黒ニンニクをご存知ですか?
文字通り、ニンニクを黒くしたものです。
ニンニクのパワーはみなさんご存知だと思います。
ニンニクを食べると、エネルギーがわいてきて、元気になりますよね。
黒ニンニクは、その元気なパワーを最大限引き出したものなのです。
黒ニンニクは、熟成黒ニンニクと呼ばれることもあります。
熟成の文字通り、低い温度でじわじわと温め、ナマのニンニクを発酵させて、食べるものです。
黒ニンニクはそのまま食べる物です。
食べるとほんのりと、本当に少しだけですが酸味があり、そして甘いのです。
食感はまるでドライフルーツのようで、とても甘くて食べやすいのです。
ニンニクはナマで食べることはできませんが、黒ニンニクなら皮をむいてそのまま食べることができます。
健康食品として、非常に優れており、免疫力の向上や、ガンおよびアルツハイマーなどの予防に最適です。
さすがにガンを治したりすることはできないのですが、毎日ひとかけらずつ食べることで、体の中から病気を予防してくれます。
今回は黒ニンニクについてご説明します。
目次
黒ニンニクのルーツ
エジプトのピラミッドが作られた時代に、ピラミッドを作っていた肉体労働者たちはニンニクを食べてパワーアップしていたことをご存知ですか?
遺跡などから、当時の生活痕が発見されるのですが、そこにニンニクがあったことが調査でわかっています。
非常にロマンを感じますね。
それだけ古くからニンニクの効能は知られており、さらにエジプトからインドに渡り、そして中国に到着しました。
アラブやアジア圏でニンニクは効果が高いエネルギーがでる食べ物として、大きく人気となったのです。
そして今でも、ニンニクは人々に愛されています。
あなたも餃子やラーメンといった料理にニンニクを入れませんか?
ナマのまま食べることはなくとも、加工したり下ろしたりして、ニンニクの風味を楽しむことは多いと思います。
そこで熟成黒ニンニクです。
熟成黒ニンニクは、65度よりも低い温度で、完全にコントロールされた温度と湿度の中で、ナマのニンニクを発酵させて長時間おいたものです。
長期間をかけて熟成し、さらに乾燥させたものが黒ニンニクです。
ニンニクは自家発酵することができるため、添加物等を使わなくとも、温めるだけで勝手に発酵し、黒く変化します。
これは独特の変化で、この工程でニオイがなくなるのです。
そのため、黒ニンニクは、ニンニク独自の臭い匂いが一切ありません。
さらに驚くべきはそのパワーです。
ニンニクを発酵させることで、黒ニンニクは生ニンニクの10倍以上の抗酸化力を持つことが明らかとなったのです。
これはさまざまな研究機関で研究の対象となっており、実際に高い抗酸化作用が確認されています。
これが体に非常に良い影響を及ぼし、いろいろな病気を防いでくれるのです。
そのため、熟成黒ニンニクを食べることで、ガン、脳卒中、アルツハイマーと言った病気を予防し、改善してくれるパワーがあるのです。
特にガンを予防するとアメリカでも注目
アメリカには国立がん研究所(NCI)という研究機関があります。
NCIがガンの栄養療法を研究しています。
しかしこの話しをする前に注意点があります。
たとえばガンになってしまったとき、ガンを食事だけで治そうとするのは非常に危険です。
必ず医師の指導に従い、標準治療選択してください。
芸能人などがよく、抗がん剤を拒否して自然療法に頼り、ガンを食事だけで治そうとしたり、出版社からガンを食事で治療する本などが出ていたりしますが、それらは非常に危険な行為です。
病気の進行を早めてしまいます。
しかし、予防は考えられるものでしょう。
NCIによると、デザイナーフーズ計画というものがあり、植物性食品を積極的に摂取することにより、ガンを予防することができるか、食品、成分を研究しつくし、ピラミッドにしたものです。
そのデザイナーフーズ計画において、ニンニクはもっともがん予防の効果が高いとして、アメリカで注目を集めているのです。
これは1990年頃から研究されており、もう30年近い研究実績があります。
