野菜の栽培に適した土づくりには、堆肥が欠かせません。
堆肥は、落ち葉やバーク(樹皮)や、家畜の糞などを微生物によって醗酵、分解させたものです。
手軽な材料で簡単にできる堆肥の作り方を紹介します。
市販の堆肥もたくさんありますが、手作りしたほうがコストが抑えられます。
畑や庭のすみにちょっとしたスペースがあったら、堆肥作りに挑戦してみましょう。
堆肥作りの材料
堆肥を作るには、微生物の餌となる有機質資材が必要です。
落ち葉、稲わら、籾殻、おから、米ぬか、干し草、刈り草、牛糞、豚糞、鶏糞などや、身近にある野菜くず、生ゴミなどが材料になります。
いくつかの材料を組み合わせることで、バランスのよい堆肥を作ることができます。
生ゴミ堆肥の作り方
家庭から出た生ごみを使って堆肥を作ることができます。
生ゴミでつくった堆肥は窒素分が多く、元肥としてとてもよい肥料になります。
しかし、虫が発生したり、悪臭がしたりと、トラブルも発生しがちです。
生ゴミ堆肥の作り方をしっかりと把握してください。
Step1:容器を用意する
市販のコンポスターを用意します。
堆肥を作る専用の容器をコンポスターといいます。
コンポスターを用意できたら、日のよくあたる場所に設置します。
Step2:土を入れる
まず、5cmほどの厚さに土を入れます。
Step3:生ごみを入れる
次に生ごみを入れます。
Step4:また土を入れる
生ゴミと同じ量の土を入れます。
Step5:繰り返す
その後、毎日出る生ごみを入れ、生ゴミと同じ量の土をかぶせます。
Step6:腐熟させる
コンポスターがいっぱいになったら、蓋をしたまま1~2か月すると、完熟した堆肥ができます。
[穴を掘って堆肥を作る場合]
直径40cm、深さ40cmほどの穴を掘り、生ゴミと土を交互に重ね、最後に土をかぶせて1~2か月ほどおきます。
[バケツで堆肥を作る場合(移動可能)]
市販のコックと蓋のついたバケツを用意します。
水気を切った生ゴミとボカシ肥料を二握りほどを繰り返し入れます。
容器がいっぱいになってから1週間ほどしたらコックをひねって液をとり出します。
とり出した液はペットボトルに入れて、破損防止のためにキャップをゆるくしめて保管し、100倍に薄めて液肥として利用できます。
蓋をしたまま1~2か月ほどおきます。
落ち葉堆肥の作り方
落ち葉をベースに堆肥を作るには、ケヤキやクヌギ、カエデなどの落ち葉が適しています。
Step1:木枠を作る
コンパネや廃材で底のない枠を作ります。
Step2:落ち葉を集める
落ち葉やワラ、刈り草などを集めます。
Step3:木枠に落ち葉を入れる
木枠に落ち葉を30~40cmほど入れて、水をまきます。
水をまく量は、落ち葉を湿らせる程度です。
水をまいたら、高さが半分になるまで踏み固めます。
Step4:米ぬかを入れる
米ぬかをまんべんなくまきます。
Step5:有機質肥料を入れる
油かす、牛糞などをまんべんなくまきます。
Step6:繰り返す
2~5の作業を繰り返します。
Step7:雨除けをする
ある程度の高さになったら、雨が入らないようにブルーシートを被せておきます。
Step8:切り返しを行う
2週間おきに上下を入れ替えます。
気温の高い時期は3か月、気温の低い時期は10か月~1年でできあがります。
完熟すると悪臭がなくなり、森の土のようなよい香りがします。
市販の堆肥
ホームセンターなどで手軽に手に入りますが、コストがかかります。
[牛ふん堆肥]
牛のふんから作られた堆肥です。
葉もの野菜や実もの野菜に適しています。
[豚ぷん堆肥]
豚ぷんから作られた堆肥です。
牛ふん堆肥よりも早く効きます。
[鶏ふん堆肥]
鶏ふんから作られた堆肥です。
肥料分が多く含まれ、牛ふん堆肥や豚ぷん堆肥よりも早く効きます。
ただし、施しすぎないように注意が必要です。
[バーク堆肥]
樹木の皮から作られた堆肥です。
ほとんどの野菜に適しています。
[ミックス堆肥]
牛ふん堆肥、豚ぷん堆肥、鶏ふん堆肥、バーク堆肥などがミックスされた堆肥です。