木製の大型ボートのような船に、野菜を山盛りに詰め込んで、宝船にしたもので、商売繁盛を願ってショッピングセンターなどに飾られます。
年末年始の縁起物として、農家などで作られています。
毎年、11月下旬ころから作られて、年末には最盛期を迎えます。
長さ3メートルの宝船なども作られることがあり、商売繁盛の縁起物として最適です。
野菜はおよそ20種類
木製の船に、収穫された大根や白菜、ネギ、人参などのおよそ20種類の野菜を帆の形をイメージして飾り付けます。
2017年の干支である酉の置物や、松の木なども飾り付けて、完成します。
主に、デパートやショッピングセンターなどで飾られます。
小さなものは30センチ程度のものもあり、大小さまざまな宝船が、野菜で飾られて彩りを与えられます。
とても豊穣を感じさせられるものですので、見たらきっと福福しい気持ちになることができますね。
お正月には特にニーズが高く、首都圏の人が集まる場所に飾られることが多いようです。
都会では、こうした生の野菜を大量にみることなどはなかなかありませんので、みることができたらきっと1年の縁起が良いですね。
現地で取れた野菜を使って作る宝船は、大きなものでは数メートルになり、とても迫力があります。
荘厳な野菜の宝船を見て、1年の思いを新たにする人も多いことでしょう。
野菜の宝船は、主に近隣の農家で作られています。現地で作った食べ物を現地で消費する地産地消の考え方があり、近隣の農家に発注されるのです。
とはいえ、都内のデパートなどは近隣に農家がありませんので、茨城県や栃木県などの農家に宝船を発注することが多いようです。
慎重に組まれた宝船ですので、移動にも気を使います。多くの人が大切に取り扱って、都心部で宝船をみることができるのです。
年始の縁起物・おせち料理
おせち料理にも野菜は多く使われます。
代表的なものは、菊花かぶ。
冬が旬となるかぶですが、菊の花の形に飾り切りして、紅く染めます。
紅白のすのものに仕立てて、消化に良い栄養素を含んでいるのが、菊花かぶです。
消化に良いため、ごちそうを食べる際の箸休めにぴったりなのです。
菊の花は見た目にも華やかで、おせち料理のお重を飾ってくれます。
黒豆も、元気に働けますようにという縁起物です。
「まめ」という言葉は、本来、丈夫や健康を意味する言葉で、まめに働くなどの語呂合わせから、おせち料理には欠かせない料理となっています。
まめまめしくなるという語呂合わせがあるところが、面白いですね。
ごぼうも、縁起物として知られています。
細く長く地中にしっかりと根を張るため、縁起の良い食材として使われています。
ごぼうのたたきは、柔らかく煮たごぼうをたたき、身を開いて、開運の縁起をかついだものです。
牛肉の八幡巻や、穴子の八幡巻きなども正月らしい巻物料理として知られています。
八幡とは、ごぼうの産地の名前です。
宮中で正月に配られる花びら餅の芯にも、ごぼうが用いられます。
このようにごぼうはとても大切に正月の縁起物として用いられているのです。
雑煮にも、野菜が使われます。
人参など、年神様にお供えした餅などと一緒に、煮込んで作られます。
関西では丸餅、関東では切り餅(角餅)が一般的ですね。
それと一緒にお出汁でにこんで、白味噌仕立ての関西風、醤油仕立ての関東風にわけられます。
お正月も野菜を食べよう!
いかがでしたでしょうか。
お正月にもさまざまな縁起物がありますが、野菜もその縁起物をもり立てるのに一役買っていますね。
お正月から野菜を食べて、一年の計を立てましょう。
(文/渡邉ハム太郎)