冬の鍋に欠かせない白菜。
ほんのり甘みのある優しい味でどんな食材とも相性がよいのが特徴です。
加熱したときのとろけるようなおいしさは寒い冬にぴったりです。
原産地は中国北部で、日本に入ってきたのは明治時代になってからです。
白菜のほとんどが水分で、栄養価が低いと思われがちですが、栄養成分が均等に含まれている野菜です。
風邪の予防、ストレスの軽減、免疫力アップ、疲労回復などに効果的なビタミンC、血圧を上昇させるナトリウムを体外へと排出する働きがあるカリウムなどが含まれます。
また、ゆでたり煮たりして加熱することでかさが減るので、量をたくさん食べることができるのも特徴です。
最近では甘みの強い品種開発され、サラダなどにも使われはじめています。
一般的な白菜は大型ですが、大型の白菜は栽培期間が長いので、プランター栽培では生育の早いミニサイズの白菜がおすすめです。
[関連記事]
白菜の栄養と保存と調理
白菜の育て方(畑)
ミニ白菜がおすすめ!
ミニ白菜は、普通サイズの白菜の重さが3~4kgなのに対して、1kgくらいの小型の白菜です。
一度に使いきれるサイズということもあって、人気が高まっています。
普通サイズの白菜は繊細な性質で、寒くなるまでに一定の葉数にならないと結球せず、失敗してしまうことがあります。
ミニ白菜は、少ない肥料で育ち、結球もさせやすいので、失敗が少ないといえます。
しかも、収穫するまでに時間もかからず、場所もとらないので密に栽培することもできます。
プランター栽培ではミニ白菜が育てやすいでしょう。
栽培カレンダー
プランター向き品種の栽培カレンダーです。
ミニ白菜は寒さに弱いため、霜が降りる前に収穫します。
栽培メモ
- 科名
- アブラナ科・アブラナ属
- 難易度
- ふつう
- 置き場所
- 日の当たる場所
- 背丈
- 30~40cmくらい
- 種?苗?
- 種から育てる(苗から育てることもできる)
- 生育適温
- 15~20度
- 追肥
- 1回目の追肥:最後の間引きの後
2回目の追肥:結球がはじまったら
- 病害虫
- 病気:軟腐病、モザイク病、ベト病など
害虫:アブラムシ類、ダイコンハムシ、ハイマダラノメイガ、コナガ、アオムシ、ヨトウムシ類など
栽培のコツ!
- 害虫の被害が多いので、防虫ネットで覆って育てる
- 肥料を切らさないように気をつける
プランター向きの品種
タイニーシュシュ、黄味小町、お黄にいり、娃々菜など。
[タイニーシュシュ]
種まきから45日で200g、65日で1.2kgと成長が早く、用途に合わせて使いやすいサイズで収穫できる便利な白菜です。
球形がやや長い円筒形で長さが20cmほどになります。
暑さに強く、耐病にも優れ、高温期に収穫できる貴重な品種です。
[黄味小町]
育期間の短い極早生種で、長さ20cm、重さ800gほどで収穫するミニ白菜です。
球内は全体的に黄色くなります。
水分が少ないので漬物などにも適しています。
[お黄にいり]
生育日数は50日、密栽培が可能で、重さは600g~1kgで収穫します。
べと病や根こぶ病に強く、極早生で育てやすいミニ白菜です。
[娃々菜(わわさい)]
超密植栽培とし、重さ300~500gで収穫するミニ白菜です。
外葉から芯までやわらかく、甘みもあり、食味に優れ、食べきりサイズなので家庭菜園で重宝する白菜です。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、防虫ネットセットなど。
[関連記事]
必要な道具を準備しましょう
種まき
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
15~20cm程度の間隔をあけて種をまきます。
一か所に4~5粒まいて、薄く土をかけ、軽く手で押さえてからたっぷりと水をやります。
種が重なると、間引きのときにいっしょに抜けてしまうので、間隔を少しあけて種をまきます。
発芽するまでは乾かさないようにします。
[関連記事]
プランターでの種まき
害虫対策
白菜はアオムシなどの害虫がつきやすいので、防虫ネットを利用すると安心です。
発芽するとすぐに葉に卵を産みつけられるので、種まきを終えたらすぐに防虫ネットを被せます。
[関連記事]
防虫ネットを被せて虫よけ
間引き・土寄せ
間引きを2回行い、本葉5~6枚までに1か所につき1本にします。
2回目の間引き菜は、捨てずに料理に利用しましょう。
[1回目]
本葉1~2枚になったら、茎が伸びて徒長した株や葉の形が悪いもの、生育の遅い株を間引き、1か所につき2本ずつ残します。
間引き後、株のぐらつきと根の乾燥を防ぐために左右から土を寄せます。
[2回目]
本葉5~6枚で2回目の間引きをして、1か所1本にします。
[関連記事]
たくさん発芽させて間引きをしよう
追肥
最後の間引きの後、1回目の追肥を株間とプランターの縁に肥料を施します。
2回目の追肥は、結球がはじまったころに行います。
1回目の追肥:最後の間引きの後
2回目の追肥:結球がはじまったら
[関連記事]
追肥のコツを知っていますか?
収穫
球の頭の部分を押さえてみて、かたくしまっているようなら収穫できます。
外葉を倒して、根元近くから包丁などで切り取ります。
注意する病害虫
白菜はアブラナ科の野菜で、アオムシなどの被害を受けやすいので、防虫ネットをしていてもこまめに観察し、発生初期の防除を徹底します。
病気では、軟腐病、モザイク病、ベト病などが発生することがあります。
黄色や茶色になった外葉はこまめに摘み取り、風通しをよくして予防します。