大生姜の育て方を徹底解説!

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熱帯アジアが原産と考えられる生姜。熱帯地域では多年生植物ですが、温帯地域では一年生となります。

ツンと鼻に抜ける独特の辛みが特徴で、辛みや香りに含まれる成分にはさまざまな薬効があり、体を温める作用が知られています。

塊茎(かいけい)の大きさから小生姜、中生姜、大生姜に分けられ、塊茎が大きい生姜ほど辛みが少なく、小さい生姜ほど辛みが強くなります。

栽培では、生育適温が25~30℃と高めで、15℃以下になると生育が停止し、13℃以下に長くあたると低温障害を起こして枯れてしまいます。また、根が浅く広がるので乾燥に弱く、水分を多く必要とします。

ここでは、塊茎が大きく、辛みの少ない、大生姜の育て方を紹介します。

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大生姜の育て方

生姜は、病害虫の被害が少なく、初心者でも育てやすい野菜です。

しかし、連作を嫌うので、4年以上は生姜を栽培してない場所を選びます。

また、熱帯地域が原産で暖かい気候を好むので、十分に暖かくなってから植え付けます。

根を浅く張るので乾燥に弱いため、敷きわらをして乾燥を防ぎ、夏場に乾燥しているときは水をたっぷりやります。

育てやすい品種

印度(いんど)、近江(おうみ)、お多福(おたふく)など。

概要

生育温度 25~30℃。
連作障害 あり。4年以上あける。
元肥 元肥(できれば緩効性肥料)と苦土石灰を入れる。
植えつけ時期 4月下旬~5月上旬。
植え付け方法 畝幅:90cm。
マルチ:どちらでも良い。
株間:2列、25cm間隔。
深さ:10cm。
種の大きさ:一つ約100~120g程に分ける。
栽培中の管理 1回目の追肥と土寄せ:
葉が2~3枚になったころ。
2回目の追肥と土寄せ:
背丈が30cmくらいになったころ。
敷きわら:1回目の土寄せ後、株元に藁や刈り草を敷く。
潅水:梅雨明け後、土が乾いていたら潅水する。
収穫時期 10月ごろから収穫し、霜が降りる前に収穫を終える。
病害虫 害虫:ネコブセンチュウ、ネキリムシ、アワノメイガ、ヨトウムシなど。
病気:根茎腐敗病、立枯病、腐敗病、紋枯病など。

ポイント

  • 生姜を4年以上は栽培してない場所を選ぶ。
  • 種生姜は、病気にかかっていない、表面の張りと色つやの良いものを入手する。
  • 植え付けは、十分に暖かくなって遅霜の心配がなくなってから行う。
  • 1回目の土寄せ後、株元に藁や刈り草を敷いて乾燥を防ぐ。
  • 乾燥時期にはたっぷり水やりをする。

時期

生姜の栽培時期

※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。

低温では生育しないので、十分に暖かくなってから植え付けます。

種生姜を用意する

種生姜

生育初期の2ヶ月間は種生姜の養分で生育します。病気にかかっていない、表面の張りと色つやの良い充実した種生姜を入手します。

畑の準備をする

大生姜を植えるために準備した畝

生姜は連作障害のでる野菜です。生姜を4年以上は栽培してないない場所を選びます。根が浅くて乾燥に弱いので、潅水ができて保水力のある場所が望ましいです。

生育初期の2ヶ月間は種生姜の養分で生育しますが、生育期間が長いため、できれば緩効性肥料(じっくりと長く効く肥料)を使用します。

種生姜の植え付けの2週間前に苦土石灰をまいてよく耕し、1週間前になったら堆肥と化成肥料を施して耕し、畝を立てておきます。

種生姜を植える

熱帯地域が原産で寒さに弱いため、十分に暖かくなって遅霜の心配がなくなってから種生姜を植え付けます。ただし、植え付けが遅れると生育期間が短くなってしまいますので、遅れすぎないように注意します。

種生姜は、一つ約100~120g程の大きさになるように割って分けておきます。

あらかじめ準備しておいた畝に、2列で間隔を25cmとし、深さ10cmくらいで植え穴を掘り、畝と直角になるように種生姜を置いて土を被せます。

植えつけ後、水をたっぷりやります。

種生姜を植え付けたところ

芽が出るのに1ヶ月くらいかかります。芽が出るまで焦らずにじっくり待ちましょう。

追肥と土寄せをする

芽が出て葉が2~3枚開いたところ

芽が出て葉が2~3枚開いたら、化成肥料を株の周りにまき、軽く土寄せをします。

背丈が30cmくらいになったころ、2回目の追肥を行います。

1回目の追肥と土寄せ:葉が2~3枚になったころ。
2回目の追肥と土寄せ:背丈が30cmくらいになったころ。

敷きわらをする

乾燥を嫌うため、1回目の土寄せ後、株元に藁や刈り草を敷いて乾燥を防ぎます。

潅水する

梅雨明け後、晴天が続いて土が乾いていたら、朝か夕方の気温の低い時間帯に畝間にたっぷりと潅水します。

収穫する

収穫時期を迎えた大生姜

10月ごろから収穫し、霜が降りる前には収穫を終えます。

根が浅いので、茎をまとめて持ち上げると簡単に抜けます。

収穫した大生姜

ナスや里芋の株間に生姜を植えよう

生姜は日陰ぎみな場所を好むので、ナスや里芋の株間に植えるとよく育ちます。

ナスや里芋は水を好むことから大きな葉を広げるため、そばに植えた生姜にほどよく影を作ります。

また、地中深くに太い根を伸ばし、水分を吸い上げるため、生姜も水分を吸いやすくなります。

好む養分が異なるため、競合も起きません。

生姜を栽培するためのスペースや畝を立てるなどの手間の削減になり、ともに収量も上がるとあって、一石二鳥の栽培方法といえます。

新生姜とは?

収穫したての生姜や、早めの9月に収穫した肌の色が白っぽいものを新生姜といって、繊維が少なくてやわらかく、辛みが少ないのが特徴です。

新生姜の下についている種生姜や、収穫してから2ヶ月以上保管したものをひね生姜といって、繊維質で辛みが強いのが特徴です。

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