年の瀬から年初にかけては、見慣れないお正月野菜がスーパーの店頭に並ぶことがあります。鮮やかな色合いをしていて、縁起のいい野菜ばかりです。
日本のお正月は、縁起物を好むため、ダジャレで縁起を担ぐなど、独特の風習があります。
お正月に欠かせないおせち料理も、お正月野菜を使って調理されています。
では、そのお正月野菜には、一体どのような種類があって、どうやって選べばいいのでしょうか。
また栄養は豊富なのでしょうか。
調べてみました。
お正月野菜を食べて、一年の計は元旦にありといいますから、縁起の良い年初を迎えましょう。
冬どれの野菜は身がしまっていて美味しい
冬に採れる野菜は、身がしまっていてとても美味しいです。
色が濃くて、冬の寒い時期を乗り越えた野菜たちは、栄養がぎゅっと詰まっています。
冬には冬の野菜を食べて、新年を健康的に迎えましょう。
里芋の一種、八つ頭(やつがしら)
九面芋とも呼ばれる八つ頭は、親芋から小芋の茎が出ています。
それぞれが密着して、ひとつの大きなかたまりになっています。
それぞれがお頭であるため、縁起が良いと言われてお正月料理に使われます。
主成分はでんぷんが主で、タンパク質も少量ですが含まれています。
皮をむくと、里芋などと同様、独特のぬめりがあります。
多糖類のガラクタンがタンパク質と結びついて、ぬめりになります。
煮物やお雑煮に最適で、保存は常温で15度前後と、寒い冬の季節の常温保存にぴったりです。
冷蔵庫では乾燥してしまいます。
乾燥を嫌うので、泥がついているものを選ぶと良いでしょう。
鮮やかな赤、京にんじん
細長くて色の濃い、鮮やかで赤い京にんじんは、関西でのお正月料理には欠かせないものとなっています。
だいだい色はカロテン、赤色はリコピンが含まれています。
どちらも抗酸化力が高いので、生活習慣病などを予防することができます。
こちらは冷蔵庫での保存が可能です。
鮮やかな色合いをしているので、お雑煮や煮物などに最適です。
色艶があって、表面がなめらかなものがいい京にんじんです。
ゆりの球根、ゆりね
ゆりねには、ほんのりと甘味と苦味があります。
そして、舌触りはほくほくしています。
鬼ゆりと小鬼ゆりが使われ、お正月料理には欠かせないものとなっています。
根の方から十字に切り分けて、根を切って汚れをとり、水につけて洗います。
ゆりねは先から切るとバラバラになってしまうので注意が必要です。
なべに出汁やみりん、薄口醤油に砂糖を加えて、ゆりねとぎんなんを加えて、中火で10分煮ます。
お好みで三つ葉を添えて、いただきます。
シソ科のちょろぎ
ちょろぎは、シソ科の多年草です。
巻き貝のような茎の部分を食べることができます。
梅酢漬けにして紅く染めることができますので、黒豆などに添えて食べてください。
ちょろぎは、縁起が良いので、「長老木」「長老喜」「長老貴」「千代呂木」と書かれることもあります。
ちょっと酸っぱ目の味付けにするのがポイントです。
しま模様のある京芋
京芋には、薄い茶色のしま模様があります。
形はさつまいもに似ていますが、煮崩れはしにくいです。
そのため煮物にぴったりです。
八つ頭と同様、京芋も乾燥を嫌うので、常温保存してください。
冬の寒い台所や物置においておくにはぴったりです。
栄養なども主成分はでんぷんで、京芋は八つ頭に似ています。
京芋もぬめりがあるので、皮を向いてよく洗ってから調理するようにしてください。
京芋も、泥がついているものが乾燥を予防できて新鮮なものになります。
お正月には、珍しい野菜を
お正月には珍しい野菜がたくさんあります。
日頃は見ることのできない野菜も、お正月にはみることができるので、珍しい野菜を見つけたら、ぜひ調理にチャレンジしてみてください。
(文/渡邉ハム太郎)