サツマイモの葉茎によく似た中国野菜で、茎の中が空洞になっていることから空芯菜(クウシンサイ)という名前がつきました。
別名として、ヨウサイ、カンコン、エンサイ、朝顔の仲間なのでアサガオナ、沖縄ではウンチューバーとも呼ばれます。
地面に這うように伸びる若い葉や茎を食用にし、葉にはぬめりがあり、茎はシャキシャキした歯ごたえがあります。
味はクセがなく、炒めものやおひたしなど、さまざまな調理法が楽しめます。
高温多湿の熱帯アジア、中国が原産で、高温と湿気を好み、盛夏に旺盛に生育し、秋になって気温が低くなると生育が鈍ります。
暑さに強く、病害虫も少なく、葉ものの少ない夏場でも手軽に作れ、次々とわき芽が出るため、長い間収穫が楽しめます。
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空芯菜(エンサイ)の育て方(畑)
目次
栽培カレンダー
空芯菜の栽培カレンダーです。
高温多湿を好み、気温が低いと生育が鈍いため、種まきはじゅうぶん暖かくなる5月以降に行います。
栽培メモ
- 科名
- ヒルガオ科・サツマイモ属
- 別名
- カンコン、エンサイ、アサガオナ、ウンチューバー
- 難易度
- やさしい
- 置き場所
- 日当たりのよい場所
- 背丈
- 40cmくらい
- 種?苗?
- 種で育てる
- 生育適温
- 20~30度
- 追肥
- 間引きのあと
- 病害虫
- 病気:褐斑病、白さび病など
害虫:アブラムシ、ハダニ、イモキバガ、エビガラスズメ、ヨトウムシなど
栽培のコツ!
- 寒さに弱いので早まきしない
- 水を切らさない
- 摘芯してわき芽を伸ばす
- 順次若い茎葉を摘みとる
空芯菜の種が売られていない?
「空芯菜」「クウシンサイ」という名称は商標登録されていることから、この名称で種を探すと見つかりません。
空芯菜の種を探すときは、エンツァイやエンサイで探すと見つかります。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、防虫ネットセットなど。
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必要な道具を準備しましょう
種まき
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
2列、条間15cm、深さ1cmの浅い溝をつくり、5cm間隔で1~2粒ずつ種をまきます。
発芽するまで乾かさないように注意します。
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プランターでの種まき
害虫対策
空芯菜は害虫の種類が少ない野菜ですが、アブラムシ、ハダニ、イモキバガ、エビガラスズメ、ヨトウムシなどの害虫が発生することがあります。
生育初期に葉を食害されると生育が著しく悪くなるので、防虫ネットを被せて育てると安心です。
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防虫ネットを被せて虫よけ
間引き・土寄せ
発芽後は、本葉が4~5枚になったら、元気のよい方の株を残して間引きます。
株のぐらつきと根の乾燥を防ぐために左右から土を寄せ、根が土から出ないようにします。
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たくさん発芽させて間引きをしよう
追肥
間引きのあと、株間とプランターの縁に少量の肥料を施します。
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追肥のコツを知っていますか?
1回目の収穫(摘芯)
草丈が30cm程度になったら、根元の葉を2~3枚残し、収穫を兼ねて葉のすぐ上で主枝を切り取ります。
こうするとわき芽が伸びて収穫量が増えます。
以降の収穫
摘芯してわき芽が伸びてきたら、芽先を摘みとり収穫します。
あまり伸びすぎると、葉茎がかたくなってしまうので早めに収穫します。
秋になるとヨルガオに似た白い花がを咲かせます。
花が咲くと生育は衰え、茎葉はかたくなりますが、観賞用としては楽しめます。
注意する病害虫
空芯菜は収穫までの期間が短いので病害虫はほとんどありませんが、アブラムシ、ハダニ、イモキバガ、エビガラスズメ、ヨトウムシがつくことがあります。
防虫ネットを被せて育てれば心配はありませんが、よく観察して、見つけしだい駆除します。
病気では、褐斑病(かっぱんびょう)、白さび病などが発生することがあります。
株間をしっかりとり、風通しをよく育てると、病気の予防になります。
さし芽にして育てる
空芯菜は節(葉柄の付け根)から根が出やすいので、食用に購入した空芯菜をさし芽にして増やすことができます。
1.茎の下の方をカッターで斜めに切る
2.先端の方の葉を3枚程度残して余分な下葉を葉柄の元から切り取る
3.大きい葉をハサミで切って1/2~1/3にする
4.土に3~4節埋まるように寝かせて埋める
5.たっぷりと水をやる
6.新しい葉が出てくるまでプランターを日陰に置き、水切れしないようにする
7.新しい葉が出てきたら日当たりのよい場所に置く