農家では2月ごろからキャベツやブロッコリー、トウモロコシやレタスなどの苗づくりをはじめます。
ただし、この時期に苗を作るにはビニールハウスや園芸マット(保温マット)などの加温資材が必要なので、家庭菜園では苗を購入した方がよいでしょう。
家庭菜園では、1月、2月に畑に新たに種をまける野菜や、植えられる野菜はほとんどなく、収穫できる野菜も少なくなります。
そこで、この作業の少ない時期を利用して、1年間の作付計画の作成や、畑の片づけ、土づくりなどを行います。
また、秋に種をまいたエンドウやソラマメなどに追肥や防寒対策を行う時期でもあります。
[1月、2月の主な作業]
- 作付計画を作成
- 畑の片づけ
- 道具の手入れ
- 土づくり
- 栽培中の野菜の防寒対策
- 生育中の野菜に追肥
- 雑草取り
- 春にまく種を注文
1月、2月に種をまける野菜
- ホウレンソウ
- 小松菜
- 小カブ
これらの野菜は寒さに強く、冬でも種まきできますが、黒マルチやビニールトンネルなどの防寒対策が必要です。
[関連記事]
冬に種まきできる野菜
1月、2月に植えられる野菜
- ジャガイモ(2月中旬~)
ジャガイモは、種芋を植えてから出芽(地上に芽を出す)するまでに一月以上かかり、2月中下旬に種芋を植えると、気温の上がり出す3月中下旬ごろに出芽します。
ただし、ジャガイモは霜に弱く、霜にあたると茎や葉が枯れるので、遅霜の心配がなくなるまでは寒冷紗やビニールでトンネルします。
[関連記事]
ジャガイモの育て方とコツ|「収量に優れる春作」に「黒マルチ」で多収を狙う
作付計画の作成
作業のあまりないこの時期に、1年間の栽培計画を立てましょう。
菜園をむだなく生かし、質のよい野菜をつくるには、事前に作付計画を立てることが大切です。
園芸店などで配布されるカタログを入手して、つくってみたい野菜の性質や栽培条件を調べることから始めましょう。
つくる野菜を決めたら、その野菜の種まきや植えつけ時期、収穫の時期を調べ、どこに何を植えるか、計画を立てていきます。
このとき、菜園をイメージをしながら計画を立てることが大切です。
菜園を有効に利用できるように計画を立てましょう。
[関連記事]
野菜の栽培計画を立てよう(家庭菜園プラン)
畑の片づけ
不用になったマルチなどのビニールや、使用できなくなった資材などは持ち帰り、残渣(ざんさ)なども残さないようきれいにしましょう。
3月になると、畑の準備や種まきなどで忙しくなるので、作業のあまりないこの時期に片づけておきましょう。
道具の手入れ
家庭菜園を安全に楽しむために欠かせない道具の手入れ。
畑の作業が少ないこの時期に、労力の軽減のために道具を新しく買いととのえたり、酷使して傷んだ道具の手入れをしておきましょう。
また、支柱やネット、寒冷紗、不織布などは、大切に使えば何度でも使えます。次に使うために備えておきましょう。
土づくり
空いた畝は耕して、野菜作りの準備をしておきましょう。
丈夫な野菜を育てるためには、土づくりが大切です。
空いた畝に、有機物をたっぷりと入れ、スコップやクワで表面と裏の土をひっくり返します。
土を入れ替えることで、地表下に潜入していた病原菌や害虫が寒風にさらされて死滅し、連作障害の回避や病害虫の防除に効果があります。
また、土塊をそのままにしておくことで、凍結と乾燥を繰り返し、土塊が崩れてさらさらになり、通気性のよい土になります。
[関連記事]
寒起こしと天地返し|病原菌や害虫を死滅させる
防寒対策
ホウレンソウや小松菜などは寒さに強いですが、寒さが厳しいと葉が傷んでしまいます。
ビニールでトンネルしたり、不織布のべた掛けをしたりして寒さを防ぎます。
また、エンドウやソラマメなど、秋に種をまいて越冬させるものも、ヨシズなどを立てて北風を防いだり、株元に敷きわらを敷くなどして冬越しさせます。
雑草取り
冬でも雑草は生えてきますし、越冬する雑草もあります。
この時期に少しでも雑草を抜いておけば、春になってからの雑草取りが軽減されます。
また、雑草が生えにくい時期ではありますが、黒マルチで育てている野菜の株元や、ビニールトンネルの中は盛大に草が生えます。
春になって雑草が大きくなる前に、早めに取ることが重要です。
追肥
冬は寒くて畑から足が遠のく季節ですが、タマネギやエンドウなど、越冬させる野菜に追肥する大切な時期でもあります。
冬の間は、地上では育っていないように見えても、地下では根が育っていますので、かならず適期に追肥を行いましょう。
種の注文
春にまく種を早めに注文しておきます。
とくに通信販売では種が届くのに1~2週間かかることもあるので、早めに種を入手しておきましょう。
[関連記事]
通信販売による野菜の種・苗の購入で注意したいこと