ミツバは、1本の葉に3枚ずつ葉がつくことからこの名前がつきました。
日本をはじめ、東アジアに広く自生しているセリ科の野菜です。
日本では古くから野草として食べられてきましたが、本格的に栽培されるようになったのは江戸時代からです。
さわやかな香りとシャキシャキとした歯応えがあり、繊維質も豊富です。
山の湿った半日陰に自生しているので、少し日当たりの悪い場所でも育ちます。
逆に、真夏の日差しが強い時期は遮光する必要があります。
乾燥にも弱いので、夏場の水切れに注意します。
目次
栽培方法によって呼び名が異なる
ミズナは栽培方法によって根ミツバ、切りミツバ、糸ミツバに大別されます。
野生のミツバは葉が大きくて茎も短く、香りが強く歯ごたえがあります。
プランターで育てると野生に近いミツバになります。
[根ミツバ]
土寄せをして一部を軟白化させたもので、茎の下部が白くなっています。
風味が強く、根も食べられます。
関東で好まれています。
[切りミツバ]
遮光して軟白したミツバを根元で切り取ったものです。
茎が長くて白く、葉は薄い緑色をしています。
[糸ミツバ]
露地や水耕栽培で密に栽培したものです。
葉も茎も緑色です。
一般的にスーパーなどで売られているミツバです。
栽培カレンダー
発芽適温は18~25℃と高めなので、春に種をまく場合はじゅうぶんに気温が上がってから行います。
栽培メモ
- 科名
- セリ科・ミツバ属
- 別名
- ミツバゼリ
- 難易度
- やさしい
- 置き場所
- 日の当たる場所~半日陰
- 背丈
- 15~20cm
- 種?苗?
- 種と苗のどちらでもOK
- 生育適温
- 15~20度
- 追肥
- 1回目の追肥:最後の間引きの後
以降の追肥:生育の様子を見て
- 病害虫
- 病気:ベト病、モザイク病など
害虫:アブラムシ、ハダニなど
栽培のコツ!
- 好光性の種なので、種まき後の覆土はごく薄くする
- 夏の直射日光に弱いので、夏場は遮光する
- 乾燥したら水やりをする
- 必要な分だけ切り取って収穫する
プランター向きの品種
白茎三ツ葉(関西系)、白茎三ツ葉(関東系)など。
[白茎三ツ葉(関西系)]
関西系の青ミツバです。
[白茎三ツ葉(関東系)]
関東系の青ミツバです。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、防虫ネットセットなど。
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必要な道具を準備しましょう
種まき
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
ミツバは発芽率があまりよくないので、多めに種をまいて間引きを行います。
3列、条間10cm、深さ1cmの浅い溝をつくり、1~2cm間隔で多めに種をまきます。
ミツバの種は好光性で、種に光が当たって発芽が促進されます。
種にかける土はごく薄くかけて、手のひらで種と土を密着させ、水をやります。
発芽するまで乾燥させないように注意します。
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プランターでの種まき
害虫対策
ミツバは害虫の少ない野菜ですが、アブラムシやハダニがつくことがあります。
防虫ネットを被せることで被害を軽減できます。
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防虫ネットを被せて虫よけ
水やり
ミツバは湿り気のある土を好むので、土の表面が乾いたら水やりをします。
とくに夏場は水切れしやすいので注意します。
間引き・土寄せ
間引きを2回行い、本葉3~4枚までに5cm間隔にします。
密植えぎみにすることで茎が長くなりやわらかくなります。
2回目の間引き菜は、みそ汁やお吸い物の具などに利用できます。
[1回目]
双葉が開いたら、2~3cm間隔になるように間引きます。
[2回目]
本葉3~4枚で2回目の間引きをして、株の間隔を5cm程度にします。
間引きの後に軽く土を寄せます。
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たくさん発芽させて間引きをしよう
追肥
2回目の間引き後に追肥し、以降は生育を見ながら2週間に1回のペースで行います。
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追肥のコツを知っていますか?
収穫
種まきから約2か月くらいで収穫できます。
使う分だけハサミで葉を付け根から切り取って収穫します。
再収穫
葉を切り取って収穫することで、新しい葉が出て何度でも収穫できます。
長く収穫を楽しむには、肥料を切らさないように注意します。
花が咲くと葉がかたくなるので、早めに花を摘みとります。
注意する病害虫
防虫ネットで覆っていてもアブラムシ、ハダニが発生することがあります。
よく観察して、見つけしだい駆除します。