家庭菜園に発生する主な害虫

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アオムシ

植物に発生しやすい病気や害虫は、いくつかの種類に限られます。育てている植物に発生しやすい病気や害虫を知っておけば、早期防除が可能になり、発生を予防する対策を講じることもできます。

病害虫の被害を少なくするためには、植物を丈夫に育てて、病原菌や害虫を寄せつけない生育環境づくりをすることが大切です。

自然の中で育てている植物は、意外と病気や害虫による被害が少ないのです。天敵を含めた生態系が成り立っているからです。ところが、家庭菜園では本来の生育環境と違った環境の中で植物を育てなければなりません。生育に適さないような土壌や気候の下で育てた植物では、病気や害虫の発生が多くなってきます。

植物の生育環境をできるだけ自然の環境に近づけ、病害虫の発生を抑えることで、農薬などを使う必要性は少なくなります。

害虫の種類と対策

次に主に野菜に発生する害虫とその予防及び発生時の対策を挙げます。

アオムシ

細かい毛がうっすらと生えた緑色の小さなイモムシで、モンシロチョウの幼虫です。葉の上を移動しながら食害します。たくさん発生すると葉脈を残して葉を全部食べ尽くしてしまうことがあります。主にキャベツなどアブラナ科の野菜に発生します。葉が食害されているのを見つけたら葉の裏をよく見て、幼虫がいたら捕殺します。寒冷紗や不織布などの防虫ネットで被覆して成虫の侵入や産卵を防ぎます。

アブラムシ

種類が多く、たくさんの植物が被害を受けます。体長は2~4mmで、若い葉や茎、枝、新芽、花弁に群棲して吸汁し、成長を阻害します。薄緑色か暗褐色のものが多く、粘液状の排泄物を葉や茎、枝に付着させます。これが野菜につくと光ってべたつき、葉は薄黒く汚れます。糸状菌(カビの一種)が発生し、スス病が誘発されます。また、モザイク病を媒介し、様々なウィルス病や細菌病の伝染源ともなります。アブラムシはキラキラした反射光を嫌うため、株元にアルミ箔を敷いたり、アルミを蒸着したテープをぶら下げておくと飛来を減らせます。また、黄色の粘着テープを下げておくと、飛来したアブラムシを捕殺することができます。寒冷紗などの防虫ネットによる被覆でも予防できます。ナナホシテントウなどの天敵による駆除も効果があります。

カイガラムシ

貝殻のような殻をかぶっているのが普通ですが、コナカイガラムシは体の表面に粉をまぶしたようになっています。孵化したての幼虫には脚があり、植物の上を移動しますが、成長するにつれて脚は退化し、幹や枝に固着して生活するようになります。ただ、コナカイガラムシは成長したのちも自由に動き回ります。植物に寄生して吸汁し、生育を阻害し、ひどい場合には枯死させます。カイガラムシの排泄物がスス病を誘発することも多くあります。
コナカイガラムシ以外は、幹や枝に付いた体を歯ブラシのようなものでこすり落とすのが有効です。卵から孵化したばかりの幼虫はオルトラン水和剤などで駆除できます。風通しが悪くなると発生することが多いので、密生した枝葉は適宜剪定するようにします。

カメムシ

驚くと臭腺から臭い油状の分泌物を出すので不快害虫として知られています。しかし、果樹の果実や新芽、茎葉に口を刺して吸汁し、果実を変形、落果させます。熟した果実では吸汁部分が腐敗し、異臭を放ちます。こまめに観察し、幼虫や成虫を見つけたら補殺します。果樹では木をゆすったり、幹をたたいたりして落下してくるところを捕まえて踏みつぶします。

