トマトは実の大きさで大玉、中玉、ミニに分けられます。
実が大きいほど栽培に時間と手間がかかり、栽培難易度が高くなります。
プランター栽培では、栽培しやすく、花が多く実がたわわにつくミニトマトがおすすめです。
ミニトマトは強い光を好むので、日あたりがよく、風通しのよい場所にプランターを置いて育てます。
寒さに弱いので、暖かくなってから苗をプランターに植えます。
主枝が長く伸びるので、風で倒れないように支柱を立てて誘引し、次々とわき芽が伸びてくるので、わき芽かきをして、風通しをよくして病気を予防します。
古い下葉は処理して風通しをよくし、追肥も忘れずに行えば、長期間たくさん収穫できます。
ミニトマトは種からでも育てられますが、株数の少ないプランター栽培では、苗を購入して育てるのがよいでしょう。
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ミニトマトの育て方(畑)
目次
栽培カレンダー
プランター向き品種の栽培カレンダーです。
栽培メモ
- 科名
- ナス科・ナス属
- 別名
- プチトマト、ペティトマト、チェリートマト
- 難易度
- ふつう
- 置き場所
- 日当たりのよい場所
- 背丈
- 2m以上
- 種?苗?
- 苗から育てる
- 生育適温
- 21~26度
- 追肥
-
1回目:一番下の房に実が2/3程度ついたら
以降:2週間おき
- 病害虫
- 病気:疫病、青枯病、萎凋病、モザイク病など
害虫:アブラムシ、コナジラミ、ハモグリバエ、オオタバコガなど
栽培のコツ!
- 最初の蕾のついた苗を選ぶ
- わき芽が出たら手で摘み取る
- 支柱に誘引する
- 追肥をしっかり行う
プランター向きの品種
アイコ、千果など。
[アイコ]
果肉が厚くてじゅうじつしていて、ゼリーの少ないプラム型のミニトマトです。
病気に強く、果実の割れも少なくて人気です。
[千果]
真っ赤で光沢があり、甘みの強いミニトマトです。
鈴成りにたくさん実をつけるので収穫も楽しめます。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、支柱棚セットなど。
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必要な道具を準備しましょう
苗の用意
種から育てることがもできますが、手間と時間がたいへんかかるため、株数の少ないプランター栽培では、苗を購入するとよいでしょう。
その際、品種を確認し、双葉が元気で、節と節の間が詰まってがっちりしていて、最初の蕾がつきはじめた苗を選びましょう。
[良い苗の条件]
- 大きくてがっちりしている。
- 子葉(双葉)が健全で、そろっている。
- 葉の色は濃緑色で、紫がかっていない。
- 葉に厚みがある。
- 本葉が7~8枚ついている。
- 開花直前の良い蕾がついている。
節が間伸びして丈ばかり長いものや、葉の色が悪いものは育ちがよくないので避けましょう。
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苗は丈夫なものを選ぼう
植えつけ
ミニトマトの花は同じ方向につく性質があるので、花がプランターの正面に向くように植えると収穫しやすくなります。
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
株元を人差し指と中指ではさみ、斜めに倒して根鉢を崩さないように丁寧に苗を取り出します。
苗を中央に置き、植える位置を決めます。
二節埋まるくらいの大きさの植え穴を掘り、苗を横に寝かせて置きます。
土をかけ、株元を手のひらで軽くおさて土と根鉢を密着させて株を安定させます。
苗を横に寝かせて植えると、節からも根が出て根の量が増えるので、夏の乾燥に強くなり、育ちもよくなります。
※苗を横に寝かせて植えるのは自根の苗の場合で、接ぎ木の苗の場合は継いである部分を埋めないでください。
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苗のじょうずな植え方
支柱立て
背丈が50~60cmに成長したら、支柱を立てます。
ミニトマトは高く成長するので、長めの支柱を立てて誘引します。
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背が高くなる野菜は支柱を立ててサポート
追肥
一番下の房に実が2/3程度ついたら1回目の追肥を行います。
株のまわりに肥料をまき、土となじませ、株元に土を寄せます。
以降は、2週間おきに追肥を行います。
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追肥のコツを知っていますか?
わき芽かき
葉のつけ根からわき芽が伸びたら、小さいうちに手で取り除きます。
いろいろな仕立て方
主枝を1本伸ばす1本仕立てが基本ですが、主枝とわき芽を1本伸ばして2本仕立てにすることもできます。
[1本仕立て]
プランターに支柱を1本立て、支柱に主枝を直立に誘引します。
枝を曲げて折る心配がないので、初心者に向いています。
[2本仕立て]
プランターに支柱を2本立て、支柱にそれぞれ主枝と一段目の花房のすぐ下のわき芽を誘引します。
無理に誘引すると枝が折れてることがあるので、少しずつ誘引していきます。
収量が1本仕立てよりも多くなります。
摘葉
葉に光がよく当たるように、古い葉や、込み合った部分の葉を摘みとります。
摘葉することで風通しがよくなり、病気の予防にもなります。
摘果
たくさんの実をつけさせてしまうと、なり疲れして草勢が弱くなってしまいます。
草勢が強くなって1房にたくさんの花がついたら、早めに花房の先端の方を切って8~10花にします。
さらに、草勢が弱っているときは、1房あたり6果ほどにします。
人工授粉
低温や高温によって、花が落ちてしまうことがあります。
花を落下させないでよい実をつけるためには、房を揺らして、花粉を飛ばすと実つきがよくなります。
収穫
実が完熟したら、手で摘み取って収穫します。
実と枝をつなぐ花梗(かこう)の膨らんだ部分を指で折り取るようにすると、簡単に摘み取れます。
熟しすぎると実が割れる原因となるので注意しましょう。
主枝が支柱の高さを越えたら
主枝が支柱の高さを越えたら、先端を摘心し、実に栄養が行き渡るようにします。
または、主枝を折り返し、ほかの支柱に誘引して下していきます。
注意する病害虫
収穫時に実に穴のあいたものがあったら、オオタバコガの幼虫の仕業です。
小さいうちは蕾やわき芽などを食害し、大きくなると実の中に侵入します。
よく観察して幼虫を見つけたら駆除し、穴のあいたトマトも早めに処分します。
ほかに、葉の裏側に白い虫がたくさんつくコナジラミ、新芽、葉、茎などに群生して吸汁するアブラムシ、葉に筋状の白い絵を描いたような模様ができるハモグリバエ(エカキムシ)などが発生します。
よく観察して、害虫を見つけしだい早めに駆除します。
病気では、疫病(えきびょう)、青枯病(あおがれびょう)、萎凋病(いちょうびょう)、モザイク病などが発生することがあります。
わき芽かきや摘葉をしっかり行って風通しをよく育てると、病気の予防になります。
夏場の高温対策
ミニトマトは高温が苦手で、梅雨明け後の高温による影響で草勢が弱くなったり、実が割れてしまうことがあります。
高温期は、株元に地温上昇を防ぐワラを敷き詰めるとよいでしょう。
実が割れる
ミニトマトの品種によっては、皮が薄く、熟した実が雨にあたると、割れてしまうことがあります。
雨が降る前に少し早めに収穫しておくか、雨のあたらない場所にプランターを移動しましょう。
肩が青くなってしまう
ヘタの周辺が赤くならず、緑色がかった実になり、ショルダーグリーンとも呼ばれます。
肥料(窒素)が多すぎて草勢が強いと起きやすいので、肥料をやりすぎないように注意しましょう。