市民農園を借りていざ、野菜を作ろうとするときに、ただやみくもに耕して植えればいいというものではありません。
実は市民農園では、前の人がどのような野菜を育てていたか、しっかりと指導員さんに確認しておくことも重要な事なのです。
前に借りていた人がどんな土づくりをしていたのかによって、対応が異なってきます。
野菜を育てるのに必要な要素は、窒素、リン酸、カリウムとなります。
窒素は葉に、リン酸は実に、カリウムは根っこの生成に必要な要素です。
前の人が、どんな土作りをして、土壌が酸性になっているのかアルカリ性になっているのか、残留肥料がどれぐらいあるのかなどをしっかりとチェックしましょう。
最初は少なめからのスタートがおすすめです
前の人の土の状態がわからない場合でも、最初は少なめからのスタートがおすすめです。
堆肥も肥料も、最初は少ない量からスタートすることをおすすめします。
連作障害を避けるためにも、同じ場所で続けて同じ野菜を育てるのはやめたほうがいいでしょう。
なんらかの要素によって、育ちが悪くなる可能性があります。
そのため、通年で計画を立てて、このシーズンにはこの野菜、といった選択をしていくといいでしょう。
野菜は基本的に、ウリ科、ナス科、アブラナ科がとても多いため、限られた市民農園のスペースでは連作障害を回避するのは不可能に近いです。
それよりは、肥料のやりすぎに注意しましょう。
肥料は、プラスすることはいくらでもできますが、マイナスすることはできません。
やりすぎには注意が必要です。たとえば枝豆に肥料をやりすぎると、立派に育ちますが、茂るものの実は付かないという悲劇が起こります。
肥料は最初は少なめからスタートするのが一番です。
一番最初は、ほうれん草とラディッシュがおすすめ
さて、最初の野菜ですが、食べたいと思うものを植えるのが一番なのですが、何を植えたらいいかわからない場合は、ほうれん草とラディッシュがおすすめです。
ほうれん草は色が濃くなりすぎたり、黄色くなってしまったりなどして、いろいろな情報をこちらに返してくれます。
また、ラディッシュは成長が早く、最初の達成感を得るのに持って来いです。
ミミズのでる土壌は良い土壌です
さて、虫の問題ですが、ミミズは土壌を豊かにしてくれるので、ミミズのでる土壌はいい土壌です。ミミズだけは取り除かないようにしましょう。
ですが、他のイモムシなどは、嫌いなのであれば割り箸で取り除いてペットボトル等に集めてから処分するといいでしょう。
ミミズは土を豊かにしてくれます。ダーウィンにも、「ミミズと土」という本があるぐらいですね。
土壌をフカフカにして、ミミズが住むような排水性、保水性、通気性に優れた土壌にもっていくことが大切となります。
連作障害を避けるためには
連作障害を避けるためには、いくつかの方法があります。
それは、プロの農家さんが同じ畑で連作するのを見習えばよいのです。
なぜプロの農家さんで連作障害がでないか、それは、深く深く耕しているからです。
深く耕して、土を入れ替えれば、連作障害は起こりにくくなるのです。
ですので、最初の土作りは、真剣にやりましょう。
ナス科などは連作を嫌う傾向があります。
畑はしっかり耕して、堆肥等で養分の豊富な柔らかい土壌に改良しなければなりません。
趣味の菜園でも鍬をしっかりとつかって、50センチ~60センチぐらい掘り起こすのが大切です。
前年度の土をそれぐらい深く耕して、入れ替えてしまいましょう。
だいたいそれぐらいの深さで掘り起こせば、連作障害は出にくくなります。
最初の土作りの参考にしてください。
(文/渡邉ハム太郎)