ケムシ

蛾や蝶の幼虫で体が長い毛で覆われているものをいいます。種類はきわめて多く、種類によりつく植物が決まっています。

アメリカシロヒトリ:サクラ、ウメ、カキ、ナシ、リンゴ、クルミ、サクランボなど
ドクガ:サクラ、カエデ、ツツジ、バラ、ウメなど
ヒメシロモンドクガ:リンゴ、ナシ、ソラマメ、モロヘイヤ、イチジク、カキなど
モンクロシャチホコ:サクラ、ニレ、クヌギ、ウメ、リンゴ、ナシ、モモ、アンズなど

早期発見、早期防除が基本です。孵化したては集団でいることが多いので、虫が集まっている枝を切り取り、焼却などで処分します。冬期に葉裏を見て卵が見つかったら枝葉ごと切り取って処分します。

コナジラミ

小さな白い害虫で、葉に寄生して吸汁し、生育を阻害します。スス病やウィルス病を媒介します。成虫は体長2~3mmで、セミを小さくしたような姿で、白色をしています。加害植物の葉の裏に群生し、葉を揺らすと、白い粉が飛び散ります。近年、オンシツコナジラミやシルバーリーフコナジラミといった海外から侵入したコナジラミ類が全国的に発生しています。シルバーリーフコナジラミは寒さに弱く、トマトなどの果実の着色異常を引き起こします。

オンシツコナジラミ:キュウリ、カボチャ、トマト、ナスなど
シルバーリーフコナジラミ:カボチャ、キュウリ、トマト、メロンなど
ブドウコナジラミ:ブドウ

ミカンコナジラミ:かんきつ類、カキなど

発生の初期であれば殺虫剤の散布で防除できます。株元にオルトラン粒剤を散布すると、成虫の発生を抑えることができます。オンシツコナジラミは黄色の粘着テープを下げておくと捕殺することができます。雑草をこまめに除草することで効果的な予防になります。

スズメガ

幼虫は大きなイモムシで、体表には模様があり、尾部に角のような突起を持っています。大型で食欲が旺盛なため、少数でも被害は大きく、葉がすべて食べ尽くされてしまうこともあります。粒状の糞があるので気がつきます。幼虫は大型で見つけやすいので、薬剤で防除するより補殺するほうがよいでしょう。葉裏を調べて卵を見つけたら葉ごと取り除きます。

ゾウムシ

カブトムシの仲間で、頭部がゾウの鼻のように突出しているのでこの名があります。植物の若い葉、茎などを食害します。モモ、ウメ、クリ、ビワ、リンゴ、ニンジン、ダイコン、ホウレンソウ、ナス、キュウリなどに寄生します。薬剤による防除は、成虫発生の初期にオルトラン液剤、オルトラン水和剤などを3日おきに2~3回散布して駆除します。成虫は飛来するため駆除が難しく、見つけ次第補殺するのがよいでしょう。

センチュウ

土の中に住む体長1mm以下の白い小さな生き物で、ミミズのような形をしています。どこの土にも普通にいますが、小さいため、肉眼では見えません。ネコブセンチュウやネグサレセンチュウは植物の根に寄生し、ハガレセンチュウは葉に寄生します。ネコブセンチュウは根の細胞を肥大させて養分を吸収するため、被害を受けた根にはコブができて、植物の生育を阻害します。野菜の収量が減ったり、全く収穫できなかったりします。また、短期の日照りでしおれたり、下葉から枯れ上がったりします。ネグサレセンチュウは根の寄生した部分を腐敗させ、地上部も枯死させてしまいます。ハガレセンチュウは葉を枯らします。家庭園芸では発生の予防に力を入れます。マリーゴールドを栽培することで、キタネグサレセンチュウの発生を抑えることができます。また、十分腐敗した牛糞堆肥でも、堆肥中の微生物がセンチュウ類の発生を抑えます。土が少ない場合には、太陽熱で土を乾かし土壌消毒をすると、被害を減らすことができます。

