大型の野菜の中でも収穫したときの喜びが大きいキャベツ。
サラダ、煮物、炒めもの、漬け物など、いろいろな食べ方が楽しめる野菜です。
生育温度は15~20℃で、涼しい気候をお好みます。
栽培期間が少し長く、アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシなどの害虫の被害が多いので、害虫の少ない秋に防虫ネットで覆って栽培します。
キャベツは結球するには、葉の数が多くなり、大きな株に育っている必要があります。
生育の様子を見ながら、肥料を切らさないように育てましょう。
定番の品種のほか、紫色のキャベツ、葉が縮れたキャベツ、頭が尖ったキャベツなど、見た目でも楽しめる品種もあります。
一般的なキャベツは大型ですが、プランター栽培では生育の早いミニサイズのキャベツが最適です。
市販の苗を購入して育てると育苗の手間が省けますが、種から育てると収穫の喜びが一段と違います。
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キャベツの育て方(畑)
目次
ミニキャベツがおすすめ!
プランターでキャベツを育てるには、500~800gのミニサイズのキャベツがおすすめです。
株間25~30cmの密栽培ができ、種まきから80~90日で収穫できます。
栽培カレンダー
プランター向き品種の栽培カレンダーです。
キャベツは寒さに感応して花芽が形成されるため、プランター栽培ではトウ立ちの心配が少ない夏まき秋どりがおすすめです。
栽培メモ
- 科名
- アブラナ科・アブラナ属
- 難易度
- ふつう
- 置き場所
- 日の当たる場所
- 背丈
- 50~60cmくらい
- 種?苗?
- 種から育てる(苗から育てることもできる)
- 生育適温
- 15~20度
- 追肥
- 1回目の追肥:最後の間引きの後
2回目の追肥:結球がはじまったら
- 病害虫
- 病気:黒腐病、軟腐病など
害虫:アブラムシ、アオムシ、ネキリムシ、コナガ、ヨトウムシなど
栽培のコツ!
- 種まき適期を守る
- 害虫の被害が多いので、防虫ネットで覆って育てる
- 肥料を切らさないように気をつける
プランター向きの品種
甘乙女、みさき、アーリーボールなど。
[甘乙女]
甘みのある500g前後の使いきりサイズのミニキャベツです。
種まきから80~90日で収穫できる極早生種で、株間30cmの密栽培もできます。
[みさき]
先がとがったたけのこ型で、1.2kg前後で収穫するやや小型のキャベツです。
種まきから80~90日で収穫できる極早生種で、株間30cmの密栽培もできます。
肉質はやわらかく、甘みもあり、サラダなどの生食に最適です。
[アーリーボール]
ボール型(正円)の代表品種で、1.2kg前後のやや小型のキャベツです。
種まきから90日で収穫できる極早生種で、株間30cmの密栽培もできます。
肉質はやわらかく、サラダなどの生食や浅漬けに最適です。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、防虫ネットセットなど。
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必要な道具を準備しましょう
種まき
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
30cm程度の間隔をあけて種をまきます。
一か所に4~5粒まいて、薄く土をかけ、軽く手で押さえてからたっぷりと水をやります。
種が重なると、間引きのときにいっしょに抜けてしまうので、間隔を少しあけて種をまきます。
発芽するまでは乾かさないようにします。
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プランターでの種まき
害虫対策
キャベツはアオムシなどの害虫がつきやすいので、防虫ネットを利用すると安心です。
発芽するとすぐに葉に卵を産みつけられるので、種まきを終えたらすぐに防虫ネットを被せます。
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防虫ネットを被せて虫よけ
間引き・土寄せ
間引きを2回行い、本葉4~5枚までに1か所につき1本にします。
[1回目]
本葉1~2枚になったら、茎が伸びて徒長した株や葉の形が悪いもの、生育の遅い株を間引き、1か所につき2本ずつ残します。
間引き後、株のぐらつきと根の乾燥を防ぐために左右から土を寄せます。
[2回目]
本葉4~5枚で2回目の間引きをして、1か所1本にします。
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たくさん発芽させて間引きをしよう
追肥
最後の間引きの後、1回目の追肥を株の周りに肥料を施します。
2回目の追肥は、結球がはじまったころに行います。
1回目の追肥:最後の間引きの後
2回目の追肥:結球がはじまったら
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追肥のコツを知っていますか?
収穫
球の頭の部分を上から押してみて、かたくしまっているようなら収穫できます。
片方の手で球の部分を傾けて、下葉と外葉の間に包丁を入れて切り取ります。
収穫が遅れると裂球することがあるので、収穫適期を逃さないように注意しましょう。
注意する病害虫
アブラナ科であるキャベツは、害虫のつきやすい野菜です。
芯の部分を害虫に食べられてしまうと、結球できないこともあります。
防虫ネットで覆うのが効果的なので、種をまいたらすぐに防虫ネットで覆って対策し、日ごろから害虫が発生していないか確認しましょう。
適期に種まき
キャベツの球の大きさは、外葉の大きさにほぼ比例します。
種まきが遅れると、外葉が大きくなる前に寒くなってしまい、小さな球にしかなりません。
だからといって種を早くまくと、病害虫の被害を受けやすくなります。
キャベツは種まきの適期が短いので、まきどきを逃さないことが大切です。
結球しない?
キャベツが結球するためには、寒くなる前に、葉数が多くなり、大きな株になっている必要があります。
種まきの遅れ、肥料不足、日照不足、害虫による被害などによって、結球しないことがあります。
結球させるには、外葉を充実させることが大切です。