トウガラシ(鷹の爪)の育て方を徹底解説!

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トウガラシ(鷹の爪)

トウガラシの原産地は中南米の熱帯地方で、コロンブスの新大陸発見をきっかけに瞬く間に世界中に広まり、日本には16世紀にポルトガル人によって伝えられました。

一般的にトウガラシとよばれるのは、辛みの強い鷹の爪で、実が赤く完熟してから乾燥して香辛料として使います。

最近では、ハバネロやハラペーニョの種や苗も手に入るようになり、海外の激辛のトウガラシも手軽に栽培できるようになりました。

トウガラシの特徴である辛みは、カプサイシンという成分で、胃を刺激して食欲増進、体を温めて発汗を促すなどの効果があります。

トウガラシの品種

鷹の爪(たかのつめ)はトウガラシの一品種です。ほかに八房(やつぶさ)、伏見辛(ふしみから)、島唐辛子、海外の品種ではハバネロ、ハラペーニョ、ジョロキアなどがあります。

また、辛みのほとんどない万願寺唐辛子や伏見甘唐辛子などもあります。

トウガラシ(鷹の爪)の育て方

トウガラシはシシトウやピーマンなどの仲間で、栽培方法もほとんど同じですが、トウガラシは整枝をする必要がなく、簡単に育てられます。

トウガラシの品種である鷹の爪は、よく知られているトウガラシで、辛みが強く、小さな実が上向きにたくさんつくのが特徴です。

生育適温が25~30℃と高温性で暑さに強く、病害虫の心配もあまりないので、初心者でも育てやすい野菜です。

青い未熟果のうちから収穫して利用することもできますが、赤くなったら株ごと抜いてよく乾燥させてから利用するのが一般的です。

概要

生育温度 25~30℃。
連作障害 あり。3年以上あける。
元肥 元肥と苦土石灰を入れる。
植えつけ時期 5月。
植え付け方法 畝幅:90cm。
マルチ:黒マルチを張る。
株間:1列(または2列)、40~50cm。
苗の植えつけ後、仮支柱を立てて茎を結わく。
仕立て 長さ120cmの支柱を垂直に立てる。
栽培中の管理 追肥1回目:実がつき始めるころ。
以降の追肥:3週間に1回。
収穫 赤くなったものから順次収穫していき、ほとんどの実が完全に赤くなったら株元から切り取って株ごと収穫する。
保存方法 軒下などに逆さに吊るして乾燥させ、乾いたら実をとり、缶や瓶などに入れて保存する。
病害虫 害虫:アブラムシ、ハダニ、タバコガなど。
病気:青枯れ病、疫病など。

ポイント

  • トウガラシを含むナス科の野菜との連作を避ける。
  • 高温性で寒さに弱いので、十分に暖かくなってから苗を植える。
  • 収穫した実はよく乾燥させてから利用する。

時期

トウガラシの栽培時期

※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。

畑の準備

トウガラシは連作障害のでやすい野菜です。トウガラシを含むナス科(トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモなど)の野菜を3年以上栽培してない場所を選びます。

また、酸性の土壌を嫌うので、酸性に傾いた土壌ではかならず石灰を施し、よく耕しておきます。

苗の植え付けの2~3週間前に苦土石灰をまいてよく耕し、1週間前になったら堆肥と化成肥料を施して耕し、高めに畝を立て、黒マルチを張ります。

畝を高めに立てることで水はけがよくなり、黒マルチを張ることで雑草の抑制と地温を上げる効果に期待できます。

苗を用意する

トウガラシ(鷹の爪)の苗

保温すれば種から苗を作ることもできますが、家庭菜園では1~2株あれば十分なので、市販の苗を買って栽培するのが簡単です。

[良い苗の条件]

  • 大きくてしっかりしている
  • 茎が太い
  • 本葉が7~10枚ついている
  • 葉に艶がある
  • 1番花が開花寸前である

トウガラシは高温性なので、十分に暖かくなってから苗を購入しましょう。

苗を植える

トウガラシ(鷹の爪)の苗を植えたところ

苗を用意できたら、植える前にポットにたっぷり水をやり(ポットごと水につけてもよい)、たっぷり水を含ませておきます。

あらかじめ準備しておいた畝に、1列(または2列)で間隔を40~50cmとし、マルチに穴をあけ、ポットの大きさほどの植え穴を堀ります。

根鉢をくずさないように注意してポットから苗を取り出し、浅く植え、株元を軽く押さえます。

植えつけ後、たっぷり水をやり、仮支柱を立てて苗が倒れないように茎を結わきます。

支柱立て

支柱を立てたところ

活着して丈が伸びてきたら、株元から少し離れたところに長さ120cmの支柱を立てます。

垂直に深さは30cmくらいまで差し込み、支柱に茎を紐で8の字に結びます。茎を傷めないように緩めに結びます。

追肥

実がつき始めたころ

実がつき始めたころ、化成肥料を施します。以降は3週間に1回を目安に化成肥料を施します。

1回目の追肥:実がつき始めるころ。
以降の追肥:3週間に1回。

収穫

赤くなったトウガラシ

赤くなったものから順次ハサミで切って収穫していきます。

赤くなった実を収穫

ほとんどの実が完全に赤くなったら、株元から切り取って株ごと収穫します。

実が曲がる

トウガラシは高温性なので、気温の低い時期に咲いた花は、うまく受粉できずに落下したり、変形したりします。

また、株が老化したり、極端な乾燥や肥料切れしたときにも起こります。

ほかに、オオタバコガの幼虫が食害して実に穴をあけ、変形させることもあります。

いちばん辛いのはいつ?

トウガラシは、鮮やかな赤色のものがいちばん辛いと思われがちですが、じつはそうではありません。

トウガラシの辛味成分であるカプサイシンの成分量は実の肥大にともなって増量していきますが、肥大が終わるのをピークに減少していきます。

実の肥大にしたがって辛くなっていき、肥大が終わって熟すにつれて辛みが和らいでいきます。

すなわち、いちばん辛みが強いのは肥大が終わったときで、緑色から少し色が変わり始めたころです。

青トウガラシも利用できる

青トウガラシ

まだ赤くならない未熟果を収穫して、青トウガラシとして利用できます。

ビタミンやカロテンが豊富で、赤トウガラシほどの辛さはありません。

必要に応じて切り取って収穫します。

葉トウガラシ

トウガラシの葉には特有の味わいがあり、実のような強烈な辛さはありません。

葉がやわらかいうちに摘みとり、佃煮や天ぷらにして食べます。

葉を摘みすぎると生育に影響するので、摘みすぎないように注意しましょう。

乾燥・保存

株ごと収穫したトウガラシは、軒下など、風通しがよく、湿気の少ない日陰の場所に逆さに吊るして乾燥させます。

2~3株をまとめて、ひもなどで株元しっかり結びます。実を一つずつ収穫した場合はざるに広げて乾燥させます。

乾いたら実をとり、缶や瓶、ジップロックなどに入れて保存します。完全に乾燥させないとカビがでるので、完全に乾いてから保存しましょう。

乾燥したトウガラシ

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