テントウムシダマシ

ナナホシテントウがアブラムシを捕食する益虫なのに対し、背中の黒い斑点が28個あるニジュウヤホシテントウは害虫です。成虫も幼虫も植物を食害します。ナス、ジャガイモ、トマト、キュウリ、エンドウ、ピーマンを食害します。成虫や幼虫は見つけ次第補殺します。葉の裏に産み付けられた卵は、葉ごと取り処分します。

ナメクジ

日中は植木鉢やプランターの下に隠れていて、夜になると這い出し、やわらかい葉や花弁、果実を食害します。這いまわった跡が粘液が白く光った筋として残るため、すぐに分かります。ダイコン、ハクサイ、キャベツ、コマツナ、ナス、イチゴを食害します。多発する場合は、ナメクジ用の誘引殺虫剤をまいて補殺します。ビールは誘引効果はありますが、殺虫効果はありません。銅イオンを忌避する傾向があるため、銅線や銅の網を使うと被害を減らすことができます。

ネキリムシ

体長3~4cmの蛾の幼虫で、土の浅い所に潜んで夜に活動し、野菜の苗や草花を地際で噛み切って枯らします。エンドウ、キャベツ、キュウリ、ジャガイモ、ダイコン、トマト、ナス、ネギ、ニンジン、ハクサイ、ピーマン、ホウレンソウ、レタスなどの根が被害を受けます。被害を受けた株の周囲を掘って見つけたら補殺します。ペットボトルの上下を切って筒状にしたもので苗の周囲を囲うと被害を減らすことができます。

ハダニ

植物に寄生するダニの仲間です。成虫は0.3~0.5mm、幼虫はさらに小さく、肉眼では見えないので、ルーペを使って見つけます。葉に口針を刺して吸汁すると、跡が白色や褐色の斑点となります。被害が拡大すると、葉全体が白っぽく退色し、草花や野菜では落葉したり枯れたりします。葉を裏返してみると、赤いハダニや緑色のハダニがいることがあります。殺ダニ剤を10日おきに2~3回散布します。でんぷんを利用した薬剤を使っても駆除できます。水に弱いため、ホースで強く葉水をかけるようにすると、被害を減らすことができます。丈夫な野菜を育てるためには、肥料ぎれを起こさないように、適切な肥培管理をすることが重要です。

バッタ

家庭園芸に被害が大きいのは、オンブバッタによる食害で、植物の葉や茎、花、つぼみなどを葉の裏から食害します。キャベツ、ダイコン、ハクサイ、オクラ、ブロッコリー、シソ、ナス、バジル、ミントなどを食害します。見つけ次第補殺すれば、薬剤を使わなくても駆除できます。周囲の雑草を刈り取って生育場所をなくせば、侵入を減らすことができます。

ホコリダニ

体長0.2~0.3mmととても小さく、肉眼では確認できません。新芽や新葉などについて吸汁し、委縮させたり奇形を発生させたりします。ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、メロン、スイカ、イチゴ、インゲン、ダイズ、かんきつ類、ナシ、モモ、イチジクなどに寄生します。繁殖力が旺盛なため、一気に被害が増大します。殺ダニ剤を1週間おきに数回、葉裏に散布します。

ヨトウムシ

ヨトウガの幼虫で、昼間は土の中に隠れていて、夜になると出てきて野菜や草花を食害します。成虫は葉裏に数百個の卵を産みつけます。孵化した幼虫は卵のあった付近の葉を食い始めます。家庭菜園などで育てているキャベツやハクサイが一晩のうちに食い荒らされて、葉脈だけになってしまうことがあります。夜に懐中電灯で葉を調べて葉の上にいる幼虫を見つけたら、葉を摘み取って処分します。葉の裏に卵があるのを見つけたら、同じように葉ごと処分します。天敵を減らさないように、農薬はできるだけ使用を控えますが、幼虫が小さいうちなら、オルトラン液剤かオルトラン水和剤を散布します。寒冷紗などの防虫ネットで被覆すると、成虫の蛾の侵入や産卵が防止できます。

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