漬け物でよく知られる高菜は、アブラナ科の野菜で、カラシナの仲間です。
原産地には諸説ありますが、中国が有力で、日本には、平安時代以前に入ってきたといわれています。
カラシナよりもやや温暖な気候を好み、西日本や東北で多く栽培されますが、各地に在来品種が存在し、広く栽培されています。
高菜は主にピリッとした辛みと風味を楽しむ漬け菜で、漬け物だけでなく、チャーハンや油炒め、パスタなど、いろいろな料理に利用できます。
葉が緑色の青高菜と、アントシアニンが含まれて赤紫色になる紫高菜があり、カツオ菜、三池高菜、柳川高菜、大葉高菜などの品種があります。
葉にちぢみのある縮緬(ちりめん)高菜や、結球する結球高菜、葉柄の根元に5cmほどのこぶができるコブ高菜などもあります。
目次
高菜の育て方
高菜はアブラナ科の野菜で害虫のつきやすい作物ですが、防虫ネットでトンネルしてイモムシ類を防除すれば、誰にでも簡単につくれます。
また、春菊やホウレンソウなどの葉物野菜と同じ栽培方法ですので、畝で一緒に栽培すれば管理が楽に行えます。
概要
生育温度 | 15~20℃。 | ||||
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連作障害 | あり。1年以上あける。 | ||||
育てやすい品種 | 三池大葉ちりめん高菜、赤大葉高菜、こぶ高菜など。 | ||||
元肥 | 苦土石灰と元肥を入れる。 | ||||
種まき時期 | 9月。 | ||||
苗の植え付け方法 |
畝幅:90cm。 マルチ:しなくてもできるが、した方が管理が楽に行える。 株間:条間30cm、間隔30~35cm。 |
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栽培中の管理 |
害虫対策:苗を植えたらすぐに防虫ネットや寒冷紗でトンネルする。 追肥:苗を植えて3週間くらいしたら。 寒さ対策:寒冷紗でトンネルして防寒する。 |
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収穫 | 背丈が20cmほどになったころから。 |
ポイント
- 連作をしない。
- 害虫がつかないように防虫ネットでトンネルする。
- 畑に直まきしてもよいが、苗をつくって植えた方が管理が楽に行える。
- 酸性に強く傾いた土壌ではかならず石灰を施し、土壌酸度を調整する。
- 外葉からかきとって収穫すると長く収穫できる。
- 寒冷紗でトンネルして防寒すると、3月頃まで収穫できる。
おすすめ品種
三池大葉ちりめん高菜、赤大葉高菜、こぶ高菜など。
栽培時期
※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
苗作り
畑に直まきして育てることもできますが、トレーや発泡スチロールなどで苗をつくってから植えた方が管理が簡単です。
9月、トレーや発泡スチロールなどに種をまきます。トレーに用土を8分目~9分目まで入れ、約2cm間隔ですじまきし、土を薄く被せて手のひらで軽く鎮圧して、水をたっぷりやります。
発芽までは乾燥に注意し、発芽後は毎朝水やりをします。苗の時期であっても害虫がつきますので、寒冷紗や防虫ネットを覆うなどして対策します。
本葉が4~5枚になったら畑に植えます。
畑の準備
高菜は連作障害の出る野菜です。高菜を含むアブラナ科の野菜を1年以上は栽培していない場所を選びます。
また、酸性の土壌をやや嫌うので、酸性に強く傾いた土壌ではかならず石灰を施し、土壌酸度を調整します。
種まきの2週間前に苦土石灰をまいて耕し、1週間前になったら堆肥と化成肥料を施してよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。
黒マルチは、雑草の抑制や、地温を上げる効果に期待できます。
苗を植える
苗の本葉が4~5枚になったころに畑に植え付けます。条間30cm、間隔30~35cmとします。
害虫対策
苗を植えたら、すぐに防虫ネットや寒冷紗でトンネルして害虫を防ぎます。防虫ネットの裾に土を被せて隙間をなくします。
追肥
苗を植えて3週間したら、株間に化成肥料を施します。
収穫
背丈が20cmほどになったら収穫期に入ります。
株が大きくなったものから、株元を包丁などで切り取って収穫します。
葉をかきとって収穫してもOK
年を越して大きくなった株は、少しずつ葉を外側からかきとって収穫します。
春にトウ立ちしたら、菜花としておいしく食べられます。
寒さ対策
12月頃から収穫できますが、寒冷紗でトンネルして防寒すると、3月頃まで収穫できます。