畑を耕して野菜を育てていく上で、外せないポイントとして、成長点があります。
これは、いわば野菜の中心のポイントであり、ここをカットしてしまったり虫に食われたりしてしまうと、野菜はそれ以上伸びなくなるのです。
この成長点を知ることで、野菜作りに活かすことができるようになるでしょう。
では、成長点とはどんなもので、どうやってつきあっていったらよいか、学んで行きましょう。
成長や鮮度の低下を左右するポイント
成長点は、その名の通り、野菜の成長を左右するポイントです。
その成長点を中心に、細胞が活発に分裂して、新しい組織を作り、野菜を育ててくれるのです。
植物ではこの成長点が活発であり、土から芽を出して以降、葉を広げてどんどん成長していきます。
この成長点を虫に食われたり、誤って切断したりしてしまわないようにしましょう。
成長点こそが、野菜が大きく健康的に育つためのポイントなのです。
茎や葉を伸ばして大きくなり、どんどんと葉を生み出していってくれるポイントとなります。
成長点は、野菜の鮮度にも関わります。
葉物野菜の場合は特になのですが、成長点を持ったまま収穫されます。
そうするとどうなるかといいますと、成長点がエネルギーを使うため、全体で見ると野菜の鮮度はどんどん落ちるスピードが早くなるのです。
成長点が蓄えているエネルギーを使い込んでしまうためです。
ですので、葉物野菜は、鮮度が落ちるスピードが早いのです。
キャベツやレタスなどが、芯をくり抜くと長持ちすると言われているのも、成長点をカットしてしまうことで、余計なエネルギー消費を行わないことが可能となります。
できれば成長点を持った芯の部分は、エネルギーとして食べておきたいものですね。
一方の根野菜が、成長点を持ちながらも鮮度が長い理由
葉物野菜が鮮度が落ちやすい理由は、成長点がエネルギーを吸ってしまうからだと書きました。
では、根野菜はどうなのでしょうか。
根野菜も、成長点を持っています。
その証拠に、ヘタの部分を切り取って水につけておくと、葉っぱが出てきて芽吹いたりしますよね。
にんじんやらダイコンやらを頭だけカットして水につけておくと目が出てくるのは、そこに成長点があるからなのです。
ですが、根野菜自身の保存力は高く、長期の保存が可能です。
これは、成長点が使うエネルギーよりも、根っこ自身が持っているエネルギーのほうが遥かに大きいことを意味しています。
根野菜は太い根っこの部分に莫大なエネルギーが蓄えられているため、成長点を持ちながらも、鮮度がなかなか落ちないのです。
果実系の野菜には成長点はありません
トマト、ナス、ピーマンなどの果実系の野菜には、成長点はありません。
これは本来ならば本体と切り離される果実の部分だからです。
ですので、トマトやナスにはタネがあり、そこから新しい命が生まれるようになっているのです。
ですので、果実系の野菜には、成長点はありません。
放っておいても、目が出ないのは、このためです。
そもそもの役割が異なるのです。
成長点がないのであれば、長期保存できるかというと、そうではありません。
完熟しようと向かうエネルギーも大きなものですので、それが鮮度を落とします。
成長点がないからといって、油断はならないのです。
野菜を知ってより美味しく育てよう
いかがでしたでしょうか?
野菜の成長点を知って、より美味しく、健康的に、野菜を育ててください。
自分が育てている野菜の成長点はどこにあるのかはっきりと認識して、そこをカットしてしまわないようにしましょう。
特に、葉物野菜の場合は注意が必要なのです。
(文/渡邉ハム太郎)