抗酸化作用と抗がん効果。
この2つだけでも、かなり黒ニンニクを魅力的に感じてもらえるのではないでしょうか。
最新医学による黒ニンニクの抗がん作用
ニンニクはガンを予防し、さらには状態を少し改善してくれることが、最新の医学研究でわかりつつあります。
といっても、前にも書きましたとおり、あくまで栄養の補助としてのものです。
たとえば、中国の山東医学研究所。
王博士と言う人がいるのですが、ニンニクを毎日食べているグループと食べないグループにわけて追跡研究を行いました。
すると、ガンにかかる発生確率がなんと11倍も異なったということです。
もちろん、ニンニクを食べていたほうが、ガンにかかる割合が圧倒的に低かったのです。
さらに、大阪府立成人病センターの正岡内科部長の研究では、白血病という血液のガンにおいて、治療にニンニクが高い効果を示したことを発表しました。
他にも、昭和大学医学部の新居医学博士は、ニンニクの中野セレニウムが胃がんの発生を抑え、さらには他のガンも予防してくれると発表しています。
アメリカのワイスベルガー博士も、ニンニクでガンが改善したという報告を出しています。
関西女子短期大学の永井医学博士は、ニンニクに含まれる有機ゲルマニウムがガンを予防するパワーがあると研究しました。
永井博士はガンにかかったマウスにニンニクを与えると、1ヶ月の寿命が15日、30日と伸びていったと報告しています。
さらに活性酸素を除去する抗酸化作用がアップ
ガンの予防効果だけでなく、他にもニンニクは黒ニンニクに変わることで、10倍の抗酸化作用を持つようになります。
これは食品分析センターの調べでもわかっています。
熟成した黒ニンニクは、ポリフェノールを豊富に含み、生ニンニクよりもはるかに多いポリフェノールを持ちます。
それが、活性酸素の除去に役立つのです。
ガンを抑えてくれて、血圧や血糖値の改善にも役立ちます。
他にも抗菌作用があったり、抗ウイルス作用があったり、抗アレルギー作用があったりします。
ニンニクは薬理効果が高く、体づくりにとても役立つのです。
ガンは生活習慣病の一種です。
そのため、活性酸素を抗酸化作用のある食べ物で除去していくことが大切です。
アメリカでは、トッター博士とワインツマン博士というコンビが、活性酸素がガンの原因となっていることを研究しています。
その活性酸素ですが、生活習慣病、慢性病、そしてガンを引き起こすことが確認されています。
活性酸素に対抗できるのが、抗酸化作用のあるニンニクです。
特に黒ニンニクは効果的です。
黒ニンニクは元気の源!疲労回復作用も
ニンニクを食べると、疲れがとれて元気になりませんか?
疲れづらくなるので、運動前や仕事の前などにおすすめです。
この作用は、ニンニクを食べることで、体の中で活用されます。
ニンニクのエネルギーのひとつであり、多くの人がニンニクを好む理由でもあります。
ニンニクの成分が体内に吸収され、細胞の中へと浸透し、小胞体という物体に働きかけて、タンパク質を合成してくれるのです。
アミノ酸やタンパク質を取ると疲労回復になり、さらにはトレーニングのあとなどにも有効ですよね。
それと同じ効果があるのです。
このできたタンパク質は各細胞の機能を向上させ、口から入ったタンパク質と共同して疲労を回復してくれます。
体の外側と内側の両方から、疲労に働きかけ、体の疲れを疲労回復してくれるのです。
ニンニクは疲労回復剤とも呼ばれるゆえんがここにあります。
あとはビタミンB1も有効です。
このビタミンB1とニンニク成分のアリシンが結合すると、アリチアミンという物質に変わります。
アリチアミンは体に吸収されづらく、活性持続型B1という名のスタミナ効果を発揮してくれるのです。
アリチアミンは、「アリナミン」という商品名でもおなじみだと思います。
体が弱い人、疲れやすい人、精力が足りない人などにも、アリチアミンのもととなるビタミンB1と黒ニンニクは非常におすすめなのです。
黒ニンニクは、血液をさらさらにしてくれる!
