アメリカでは、2010年に食品安全近代化法が上院を通過しました。
これは、家庭菜園を禁じる法律として、510法案として驚きを持って迎え入れられました。
自給自足と、種苗の保存や使用が犯罪として取締対象となるものです。
また、食料の生産者には、農薬の使用が強制されるようになりました。
とても怖い法律ですね。
ですが、これは個人の家庭菜園には適用されません。
アメリカでも、家庭菜園を楽しむ自由は保障されているようです。
もしも、仮にTPPが可決されれば、日本でもこうした日本版510法案が通る可能性はあります。
ですが、トランプ新大統領がTPPを破棄すると宣言していますし、日本では家庭菜園を行うのは自由です。
なので、それほど恐れる必要はないのではないかと思われます。
ですが、アメリカはなぜこのような法案を可決したのでしょうか?
食を守るためでしょうか?アメリカの農業というのは、大規模なものなので、この510法案は、大規模の菜園に適用されるようです。
年商50万ドル以下の中小の菜園は対象外です。
これも、テロから国を守るための法案でしょうか。
911以降、愛国者法が成立したアメリカは、何かと国が個人の自由を制限したがるようです。
そう考えると、アメリカに比べて自由がないといわれる日本は、家庭菜園のジャンルに関してはまだまだ自由なようです。
安心して、野菜を作りましょう。
国内の無人販売は違法?
家庭菜園で野菜がたくさん採れた場合、近所の人に配ったり、交換したりしますよね。
それはとても楽しいことです。
ですが、みんなで食べきれないほど採れたらどうしますか?捨てるのはしのびないし、売るのはいかがでしょうか。
田舎の方では、道路の道端で無人販売で野菜が売られています。
ですが、実は道路で売るのには、警察の許可が必要なのです。
自分の土地で作物を売るのならOKなのですが、道端でどうどうと販売するのは難しく、なかなか許可がおりないようです。
ヤブヘビとなりますので、無断で販売しているケースが多く、警察もみすごしているようです。
数百円のものですし、それほど目くじらを立てることなく、お目こぼしされているのが現状です。
ただし、売り上げが大きかった場合は、所得として確定申告が必要となります。
確定申告して国に税金を収めなくてはなりません。
20万円を越さない場合は、雑所得として確定申告が不要なので、基本的には道路脇や畑のそばの無人販売で雑所得20万円を超えることはないでしょう。
種苗法(しゅびょうほう)などを知ろう
家庭菜園に関する法律としては、種苗法などがあります。
新品種を守るためのもので、個人的に苗から種をとることは認められていますが、他人に販売などをしてはいけません。
ただし、海外ではそれすらも違反になる場合があります。
売ることは特にNGです。種苗はその種苗を作った人の権利なので、侵害してはならないのです。
種苗法に違反した場合は、300万円以下の罰金というペナルティがあります。
ホームセンターなどで品種のタネや苗が売られていても、買ってきて植えてはいけませんので、気をつけましょう。
なんでもしていいわけではない!
日本では、家庭菜園の自由があります。
基本的に、借りた土地や自分の土地で何を植えようと、何を育てて食べようと自由です。
食卓を自由に彩ることができます。
ですが、周辺にまつわる法律を理解することで、より深く家庭菜園を楽しむことができますね。
周りに迷惑をかけないためにも、また、自分と家族を守るためにも、家庭菜園に関係する法律はたまには意識してみてはいかがでしょうか。
(文/渡邉ハム太郎)