白菜は鍋や漬物に欠かせない冬の野菜で、できたらうれしい大もの野菜の一つです。
しかし、大型の白菜は繊細な性質で、寒くなるまでに一定の葉数にならないと結球せず、早まきしすぎると夏の高温で失敗してしまいます。
また、収穫できても一度には使い切れなくてあまってしまい、冷蔵庫で腐らせてしまうことがしばしば・・・。
そこで、小型に品種改良されたミニ白菜の人気が高まっています。
ミニ白菜は、手ごろな食べきりサイズに改良され、結球させやすく、収穫するまでに時間がかからなかったり、密に栽培できて比較的狭い面積にたくさん作ることができます。
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白菜の育て方
ミニ白菜の育て方
ミニ白菜は、結球し始めの200gほどから、1kgくらいの小型まで、いつでも収穫できます。
また、株間を15~30cmと密に栽培でき、家庭菜園の狭いスペースを有効活用できます。
少ない肥料で育ち、結球もさせやすいので、失敗が少ないといえます。
家庭菜園には、小型で極早生種や早生種が育てやすいでしょう。
栽培時期
※品種や地域によって栽培時期は異なるので、事前に確認してください。
育てやすい品種
タイニーシュシュ、黄味小町、お黄にいり、娃々菜、プチヒリなど。
[タイニーシュシュ]
種まきから45日で200g、65日で1.2kgと成長が早く、用途に合わせて使いやすいサイズで収穫できる便利な白菜です。
球形がやや長い円筒形で長さが20cmほどになります。
暑さに強く、耐病にも優れ、高温期に収穫できる貴重な品種です。
[黄味小町]
育期間の短い極早生種で、長さ20cm、重さ800gほどで収穫するミニ白菜です。
球内は全体的に黄色くなります。
[お黄にいり]
生育日数は50日、密栽培が可能で、重さは600g~1kgで収穫します。
べと病や根こぶ病に強く、極早生で育てやすいミニ白菜です。
[娃々菜(わわさい)]
超密植栽培とし、重さ300~500gで収穫するミニ白菜です。
外葉から芯までやわらかく、甘みもあり、食味に優れ、食べきりサイズなので家庭菜園で重宝する白菜です。
[プチヒリ]
タケノコ型になる極早生の白菜です。
生育日数は55日、重さ800g~1kgで収穫します。
べと病やその他の病気に強いので密栽培が可能です。
畑の準備
ミニ白菜は連作を嫌うので、ミニ白菜を含むアブラナ科の野菜を2年以上は育てていない場所を選びます。
また、ミニ白菜は追肥をしないで収穫するので、元肥をしっかり入れておきます。
苗の植え付けの2週間前に、苦土石灰をまいてよく耕し、1週間前に、堆肥と化成肥料を施してよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。
黒マルチは、雑草の抑制や、地温を上げる効果に期待できます。
苗を植える
苗の作り方は「白菜の育て方とコツ」を参照してください。
結球し始めの200g程度で収穫する場合、株間15cmで苗を植えます。
1kg程度のミニ白菜で収穫する場合、株間30cmで苗を植えます。
ほかに、20cmの間隔で植えるなど、栽植密度を変えていろいろなサイズで収穫できます。
害虫対策
白菜はアブラナ科で、アオムシやコナガなどの害虫がつきやすい野菜です。
また、密に栽培すると株間に隙間がなくなり、散布薬剤が効きにくくなります。
そこで、苗を植えたらすぐに防虫ネットでトンネルし、ネットの裾を埋めて害虫が入れないようにして防ぎます。
ただし、土の中に潜むヨトウムシなどの害虫は発生するので、こまめに観察し、見つけたら取り除きましょう。
追肥の必要もないので、防虫ネットでトンネルするとあとはとくに作業はありません。
収穫
収穫までの期間の短い株間15cmから収穫していきます。
株間15cmでは、結球し始めの200gほどから収穫できます。
株間30cmでは、1kgくらいから収穫します。
ミニ白菜は寒さに弱いため、霜が降りる前に収穫し、新聞紙で包んで冷暗所で保存しましょう。