小松菜の育て方

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小松菜

小松菜は中国原産の漬け菜の一種で、江戸時代に東京の小松川付近で栽培されていたことから、この名前になりました。

関東の雑煮に欠かせない野菜で、現在も東京都を中心に、おもに関東で栽培されています。

耐寒性が強く、冬でもよく生育を続けるので、「雪菜」や「冬菜」とも呼ばれ、関西では「畑菜」とも呼ばれます。

また、関東地方では早春のうぐいすが鳴き出すころにとれる小ぶりのやわらかい葉を「うぐいす菜」、冬や春以外には「はぐれ菜」と呼ばれ、独自の名前で親しまれています。

ハウス栽培も盛んで、一年中栽培されていますが、本来の旬は冬から春にかけてで、霜にあたるとアクが抜けて甘みを増し、葉は肉厚でやわらかくなります。

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小松菜の育て方

小松菜は、寒さには強く、冬でも生育を続け、霜にあたって一層甘みが増しておいしくなり、青菜の不足しがちな冬に重宝します。

厳寒期に寒冷紗でトンネルすれば周年栽培できますが、もっとも作りやすいのは秋まきで、11月になると病害虫がぐっと減り、栽培しやすくなります。

種まきからわずか60日前後で収穫でき、短期間で収穫できるため、まさに家庭菜園向きの野菜といえます。

概要

生育温度 15~20℃。
土壌酸度 5.2~6.0。
連作障害 あり。1年以上あける。
育てやすい品種 夏楽天、浜美2号、菜々美、いなむらなど。
元肥 苦土石灰と元肥を入れる。
種まき時期 ほぼ周年栽培が可能だが、作りやすいのは秋まき。
種まき方法 畝幅:90cm。
マルチ:しなくてもいいが、した方が管理が楽に行え、防寒対策にもなる。
種まき方法:条(すじ)まき。
条間:20cm。
栽培中の管理 害虫対策:防虫ネットでトンネルした方が安心。
間引き:隣の株とぶつからないように間引く。
追肥:生育が遅れているようなら液肥を与える。
収穫 間引きを繰り返して収穫し、株の間隔が8cmくらいになったら収穫。
病害虫 害虫:ヨトウムシ、アオムシ、コナガ、アブラムシ、キスジノミハムシ、ハモグリバエ(エカキムシ)など。
病気:根こぶ病、白さび病、べと病、萎黄病など。

ポイント

  • 秋まきが育てやすい。
  • 種まき後すぐに防虫ネットでトンネルし、害虫の侵入を防ぐ。
  • 間引きをかねて収穫する。
  • 厳寒期はビニールや寒冷紗でトンネルする。

ポイントを動画で解説

栽培中の小松菜で育て方のポイントを解説してます。

栽培時期

小松菜の栽培時期

※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。

厳冬期に寒冷紗でトンネルすれば一年じゅう栽培できますが、もっとも作りやすいのは秋まきです。

品種

夏楽天、浜美2号、菜々美、いなむらなどが家庭菜園に適した品種です。

畑の準備

小松菜は連作を嫌うので、1年以上は栽培していない場所を選びます。

また、酸性の土壌を嫌うので、酸性に強く傾いた土壌ではかならず石灰を施し、土壌酸度を調整します。

種まきの2週間前に、畝に苦土石灰を施してよく耕し、種まきの1週間前に、畝に元肥を入れてよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。

黒マルチをしなくても育ちますが、雑草の抑制や、保湿や地温を上げる効果に期待できます。

種まき

小松菜の種

マルチを20cm間隔ですじ状にカットし、切り込みに支柱などを押し当てて浅い溝を作ります。

溝に1cm間隔くらいで種をまき、薄く(1cm以下)土を被せて軽く鎮圧し、水をたっぷりやります。

小松菜の条まき

害虫対策

防虫ネットでトンネル

小松菜は秋まきが育てやすく、11月になると害虫の被害もほとんどなくなりますが、防虫ネットでトンネルした方が安心です。

種まき直後からトンネルし、裾はしっかり土を被せて埋めて隙間をなくし、害虫が侵入しないようにするのがポイントです。

また、1mmの網目でもほとんどのイモムシ類を防げますが、キスジノミハムシやハモグリバエ(エカキムシ)などは網目をくぐり抜けてしまうので、できれば0.8mm以下の防虫ネットを使いましょう。

