人参にはいろいろな種類がありますが、プランターでは小型に改良されたミニ人参が育てやすいです。
長さが7~10cmのミニ人参は、ベビーキャロット、ひと口人参とも呼ばれ、肉質がやわらかく、青臭さが少なくて甘いのが特徴です。
葉は、ビタミンやミネラルを豊富に含む緑黄色野菜です。
極早生種で生育が早く、種まきから収穫まで2~3か月程度で収穫できます。
発芽温度は15~25℃、生育適温は16~20℃と冷涼な気候を好みます。
日当たりのよい場所で育て、発芽するまでは毎日水やりを行い、土を乾燥させないことが大切です。
ミニ人参はほとんど病害虫は発生しませんが、葉はキアゲハの大好物なので、防虫ネットを被せて予防するとよいでしょう。
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ミニ人参の育て方(畑)
人参の育て方(畑)
目次
栽培カレンダー
ミニ人参の栽培カレンダーです。
栽培メモ
- 科名
- セリ科・ニンジン属
- 別名
- ミニキャロット、ベビーキャロット、一口人参
- 難易度
- やさしい
- 置き場所
- 日当たりのよい場所
- 背丈
- 10~30cmくらい
- 種?苗?
- 種で育てる
- 生育適温
- 16~20℃
- 追肥
- 2回目の間引きのあと
以降は、2週間に1度
- 病害虫
- 病気:うどんこ病など
害虫:アブラムシ、キアゲハなど
栽培のコツ!
- 種にかける土は極薄くする
- 発芽するまで毎日水やりを行い、乾燥させないように気をつける
- 間引きをきちんと行う
- 栽培期間がやや長いので追肥をしっかり行う
- 土寄せを行い、根に光が当たるのを防ぐ
- とり遅れないように注意する
ミニ人参の品種
ミニ人参はベビー人参とも呼ばれ、10cmほどの小型種です。
品種では、ベビーキャロット、ピッコロ、パックン丸などがプランターでの栽培に適します。
[ベビーキャロット]
ソーセージ型の小型のミニ人参です。
種まき後70~80日くらいで収穫できます。
甘みがあり、丸のままサラダやつけ合わせなどに利用できます。
[ピッコロ]
ソーセージの形に似た小型のミニ人参です。
種まき後70~90日くらいで収穫できます。
肌、芯ともに鮮紅色で美しく、肉質は歯切れがよく、やわらかで甘みがあります。
[パックン丸]
根の部分が丸型のミニ人参です。
草丈が低く、立性で密に栽培できます。
種まき後80日前後で収穫できます。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、防虫ネットセットなど。
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必要な道具を準備しましょう
種まき
ミニ人参は、発芽が難しく、発芽がポイントとなる野菜のひとつです。
種は好光性で、発芽まで10日ほどかかります。種に光が当たって発芽が促進されるので、種にかける土はごく薄くかけて、手のひらで種と土を密着させます。
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
3列、条間10~15cm、浅い溝をつくり、1~2cm間隔で1~2粒ずつ種をまきます。
プランターは日の当たる場所に置き、発芽するまでは毎日水やりを行い、乾燥させないように気をつけます。
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プランターでの種まき
害虫対策
ミニ人参にはほとんど害虫は発生しませんが、キアゲハなどの害虫がよくつきます。
種まきをしたらすぐに防虫ネットを被せた方が安心です。
簡単に設置できる防虫ネットセットがおすすめです。
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防虫ネットを被せて虫よけ
間引き・土寄せ
間引きを2回行い、本葉2~3枚までに5~6cm間隔にします。
[1回目]
双葉が開いたら、2cm間隔に間引きます。
残すものが抜けてしまわないように、丁寧にそっと抜きます。
間引き後、株のぐらつきと根の乾燥を防ぐために左右から土を寄せます。
[2回目]
本葉1~2に育ったら、2回目の間引きを行います。
徒長したものや、生育の遅れているものを抜き、株間を5~6cmになるようにします。
根が土から出てしまうと、人参の肩が緑色になってしまうので、しっかり土を寄せます。
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たくさん発芽させて間引きをしよう
追肥
2回目の間引きのあと、株間とプランターの縁に少量の肥料を施します。
以降は、2週間に1度を目安に追肥します。
このとき、根がせり上がって土から露出していたら、土を株元にかぶせ、根に光が当たらないようにします。
ミニ人参は種まき後70~90日くらいで収穫と生育期間がやや長いので、追肥をしっかり行いましょう。
追肥の肥料には、「住友化学園芸 マイガーデンベジフル」が使いやすくておすすめです。
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追肥のコツを知っていますか?
収穫
根元を探ってみて、地ぎわの根の太さが2~3cmくらいになったら収穫の適期です。
太く大きくなったものから収穫します。
株元を持って、真上に引き上げて抜きます。
とり遅れると、根が硬くなったり、割れることもあるので、葉が黄色くならないうちに収穫しましょう。
注意する病害虫
ミニ人参は病害虫が少なくて育てやすい野菜ですが、アブラムシ、キアゲハ、うどんこ病などが発生することがあります。
葉はキアゲハの幼虫の大好物で、幼虫に葉を食いつくされることがあり、収穫は望めません。防虫ネットで覆って防ぎ、こまめに観察して見つけしだい駆除しましょう。
株間を広くとって風通しをよくして育てて、発病した株は早めにとり除いて感染が広がらないように注意しましょう。
葉も食べよう
プランター栽培では、防虫ネットを被せて栽培することで無農薬で作れます。
葉はビタミンやミネラルを豊富に含む緑黄色野菜で、天ぷら、おひたし、炒めものなどで美味しく食べられます。
間引いた葉や、収穫した人参の葉は、ぜひ捨てずに食べましょう。
芽が出ない
ミニ人参の栽培で失敗しやすい一番の原因になるのが、発芽不良です。
順調に発芽すれば、栽培の半分は成功したといわれるほどです。
好光性の種なので、覆土はごく薄くします。
発芽まで10日ほどかかるので、発芽するまでは毎日水やりを行い、乾燥させないことが大切です。
根が割れた
収穫適期を過ぎてしまうと、根が割れることがあります。
収穫適期を逃さないようにしましょう。
また、収穫期に乾燥していて、水を与えると割れることがあるので、注意しましょう。
根が太らない
根をしっかり太らせるには、間引きをきちんと行い、適度に追肥を行うことが大切です。
間引きをせずに株が込み合ってしまうと、根が太るスペースがなくなります。
また、ミニ人参は種まきから収穫まで70~90日程度と生育期間がやや長いので、肥料を切らさないようにしなくてはなりません。
動画でも解説しています
動画の後半には、ニンジンの葉の栄養についても解説してますので、見てみてください。