雑草を取り除いて耕すと、だいぶ畑らしくなってきます。
これからここに種をまいて野菜を育てるには、まず野菜が生育しやすいように畝を作る必要があります。
これを疎かにすると、野菜を育ててる場所が分からなくなるばかりでなく、苗の根つきや水はけなど、野菜の生育に悪影響を及ぼすことになります。
畝を作って野菜の生育を管理することは、家庭菜園であっても重要なことなのです。
また、これからどんな畑づくりをしていくのかにも関わってくる大切なことです。
畝の役割・効果
土を盛って周囲よりも高く作った床(ベット)のことを畝(うね)といいます。
野菜の種をまいたり苗を植えつける場所で、よく耕し、周囲より少し高く土を盛って作ります。
畝の効果や役割をしっかり理解して正しく作ることができれば、畝の優れた効果に期待ができます。
[畝の役割]
- 通路と野菜を育てる場所を明確に分けることができる。
- 畝ごとに野菜の種類を決めるなど、栽培の計画が立てやすい。
[畝の効果]
- よく耕してあるため、種がまきやすく、苗は根が付きやすい。
- 野菜の生育に必要なスペースが確保できることから、野菜の根が伸びやすい。
- 周囲よりも畝を高くすることで、通気性や排水性が良くなる。
畝の種類
畝の高さは、水はけをよくするために重要な役割があります。
高さによって高畝(たかうね)と平畝(ひらうね)に大きく分かれます。
水はけが悪い場所は、高畝にして、土の過湿を防ぎます。
水はけのよい場所は、平畝にして、土壌水分を保持しやすくします。
畝の幅や長さは、畑の大きさによって変化します。
[平畝]
高さが5cmから10cmの低い畝。
高畝と比べて高くしなくてすむ分、作業量は少なくなります。
排水力が低いことから、水はけの良い土地に限ります。
[高畝]
高さが10cm以上の高い畝。
高く土を盛り上げるほどに排水力は高まりますが、崩れやすくなります。
水はけの悪い土地に適しています。
畝の幅
ふつうは70~80cmほどの幅で畝を作りますが、栽培する野菜や栽培方法によって幅の狭いものや幅の広いものがあります。
家庭菜園では、輪作などを考慮し、90cm程度に統一することをおすすめします。
畝の向き
畝は向きは一般的に「南北に伸ばすのが良い」と言われており、その理由は簡単です。
「畝の向きを南北とすることで、野菜にまんべんなく陽があたる」からです。
東西に畝を伸ばすと、北側の野菜に陽があたりにくくなります。
それを活かした栽培方法もありますが、それは家庭菜園には向きません。
また、水はけの悪い場所では排水をよくするため、傾斜の高い方から低い方に畝を作る場合もありますが、よほどの悪条件でなければ、畝を南北に伸ばすのが基本です。
家庭菜園に合った畝の決め方
野菜の性質に合わせて畝の幅や高さを変えるとより効果的です。
ただし、その場合は野菜をいくつかに決めておく必要があります。
その理由は、あとから畝を変更するにはすべての畝を動かさなくてはならいからです。
家庭菜園では、限られたスペースで色々な種類の野菜を作るので、当然、生育中の野菜があるなどして畝を変えることはできません。ましてや、すべての畝を一度に変更するのは大変なことです。
そこで、後から畝を変更することのないように、最初にどの野菜にも適応できるサイズに畝を決めておきます。
筆者は、このサイズの畝で作物を栽培しています。
これは作業がしやい幅であり、トンネルや支柱にも適応する万能な畝です。
畝の向きやサイズの意味をしっかりと理解し、あとで変更しないでもいいように慎重に決めましょう。