ネキリムシなど、やっかいな虫には、土を石灰でまず耕します。
ですが、石灰は消毒効果はあっても防虫効果はありませんので、薬剤の散布が必要です。
消石灰は、殺虫効果はないので注意が必要です。
コガネムシの幼虫や、ネキリムシなど、根や株元を食べてしまう虫には、ダイアジノンがいいでしょう。
ヨトウムシ、アオムシなど、地上の葉っぱを食べてしまう虫には、オルトラン粒剤などが最適です。
使い分けるといいでしょう。
透明ビニールシートで熱消毒するといいのですが、害虫を退治するには時間がかかります。
土の殺菌を行うのが限界です。
消毒・殺菌と、殺虫は別物です。
殺虫剤は、野菜や量、回数を守ればストレス無く使用できて、野菜そのものにも影響はありません。
虫探しにストレスをかけて駆除して、残った野菜だけを収穫して食べるよりも、適度な殺虫剤を使って、ストレス無く収穫して食べるほうが、体のためにはいいのかもしれません。
オルトランは、株元散布でネキリムシにも適用されます。
ネキリムシとはガブラヤガやタマナヤガなどの幼虫のことで、これがやっかいなのです。
ダイアジノン粒剤の土壌混和が効果的
ダイアジノン粒剤の土壌混和が効果的です。
ただし、農薬は、法律によって製品ごとに使える作物が定められています。
よって確認しながら散布することが大切です。
ダイアジノン粒剤は、有効成分濃度の差によって、10、5,3の3つが存在します。
使える作物が多いのは、5になります。
適応野菜や使い方がありますので、ダイアジノン粒剤も、それを守って、理解して正しく使う必要があります。
消石灰の散布を行っても、地中のイモムシたちは死んでくれませんので、適切な殺虫剤の散布が重要です。
ただし、あくまで、適応野菜を守って、使用用法を守った上で、散布してください。
また、厚紙をかけるという方法も有効です。
紙はその後ほったらかしにできるのがメリットです。
庭を掘り返した時などに
庭の一部を掘り返して家庭菜園にしたら、ネキリムシは大喜びで野菜を次から次へと食いちぎっていきます。
雑草が生えた庭を掘り起こす場合は、土中害虫用の殺虫剤であるダイアジノンを混ぜ込んで、殺虫してから栽培を始めるといいでしょう。
オルトランはすこししつこい製剤です。
デナポンは誘い出して食べさせるのですが、効き方がゆっくりなので、いつまでも苦労が続きます。
ダイアジノンはホームセンターの園芸コーナーにおいてあるので、手軽に手に入ります。
8月末の秋野菜への切り替え時期に、よく耕してからダイアジノンを混ぜてあげるといいでしょう。
ベビーリーフなどは初心者に最適ですが、ネキリムシの大好物です。
ほんとうにキリがないほど発生します。
殺虫剤が嫌いなのであれば、2年ぐらいシートをかぶせて寝かしておけばいいのですが、なかなかそうもいきません。
夏野菜の終わりに1回、春先の土づくり前に1回、ダイアジノンを混ぜることで、普通の菜園に仕上げることができます。
農薬は害虫だけ見て決めてはいけません
農薬は、害虫だけをみて決めないようにしてください。
病害に対する効果、作物への薬害、残留や代謝物への影響、周辺環境や他の生物への配慮などが必要です。
オルトランは、植物が吸収して体内で毒に変える働きをもつ浸透移行性なので、どんな植物でもいいとは限りません。
石灰質で土壌を消毒するのであれば、石灰窒素が必要です。
土や水と反応して、シアナミドという青酸ガスによって生物を殺します。
一部菌類やウィルスは死滅せずのこります。
土壌の消毒と殺菌と殺虫は別物ですので、注意が必要です。
しっかりと対策して、おいしい野菜をストレス無く栽培して安全に食べられるようにしましょう。
(文/渡邉ハム太郎)