腐葉土とは、植物を育てる土を改善するための堆肥のような役割を果たします。
植物の葉っぱが蓄積して、虫や微生物の力を借りて長期間かけて分解されて土のような形になったものを言います。
野菜を育てるときに、自然の中で作られる土で栽培するといいのは誰しもが思うところです。枯れ葉などが積もり積もって、理想の土が作られます。
腐葉土は自然界の土なので、野菜を育てるときに使います。
土に腐葉土を混ぜ込むことで、通気性にすぐれ、保湿性の高い土に堆肥として改良してくれます。
もともとは、秋や冬に落ちた枯れ葉が、長い年月をかけて土状になったもののことです。
バクテリアやミミズなどが1年から2年をかけて腐葉土を作ってくれます。
生ごみや枯れ葉を外で発行させれば、自分で腐葉土を作ることができます。
腐葉土は、土を柔らかく、空気を含んでふんわりとさせてくれます。
連作障害などで栄養分が少なくなってしまった土を蘇らせることができます。
不完全な発酵状態にキープしておいて、土に混ぜた時に葉などのカタチが残っていることで、原型をとどめているので腐葉土との間に空間が生まれて、空気や水が通りやすく保湿性と通気性に優れた土に仕上がります。
腐葉土の使い方は再生と防寒
土は、土:腐葉土が2:1の割合になるように混ぜあわせます。腐葉土が全体の30%を超えてしまうと、ちょっと水はけが良すぎて野菜にとってはあまりよい環境とは言えません。ですがこれで、土が再生できます。
防寒は、マルチングで行います。ビニールマルチと同様、土の表面を腐葉土で覆います。厚さは3,4センチにします。土が腐葉土に覆われているので、雪などを防ぎ、雨水などが直接野菜や作物に触れるのを防いでくれたり、雑草が生えるのも予防してくれます。
腐葉土を手作りしてみよう
落ち葉を集めて自分で腐葉土を作ることもできます。
半年から1年ほどかけて、庭の隅に穴を掘り、穴に落ち葉を入れて土をかぶせ、雨が染み込まないようにビニールシートやブルーシートで全体を覆い、飛ばないように重石を起き、数ヶ月放置したあと、穴の落ち葉を掘り返してまぜ、土をかぶせることを繰り返します。これを、落ち葉のカタチが見えなくなるまで続けると完成します。
落ち葉を重ねる際、土と米糠をサンドイッチ状にして挟み込み、中身をかきませて作ると、3ヶ月程度で腐葉土が完成します。
腐葉土と堆肥の違い
腐葉土と堆肥は似ていますが、原料や発酵具合、見た目も違います。腐葉土は植物の葉っぱを原料として不完全に発酵させています。堆肥は動物の糞や樹木の皮や生ごみなどを原料にして、有機物を原料に完全発酵させています。見た目も、腐葉土は葉のカタチが残り、わざとカタチが見えるのに対して、堆肥は土のような形になるまで完全発酵されています。
また、良質な腐葉土はにおいがしません。不完全な発酵とはいえ、発酵の処理がキチンとされている腐葉土は、不快なにおいがしないのです。におう腐葉土は、安すぎるものだったり、海外産だったりなどのものなので、出来る限り良質の腐葉土を使いたいものです。
自分で作る場合、もっとも適しているのはクヌギの仲間です。公園に取りにいってもいいでしょう。栗の木などは身も取れますのでおすすめです。
柿の葉は肉厚なのですが、腐葉土には向いていません。レモンやキンモクセイは常緑樹で落葉が少ないのです。ブルーベリー、バラも落葉が少ないです。モミジは葉が薄いので腐葉土には向いていません。クスノキ科の樹木なども、含まれる成分が野菜によくないので、腐葉土には適していません。
樫の木、椎ノ木、オリーブなどが腐葉土を作る際に植えるといい植物です。
(文/渡邉ハム太郎)