6月上中旬~7月中下旬の梅雨時期は、気温が高く、しかも雨や曇りの日が多くなります。
水はけのよい畑であっても、なにも対策しなければ病気や生育障害が発生しやすくなり、蔓延することもあります。
梅雨明けからは、連日暑い日が続き、雨の少ない日が続くので、家庭菜園としては厳しい条件となります。
梅雨をうまく乗り切るために、しっかり対策をしましょう。
目次
マルチ栽培をしよう
すでに畝に野菜が植えてあれば藁やもみ殻を敷いて対処しますが、梅雨時期の前に畝を立てる場合は、黒マルチを張りましょう。
黒マルチを張ることで、畝に直接雨があたらなくなり、雑草の抑制にもなって効果があります。
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マルチの張り方
土寄せをしよう
土寄せをすることで株元が高くなるので、湿害を受けにくくなります。
マルチをしていない畝では、梅雨の前に土寄せをしておくとよいでしょう。
藁を敷こう
土は雨に打たれ続けると、固く締まっていきます。
土が固くなると、根に空気が通りにくく、根腐れなどを起こします。
また、雨による泥跳ねにより病原菌が作物に付着し、病気も発生しやすくなります。
これを防ぐには、雨が土に直接あたらないように、藁やもみ殻を敷きましょう。
藁やもみ殻が手に入らない場合は、刈り取った草や、「わらイラズ」という資材でも代用になります。
排水溝を作ろう
梅雨の長雨によって畑は吸水力を失い、畝間に水がたまります。
畑の中の低い場所にはいつまでも水がたまります。
水はけが悪いと、野菜の根の働きが悪くなり、根腐れを起こしやすくなります。
雨が降ったあとに畑に行って、水がたまっている場所があったら、そこから畑の外に水が流れるように、溝を切っておきましょう。
パオパオ(不織布でべた掛け)しよう
種をまいたあと、不織布をべた掛けすると、強い雨で種が流れてしまうのを防げます。
害虫を防ぐ効果もあります。
風通しをよくしよう
梅雨の時期は病気が発生しやすくなります。
下葉や枯れた葉はとり除き、込み合っているところは間引いたり、早めに収穫したりして風通しをよくしましょう。
予防のための殺菌剤を散布するのも効果的です。
なるべく畑に入らないようにしよう
雨が多く降ると、心配になって畑に入りたくなりますが、雨が降った直後は、まだ土の中に多くの水が残っています。
水分を多く含んだ畑に入ると、土を踏み固めてしまいますし、作業もしにくいものです。。
晴れて土がある程度乾くまでは、できるだけ畑に入らないようにしましょう。
花は咲くのに結実しない
トマトやナスなどの自家受粉する野菜は、梅雨時期のような曇り空が続いて日照不足であったり、気温が低かったり、または高かすぎたりすると、短花柱花(雄しべよりも雌しべの方が短い)になり、受粉しにくくなって花が落下します。
梅雨時期でもしっかり着果させるには、トマトトーンなどを使用してホルモン処理を行いましょう。
トマトトーンは、トマト、ミニトマト、ナス、メロン、ズッキーニなどに使用できます。
ジャガイモが収穫できない
ジャガイモは、収穫時期がちょうど雨の多い梅雨時期と重なり、土が濡れているときに収穫すると、腐りやすく、保存性が悪くなります。
できれば晴天が続いて土が乾いているときに収穫して保存したいものですが、それができないときは、梅雨の合間の晴れた日に収穫して、雨のあたらない日陰で風通しのよいところでよく乾かしてから保存しましょう。
雨の日に作業をしても大丈夫?
雨で濡れているときにトマトの芽かきなどの作業を行って傷がつくと、そこから病原菌が入って病気が伝染します。
病気に強い野菜でも雨の日は病気になる可能性があるので、雨の日の作業は避けましょう。
雑草がぐんぐん伸びる
梅雨の時期は雑草がぐんぐん伸び、あっという間に雑草だらけになってしまいます。
また、梅雨の時期は雨が多くてなかなか畑に入れず、雑草を夏まで放っておくと、大きくなってしまって抜くのも大変です。
梅雨に入る前に三角ホーなどで草をかきとってしっかり除草しておき、梅雨中に生えてきた草は小さいうちにこまめに抜き取りましょう。
雑草は大きくなると除草しにくいので、小さいうちに除草することがポイントです。
ナメクジが多い
梅雨時期はナメクジによる被害が多くなります。
ナメクジが隠れられるものを置かないようにします。
とくに、野菜の残骸を積んでいたり、剥がしたマルチを丸めて置いていたりすると、ナメクジが住処にします。
早めに片づけて隠れ家を作らないようにしましょう。