家庭菜園コラム

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家庭菜園と働き方改革の関係。残業がなくなって野菜作り愛好家が増える?

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「働き方改革」が注目を浴びています。

もともとは、某大手広告代理店において長時間労働とパワハラ・セクハラが蔓延しており、それらで追い詰められた女性社員が、亡くなってしまった、ということに端を発しました。

これまでも過労死の問題は、日本においては大きな課題だったのですが、女性が若く高学歴だった点、あまりに悲惨な労働環境などが大きな問題となり、社会にインパクトを与えたのです。

これには政権も動き、働き方改革を宣言しました。

働き方改革は、日本中の職場に影響を与え、多くの職場でリモートワークが導入され、また残業もなくなったケースが多くなりました。

折しも今の日本は人手不足。

団塊の世代が大量退職して、働くひとの数が足りなくなっています。

よって、社会ではよりホワイトな職場が求められ、日本の労働環境が大きく変わる可能性があり、期待が持たれます。

これらはもともと、日本が長時間労働かつ有給が取れない労働環境であったことに、多くの人が不満を持っていたことが関係しています。

若い女性の過労死はきっかけに過ぎず、潜在的に不満が爆発する下地はあったのではないでしょうか。

長時間労働、有給消化率の低さ、そしてパワハラ・セクハラといった逃げられない環境であるからこその被害、などが日本の課題として残っていました。

しかし、Metooのムーブメントなど、じょじょにハラスメントに対抗しよう、ホワイトな職場を求めようというムードができつつあります。

農業の分野にも働き方改革が?

この働き方改革は農業の分野にも及び、農家で働く人たちも長時間労働がなくなりつつあります。

有給休暇もきちんと取れるような機運が高まりつつあるため、労働環境が改善しているのです。

もちろん、中には野菜づくりの現場で有給もとれず、長時間労働で、おまけに給料も非常に低い、という環境で働いている人もいるかもしれません。

しかしそんな人は他の職場に移って良いのです。

いまは、転職の面談の際に「長時間労働で残業手当も出ないのでやめました」と説明して嫌がられるような新しい職場は止めたほうがいいのです。

自分が不当な目にあっていたため退職したことをきちんと告げ、そんな転職理由を嫌がる職場はもれなくブラックです。

ホワイトな職場を求めましょう。

農業の分野でも働き方改革は浸透しています。

労働契約書は必要ですし、賃金や労働時間について明確に定める必要があります。

ただし労働基準法では、農業は対象外なのです!これは農業が自然に左右されるものであるからして、雨の日には作業ができないなどの事情があるからです。

しかし残業手当の割増賃金や有給休暇などについては、労働基準法が適用されます。

労働時間を台帳で管理し、名簿も付ける必要があるので、注意が必要です。

きちんとした人材を雇うためにも

これは農家を運営している方にいえることですが、やはりちゃんとした人材を雇いたいですよね。

時間を守ってくれて、まじめでコツコツとした働きぶり、そして天候などに柔軟に対応してくれるような、きちんとした人材を雇いたいはずです。

農業はいつ何時何があるかわかりません。

柔軟な対応が求められます。

そうした良質な人材は、低賃金や労働環境が悪いところには来てくれません。

働きやすい環境を整えることが、良質な人材を招くことになり、さらには品質の高い野菜づくりと、高い価格と、大きな売上につながるのではないでしょうか。

もちろん、美味しい野菜ができるための条件はさまざまなので、人件費に投資しただけでは良いものができるとは限りません。

しかしブラックな労働環境で低賃金な状態でしんどい思いをしながら野菜を作るより、高品質な野菜を作って高収益体制になったほうが良いのではないでしょうか。

働き方改革は農業の分野も例外ではありません。

ぜひ労働環境を見直して、良い職場を作るよう、一度考えてみてください。

農業でもスタッフが10人以上いる場合は、就業規則が必要!

農業も、従事する人にとっては職場です。

そしてスタッフが10人以上いる場合は、就業規則を作る必要があります。

これは労働基準法第89条で定められていますので、職場のルールを明記してもらいましょう。

そして、わかりやすいところに製本しておいておく必要があります。

トラブルを未然に防ぐという意味では、従業員が少なくとも就業規則は作っておいがほうがよいかもしれません。

働き方改革で野菜づくりの愛好家が増える?

しかし働き方改革は良いのですが、日本にはまだまだ課題があります。

それが、どうしても残業抑制という方向性にだけ進んでいるということです。

本来は、労働市場の流動性を確保して、退職しやすく、転職が容易になるようにすべきなのかもしれませんが、実際は残業を減らすだけ、労働時間を少なくするという方向性に向かってしまっています。

それはそれで、従来はなかったことなので良いことではあるのですが、いまいち片手落ち、という人も多いかもしれません。

そんななか、これまで仕事ばかりしていた人が、残業がなくなって何をするか悩むことだろうと思います。

競争社会のなかで疲れたら、野菜づくりはいかがでしょうか。

土いじりはほんとうに癒されますし、都会のベランダでもできますし、何より手作りで安心して美味しい野菜を食べることができます。

ご家族がいる方にも、一人暮らしの方にも、おすすめの趣味です。

家族がいる場合は、みんなで家庭菜園を楽しむのも良いのではないでしょうか。

初心者には、トマトやきゅうりがおすすめです。

当サイトではさまざまな野菜の育て方について解説していますので、ぜひいろいろチェックしてみて下さい。

残業抑制の流れは当分続くものとみられます。

アベノミクスで経済が好調というのもありますが、なにより団塊世代の大量退職で労働市場に人が足りていません。

空前の売り手市場なので、仕事を選ぶことができます。

ぜひ野菜を作りましょう!野菜づくりは転職のスキルアップにはならないかもしれませんが、人生の価値を向上させてくれます。

自然に触れることで、都会にいながらにして生きる楽しみを取り戻すことができます。

もちろん、最初は初期費用がかかりますし、地道な肥料やりや虫取りも必要です。

手間がかかってこその家庭菜園なので、じっくり手を動かしたいと思う人以外には向いていないかもしれません。

しかし、家庭菜園は、新鮮で安心な野菜が食べられる非常に良い趣味です。

特に都会では野菜に対する意識が非常に高い人たちもおり、高尚な趣味だと思われています。

土地の値段が高く、同時に野菜も高く、新鮮ではないことから、より美味しい野菜、安全な野菜を食べたいというニーズが高まっているのです。

農業の世界にも働き方改革は進もうとしています。

野菜づくりはプロが行っても趣味で行っても、すばらしい体験をすることができます。

残業が抑制されてみた暁には、ぜひ野菜づくりをしてみてはいかがでしょうか。

自然とのふれあいを通じて、自分も自然の一部であり、季節や天候に左右されながら生きる一つの生命であることが実感できます。

なにかメンタルがしんどいときでも、きっと力になってくれるはずです。

仕事が早く終わって暇になったら、夕方からでもできる家庭菜園にぜひ精を出してみましょう。

(文/渡邉ハム太郎)

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