間引き

発芽して混み合ってきたころ、隣の株とぶつからないように間引きを行います。

間引き菜は、サラダやみそ汁で美味しく食べることができます。

発芽不良や食害によって空いてしまったところは、混み合ったところから植え替えることもできます。

植え替えた小松菜

追肥

小松菜は基本的に追肥しませんが、元気がなくて生育が遅れているように感じたら、液肥を与えます。

肥料が効きすぎると食味が悪くなるので、与えすぎないように注意しましょう。

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株間8cmくらいから収穫

収穫適期の小松菜

間引きを繰り返して収穫し、株の間隔が8cmくらいになったら、間引きをやめて収穫していきます。

一度に収穫しても消費しきれないので、必要な分だけ順次収穫していきましょう。

収穫した小松菜

病害虫

栽培期間が短いので病気はあまり心配ありませんが、根こぶ病、白さび病、べと病、萎黄病などの病気が発生することがあります。

連作や、長雨が続いたり、肥料をやりすぎると病気が発生しやすくなるので、連作を避け、高畝にして水はけをよくし、肥料のやりすぎに注意しましょう。

害虫は多く、ヨトウムシ、アオムシ、コナガなどのイモムシ類、アブラムシ、キスジノミハムシ、ハモグリバエ(エカキムシ)などが発生します。

種まき直後から防虫ネットでトンネルし、裾をしっかり埋めて害虫が侵入しないようします。

また、盛夏どりは病害虫が発生しやすいので避けましょう。

葉に白い斑点ができた

糸状菌による白さび病です。

はじめは葉の裏に白い斑点ができ、症状が進むと、黄色くなってきます。

白さび病は雨が多くなると発生しやすくなります。

間引きをして適正な株間にしましょう。

被害が発生した株は、病気が広がらないようにただちに抜き取って畑の外で処分しましょう。

発芽をそろえるには

小松菜は発芽温度が5~35℃と幅広く、発芽のよい作物ですが、夏まきで乾いた土にまくと、発芽が悪くなります。

本葉が出るまで不織布を被せたり、寒冷紗でトンネルして土を乾燥させないようにすると、発芽がそろいます。

種まき時期をずらして、長く収穫する

2週間ごとに少しずつ種まきをずらせば、長い間収穫を楽しめます。

間引き収穫で、長く収穫する

1cmほどの間隔に密に種をまいて、生育するにつれて、大きくなったものから間引き収穫すれば、長く収穫できます。

小さい株は、捨てずに水洗いしてそのままみそ汁の具などに利用できます。

寒さ対策

寒冷紗でトンネル

小松菜は寒さに強く、霜にあたると甘みが増しておいしくなりますが、厳しい寒さでは葉が寒害を受けて傷みます。

春まで収穫したい場合は、霜が降りるころから寒冷紗でトンネルすると良質のものがとれます。

種とり

小松菜を収穫せずに畑にそのままおいておくと、春にトウ立ちして花が咲きます。

花が終わってさやに実ができるまでおいておき、6月に枯れたら刈って乾燥させ、種をとります。

アブラナ科の近親種はすべて交配するので、交雑しないように注意しましょう。

小松菜の保存方法

小松菜がたくさん収穫できた場合、そのままにしておくとすぐにしなびてしまいます。

洗って水切りし、紙で包んでポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。

ただし、おいしく食べるには2~3日で食べましょう。

小松菜の花

小松菜の花

春になって暖かくなると、トウ立ちしてしばらくするときれいな花が咲きます。

花が咲く前に、やわらかいところで手で折り取り、菜花として利用できます。

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