血液がドロドロだと、さまざまな病気を引き起こします。
代表的なものは血栓で、とつぜん血栓ができると脳梗塞や心筋梗塞につながります。
血栓のないサラサラの血液こそ、体には欠かせないのは常識的にご存知のことかと思います。
そのため、血栓ができていたらそれを溶かしてくれて、血液をサラサラにしてくれる食生活に関心が高い人も多いのです。
そもそも血液は、体のすみずみまで必要な栄養素と酸素を届ける役割をしています。
その血液ですが、血管内がサラサラの状態でない場合は、毛細血管のすみずみまで大切な栄養と酸素を届けることができなくなってしまいます。
血栓症、脂質異常症、高脂血症になると、末端組織に栄養が行き渡らなくなってしまい、酸素と栄養が欠けてしまいます。
すると抵抗力や免疫力が落ちて、体が弱ってしまい病気になりやすくなるのです。
さらには、脳梗塞、心筋梗塞、高血圧そしてガンにかかりやすくなり、命の危険につながってしまいます。
血栓は非常に怖いので、血液サラサラにみなさんが一生懸命になるのは当然のことです。
黒ニンニクは、メチルアリルトリスルフィドという栄養素が含まれているため、血栓を予防し、血の塊が大きくなってしまい凝固するのを防いでくれます。
血液をサラサラにしてくれるパワーがあるため、さまざまな病気を予防できるのです。
ニンニクにはどんな栄養素が含まれているの?
では、ニンニクと病気予防の関係がわかったところで、ニンニクにどのような栄養素が含まれているかみてきましょう。
まず、タンパク質、糖質、リン、ナトリウム、ビタミンB1が含まれています。
とくにタンパク質とリンが豊富で、ホメオスタシスを整えるのに大きな効果を発揮する栄養素です。
非常に栄養豊富で、エネルギーが満ちてくることがわかると思います。
ニンニクのニオイはどうしたら良いの?
そんな体に最高のニンニクですが、唯一の欠点があのにおいです。
においはあとを引き、あとあとまでニオイが残ります。
においがいやでニンニクを食べたくないという人も多いですよね。
特に女性は気にするのではないでしょうか。
ニンニクのにおいは、アリインという物質が働いています。
すりおろしするとアリインの細胞が壊れて、アリナーゼとなり、ニオイのもととなるアリシンへと変化します。
このアリシンこそが強烈なにおいの元なのです。
しかし、黒ニンニクの場合、このアリシンが、熟成することにより、S-アリルシステインへと変わります。
そしてニオイがなくなり、黒ニンニクには嫌なニオイがまったくしないのです。
熟成があまり進んでいないものであれば、ほんのりと、ほんの少しだけニンニクのニオイがする場合がありますが、あれはアリシンが残っているためです。
他にも、「臭わないニンニク」という製品などが売られていると思いますが、物理的には不可能です。
アリシンは熱を加えると壊れるため、ニンニクをすりおろしたものを電子レンジでチンするとたしかにニオイはなくなります。
しかし、アリシンは栄養分のため、他の大切な栄養素もなくなってしまいます。
そして、ニンニクにはポリフェノールが含まれていることは先程見ましたよね。
さらに抗酸化物質も黒ニンニク化することで3倍に増えます。
必須アミノ酸も豊富で、9種類の必須アミノ酸が必要なのですが、そのうちなんと7種類ものアミノ酸がニンニクに含まれています。
その上、黒ニンニクへと熟成すると、そのアミノ酸の量が大幅に増えるのです。
黒ニンニクで免疫力をアップしよう
日本人の死因第一位がガンだということはよく知られていると思います。
しかし、ガンの治療法は確実に医学が進歩しており、治療できる病気になりつつあります。
外科治療、放射線治療、化学療法の3つが現在の主流となっているガンの治療法ですが、そられに加えて免疫療法に注目が集まっています。
ニンニクはアリシン、S-アリルシステインやさまざまな硫黄化合物が含まれています。
これらが抗酸化作用をもたらし、抗がんに効果があると考えられているのです。
殺菌・解毒作用、整腸効果なども見られますので、かなり幅広く健康に効果があると考えられているのです。
免疫力も、これらの成分によって高まります。
ガンの治療の代替にしてはいけませんが、つらいガン治療のサポートとして、黒ニンニクは非常におすすめなのです。
東洋医学でもニンニクは「未病」を癒やす
東洋医学でもニンニクは古くから使われてきました。
東洋医学には「未病」と言う言葉があり、これは健康体でなく、病気になる直前で、このまま放置しておくと病気になってしまうという状態です。
この未病の段階でケアし、進行を防がなければならないものです。
いかにも東洋医学らしい考え方ですが、この未病の状態に、黒ニンニクは最適なのです。
未病を癒やしてくれて、少し疲れて病気の手前までいった体の状態を、より健康体の方向へと導いてくれます。
体を癒やしてくれる効果があり、また同時にエネルギーも出ますし免疫力もアップしますので、黒ニンニクは非常におすすめなのです。
黒ニンニクは自分で作ることもできる!
