作障害とは、同じ場所で同じ仲間の野菜を続けてつくっていると現れる障害のことです。

連作障害には大きく分けて「養分の欠乏」、「土壌病害」、「センチュウ害」という3つの種類があります。

[養分の欠乏]
同じ科の野菜を育てることで、土壌から同じ成分が吸収され、それが欠乏して起こります。

[土壌病害]
その野菜を好む病原菌が増殖し、病害が発生しやすくなります。

[センチュウ害]
センチュウは肉眼では見えないほどの小さな線虫で、野菜の根に寄生してこぶを作ったり腐らせたりします。

野菜別にみる連作障害の例

連作障害の主なものを次に挙げます。

[ナス科]
トマト・・・青枯れ病、半身萎ちょう病、センチュウ
ナス・・・・青枯れ病、半身萎ちょう病、半枯れ病、センチュウ
ピーマン・・青枯れ病、半枯れ病、センチュウ
ジャガイモ・そうか病

[ウリ科]
きゅうり、スイカ、メロン・・蔓割病、ホモプシス根腐れ病、センチュウ

[アブラナ科]
小松菜、白菜、キャベツなど・・根こぶ病、萎黄病、センチュウ

[マメ科]
エンドウなど・・立ち枯れ病、茎枯れ病、センチュウ

連作障害を防ぐには

連作障害対策は、まずは予防することが大切です。

予防するためには、とくに土づくりが大切です。

完熟堆肥、腐葉土などの良質の有機物を入れて土づくりをし、土壌中の生き物を増やすこと絵、連作障害の出にくい土になります。

次に、同じ場所に同じ野菜を連作しないために、輪作を行います。

畑をいくつかの区画に分け、科の野菜を順にローテーションさせるようにします。

たとえば、ナス科、マメ科、ウリ科、アブラナ科を区画に割り当て、1年ごとにローテーションします。

連作障害が出てしまったら

露地栽培で簡単にできる対処は、夏の高温期に行う太陽熱消毒です。

たっぷり水やりしたのちビニールマルチを張って、1ヶ月程度放置します。

マルチの下は病原菌が死滅するほど高温になります。

冬場では石灰窒素を散布します。

有毒物質ですが、土中で分解されて窒素と石灰分になり無毒化します。

センチュウにやられたら

センチュウの被害が出始めた畑では、対抗植物が有効となります。

鮮やかな黄色や橙色の花を咲かせるマリーゴールドは、根から分泌される成分でセンチュウの密度を下げる効果があるといわれています。

センチュウによる被害の予防として、トマトなどの株間に植えるとよいでしょう。

コンパニオンプランツの活用

コンパニオンプランツは共生植物ともいわれ、一緒に植えると、お互いによく育ち、病気にも強くなる相性のよい植物のことです。

お互いの害虫を抑制しあい、病気を防ぎ、根張りや色のよい野菜を育てくれます。

コンパニオンプランツのお勧めはネギとニラです。

キュウリ+ネギでも、キュウリ+ニラでも効果があります。

トマト+とバジルは最適な組み合わせです。

コンパニオンプランツを考慮して作付計画を立てましょう。

[関連記事]
コンパニオンプランツをうまく利用しよう

連作で品質がよくなる野菜もある

連作することで、連作障害が出ることがあります。

しかし、すべての野菜で連作障害が出るわけではありません。

たとえば、サツマイモは毎年同じ場所でつくり続けるといいサツマイモが採れるようになります。

ニンジンや大根なども連作すると品質がよくなるので、春に種をまいて収穫したあとに同じ場所で続けて栽培することもできます。

[連作するよい野菜]
サツマイモ、大根、ニンジン、タマネギ、カボチャなど。

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