アメリカでは肥満の人が非常に増えているとされます。
アメリカの場合、肥満は低所得と関係しているとされ、お金がないのでハンバーガーやピザなどの炭水化物、小麦製品をよく食べるためカロリー過多になってしまって太るという流れです。
この傾向は、何もアメリカの話だけではありません。
一般に、アジア圏、とくに東南アジアでは肥満の人は少ないとされます。
それは魚を食べる習慣があるからという見方が強いのですが、それでも今の日本において、低所得の人たちが増えているため、日本でも肥満の傾向がみられるとのことです。
さらに進む?都会での低所得の問題
三菱食品の調査によると、2020年には年収400万円未満の世帯が6割にものぼるということが予想されています。
これは厚生労働省やシンクタンクの予想ではありません。
三菱食品という卸売の会社による調査です。
低所得と一口で言っても、独身の年収400万円と世帯もちの年収400万円は違います。
また、都心と地方でも生活レベルは全く異なります。
実は、都心部で色々なものの値段が高くなるのは土地代が高いからだと考えられます。
たとえば、銀座では15分でヘアセットをしてくれるサロンがあります。
お値段はなんと1500円。
銀座という一等地では、集客が容易なため、次々とお客様がやってくるので、回転数を多くしてそれで稼ぐというビジネスモデルなのです。
人が多く集まる銀座という土地柄でこそできるビジネスです。
サービス業の代金だけでいえば、都市部のほうが安いこともしばしば。
原価がかからなくて人件費だけのビジネスは安くなりがちです。
しかしその人件費で働いている人の側はどうなるのでしょうか。
サービス業は低賃金の傾向があり、「人と接したい」「接客業が好き」という気持ちをベースに、あまり報酬が多く支払われない傾向があります。
昨今の人手不足で若干の賃上げ傾向にあるものの、それでもまだまだ若い人の「夢」を利用して低賃金で使うというパターンは多そうです。
経済面で二極化する今のグローバリズム
よって東京でも格差は広がり、収入面で二極化しています。
数千万円や数億円を年間に稼ぐリッチな人たちもいれば、年収400万円でやっとの生活をする人たちも。
そして2020年以降は、年収400万円にも満たない人たちが多くなり、経済的な成長の限界が訪れるというものです。
だからこそ、世界中のあちこちでグローバリズムに反対するキャンペーンが展開され、貧困や格差の撲滅に共感する人が多いのかもしれません。
日本においてその背景には、高齢者の増加があります。
年金やわずかなパート収入で生計を立てる高齢者だけの世帯が多くなっており、また非正規雇用で生計を立てる人も増えています。
同時に未婚率も上がっており、世帯収入が低いままの人たちが非常に多くなっているというわけです。
これは社会構造の変化が起きているということです。
ニューエコノミカル層の登場
しかし、たとえば非正規雇用で年収200万円だった場合、買い物や消費に選択肢はほぼありません。
しかし年収400万円あると、少しだけ生活にはゆとりがあります。
そこで、そのほんの少しのゆとりを、プチリッチに使う人が増えているのです。
たとえば、家族揃っての外食だけは週に1度行うとか、服はユニクロだけど靴だけは良いものを揃えるとか、全体的に節約傾向だけど車だけはこだわるとか、そういったこだわり消費です。
そういう消費行動を取る人たちをニューエコノミカル層と呼びます。
野菜とニューエコノミカル層の関係
このような、やや低所得気味だけれども貧困というほどではなく、少しだけ余裕があって、それを何に使おうか、個人の選択が問われるというような消費スタイル。
このニューエコノミカル層は、将来的に日本の中心的な消費者層になる可能性があります。
人は食べ物を食べなければ生きていけませんから、そこでこうしたニューエコノミカル層を取り込むために、野菜を提供する側もさまざまな工夫を凝らしているのです。
最初に思いつくのが、「規格外野菜」の利用です。
一般的に流通の過程で、規格外の野菜である場合にはなかなか市場に出回りません。
たとえば成長し過ぎでパックに入らないとか、形がゆがんでいるとかの野菜です。
そうした野菜は流通に乗らないので販売されないのですが、捨てるのももったいない、とのことで安く手に入れることができます。
規格外の野菜でも、味も栄養価も同じです。
それなら、安いほうが良いですよね。
ただぶかっこうな野菜を買うだけでなく、家庭菜園に擬態したコーナーを作って、そこに土をかぶせて野菜を埋めて、擬似的に家庭菜園の収穫を体験してもらうということもできます。
こうしたアイデアがあがり、スーパーなども関心を寄せています。
たんに安い野菜というだけでなく、新たな付加価値をつけるというわけです。
安い野菜を安売りしていては、いつまでもデフレ経済から逃れることはできません。
そんなとき、低価格だけではない選択肢があることを見せるものスーパーの役割ではないでしょうか。
肉を使わず野菜でできる料理
肉料理風にする野菜料理も人気です。
肉はおいしいもの、どうしてもそこそこ新鮮な肉を食べようと思ったら、食費がかかります。
それにカロリーも気になるところです。
美味しいお肉ほど脂身があるものなので、どうしてもお肉は太るというイメージがある人もいると思います。
そこで、肉を使わないで、野菜やその他の食材を利用して、なおかつ肉風に味付けする料理のレシピなども人気です。
たとえば、お麩とナスの薄切りに片栗粉。
そして焼肉のタレで約と、まるで本当に焼き肉を食べているかのような錯覚に陥ります。
同時に、高野豆腐なども戻す際の水分に野菜ジュースを使って、さらに食パンではさみこんでカツサンド風にすることも可能です。
お金をセーブしながら、なおかつ美味しいご飯が食べられるとして人気です。
こうした料理は節約レシピでありながらも美味しく、いろいろな料理が食べられます。
年収がそれほど高くなくとも、幸せな食生活を送るためには、野菜との付き合いを工夫してみることが大切ではないでしょうか。
東京五輪で経済は盛り上がっているが
経済が好調で、非正規雇用の時給も大きくアップしています。
空前の人手不足で経済状況は堅調。
デフレが長かったのでこれを歓迎している人も多いはずです。
しかしそれも、2020年の東京オリンピックでいったんはピークを迎えるのではないかという懸念があります。
今の好景気は永遠に続くわけではなく、いずれ不景気を迎えるというものです。
好景気であっても年収400万円前後の人が多いのですから、不景気になったらどうすればいいのでしょうか?
取れる対策として家庭菜園や、天候にあまり左右されず日頃から使われているもやしなどを駆使しながら、家計を切り盛りしていく必要があります。
当サイトにはお金をかけずに野菜を育てていく方法も掲載されていますので、ぜひ御覧ください。
また、福島産の野菜を食べるという手もあります。
風評被害で売れていないものの、安く買うことができおまけに安全です。
まったく汚染がないどころか、美味しい有機野菜なのに安く売られているのです。
そうした福島産野菜を食べて安く美味しく、を同時に実現するという手もあります。
いろいろな方法を使ってみましょう。
(文/渡邉ハム太郎)