黒ニンニクを食べようと思ったら、市販のものを買ってきて、毎日1片ずつ食べるのがベストです。
しかし、作ろうと思ったら自分で作ることもできます。
炊飯器と生ニンニク。
それだけで黒ニンニクが完成します。
しかし注意点があります。
20日ほど熟成するのですが、その間、炊飯器が使えなくなります。
さらには、強烈なにおいが発生するため、家の中で作るのはやめましょう。
ベランダでも、とてつもないニオイがしますので、どこか人気のない小屋などで作ることをおすすめします。
では、熟成黒ニンニクを手作りする方法を見ていきましょう。
[1日目]
ニンニク1キロ、約16個を炊飯器にいれます。
そして炊飯器の保温ボタンを押すだけです。
水等は必要ありません。
水分はニンニクのなかから勝手にでてきます。
[2日目]
においがするようになります。
さっそく熟成のスタートです。
[3日目]
小屋に近づくとすでにニオイがします。
コーヒー牛乳ぐらいの色になります。
[5日目]
皮も中身も茶色が濃くなります。
焼けたような色味です。
しかし、水分はまだ出ないでしょう。
水滴が炊飯器の蓋にたまる程度です。
[8日目]
全体的に茶色くなり、中身が黒みがかってきます。
[14日目]
ニンニクのニオイがなくなり、そろそろ全体的に黒くなってきます。
そして触ると柔らかさを感じるようになります。
[20日目]
完成です。
においもなく、かなり黒ずんでいます。
触るととても柔らかく、食べることができます。
甘みがあって美味しい黒ニンニクの完成です。
ここで注意点があります。
25日目になるとこれが反対に熟成しすぎてしまって、かたくなります。
包丁でもカットできなくなり、食べることがかなり困難になるのです。
熟成は20日を守りましょう。
あまりに長く保温しすぎると、熟成が台無しになってしまいます。
せっかく20日かけて作るのですから、時間を守ってパーフェクトな熟成黒ニンニクをつくりましょう。
熟成黒ニンニク、毎日ひとかけで美味しく健康に
熟成黒ニンニクですが、上述の通り自分で作ることもできますし、買ってきてもいいでしょう。
やはり自分で作るのは場所と炊飯器一つが必要なので、まずは通販などで買ってみても良いと思います。
味は甘みがあってドライフルーツのようです。
ドライプルーンに似た噛みごたえです。
非常に美味しく、大抵の人なら好き嫌いなく食べられるお味ではないでしょうか。
毎日食べても飽きませんし、パスタやサラダに入れても美味しくいただけます。
そして、何より健康増進効果がありますので、深刻な成人病の予防にぴったりです。
黒ニンニクを毎日食べているだけでも気持ちが違いますし、抗酸化作用で体の中から若々しく元気になれます。
インターネットなら一玉600円前後で購入できますし、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
食べすぎてより働くというわけではないので、1日ひとかけぐらいでちょうどいいのです。
これならばお子さんにも食べさせることができますし、高齢者の方でも安心してお召し上がりいただけます。
柔らかく噛みやすいのでどなたでも召し上がることができます。
毎日の健康に、おやつに、ちょっとしたサラダやデザートに最適で、気軽に食べていただくことができるのでおすすめです。
熟成黒ニンニクのパワーについて見てきました。
注意点として、くれぐれもガンを黒ニンニクだけで治そうとしないでください。
あくまで抗酸化作用と抗がん効果が高いという研究がなされているだけなので、補助的にお願いします。
しかし、かなり研究が進んできており、アホエンやアリシン、S-アリルシステインなど、さまざまな働きを持っている成分に変質するため、非常におすすめです。
ニンニクはそのままでも良いのですが、黒ニンニクになるとさらなるパワーを発揮してくれるのです。
この機会にぜひ一度、黒ニンニクを試してみるべきでしょう。
将来の体づくりに役立ちます。