チンゲンサイは中国原産の結球しない白菜の仲間で、葉から軸まで緑色(緑軸)のものをチンゲンサイ、軸が白い(白軸)ものをパクチョイと呼びます。
葉や肉厚の葉柄は熱を加えると鮮やかな緑色になり、シャキシャキした歯ざわりで、クセもなく、中国料理だけでなくいろいろな料理に利用できます。
栄養的にも優れていて、カルシウムや鉄、ビタミン類が豊富な緑黄色野菜です。
チンゲンサイは品種改良が進み、暑さ寒さに強く、周年栽培も可能ですが、秋まきが作りやすくておすすめです。
チンゲンサイをそのまま小さくしたかわいらしい姿のミニチンゲンサイもおすすめです。
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目次
パンダとともにチンゲンサイがやってきた?
チンゲンサイは、1970年代の日中友好ムードのころ、中国からパンダとともに日本にやってきた野菜で、今では最もポピュラーな中国野菜です。
ほかに日本に定着した中国野菜には、タアサイ、パクチョイ、ツルムラサキなどがあります。
チンゲンサイの育て方
チンゲンサイは、冷涼な気候を好み、暑さにも強く、周年栽培も可能ですが、夏の高温期は病害虫が多くて難しいため、春と秋に栽培するのが一般的です。
とくに秋まきが育てやすく、春まきはトウ立ちしやすく、病害虫も多くなります。
初心者でも育てやすく、間引きながら収穫すると長く楽しめて、家庭菜園向きの青菜です。
概要
生育温度 | 15~20℃。 | ||||
---|---|---|---|---|---|
連作障害 | あり。1年以上あける。 | ||||
土壌酸度 | 6.0~6.5。 | ||||
育てやすい品種 | チンゲンサイ青帝(せいてい)、長陽(ちょうよう)、シャオパオ(ミニ)など。 | ||||
元肥 | 苦土石灰と元肥を入れる。 | ||||
種まき時期 | 春と秋。 | ||||
種まき方法 |
畝幅:90cm。 マルチ:しなくてもいいが、した方が管理が楽に行え、防寒対策にもなる。 種まき方法:条(すじ)まき。 条間:20cm。 |
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栽培中の管理 |
間引き:葉が触れ合うようになったら間引き、本葉5~6枚までに株間15~20cmにする。 追肥:秋まきでは本葉5~6枚になったころ。 |
||||
収穫 | 背丈が15~20cmになったら。 | ||||
病害虫 |
害虫:アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、コナガなど。 病気:根こぶ病、白さび病、菌核病、白斑病、微量要素欠乏症状など。 |
ポイント
- 秋まきが育てやすい。
- 連作しない。
- 酸性土は中和する。
- 防虫ネットでトンネルして害虫を防除する。
栽培時期
※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
春から秋まで種まきできますが、夏の高温期は難しく、病害虫も発生しやすいので、避けた方がよいでしょう。
とくに秋まきが育てやすく、春まきはトウ立ちしやすいので注意が必要です。
育てやすい品種
チンゲンサイ青帝(せいてい)、長陽(ちょうよう)、シャオパオ(ミニ)など。
畑の準備
チンゲンサイは連作を嫌うので、1年以上あけます。
酸性の土壌を嫌うので、酸性に強く傾いた土壌ではかならず石灰を施し、土壌酸度を調整します。
種まきの2週間前に苦土石灰をまいて耕し、1週間前になったら堆肥と化成肥料を施してよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。
黒マルチは、雑草の抑制や、地温を上げる効果に期待できます。
種まき
マルチを20cm間隔ですじ状にカットし、切り込みに支柱などを押し当てて浅い溝を作ります。
溝に5cm間隔くらいで種をまき、薄く(1cm以下)土を被せて軽く鎮圧し、水をたっぷりやります。
害虫対策
チンゲンサイはアブラナ科で、コナガなどのイモムシがつきやすいため、防虫ネットでトンネルすると安心です。
発芽するとすぐに葉に卵を産み付けられるので、種まきを終えたらすぐにトンネルして予防しましょう。
間引き
葉が触れ合うようになったら間引き、本葉5~6枚までに株間15~20cmにします。
追肥
秋まきでは生育期間がやや長いので、本葉5~6枚になったころに化成肥料で追肥します。
収穫
背丈が15~20cmになったら、株元から切り取って収穫します。
春まきでは、トウ立ちしないうちに早めに収穫します。
秋まきでは、霜にあてると美味しくなりますが、冬越しすると傷むので、早めに収穫するか、不織布などかけて霜よけをします。
病害虫
チンゲンサイはアブラナ科で、アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、コナガなどの害虫がつきます。
防虫ネットでトンネルして予防し、害虫を見つけたら早めに取り除きます。
病気では、根こぶ病、白さび病、菌核病、白斑病、微量要素欠乏症状などが出ます。
連作を避け、病気に強い品種を使用し、酸性土は中和します。
コンパニオンプランツ
チンゲンサイと春菊は相性がよく、混植すると害虫を忌避する効果があります。
時期をずらして種まき
種を一度にたくさんまかず、2週間おきくらいにまくと、収穫時期がずれて、長く楽しむことができます。
春まきはトウ立ちに注意
春まきは、トウ立ちが早いので注意します。
種を早くまきすぎると寒さにあたって、トウ立ちすることがあります。
種まき適期をかならず守り、背丈が15cmになるまでに全部収穫しましょう。
苗を作る場合
3号ポットに培養土を入れ、種を4~5粒ずつまき、土を1cmくらい被せ、水をたっぷりやります。
本葉1~2枚くらいのころに間引いて2~3本にします。
本葉3枚のころ、条間20cm、株間15cmで植えます。
チンゲンサイは移植に強いので、苗を多めに作っておき、後作に植えると便利です。
また、トレーやプランターなどに種を筋(すじ)まきやばらまきし、間引きして苗を作ると簡単です。
株が倒れる場合
間引きをすると倒れやすくなるので、株元に土を寄せて株を安定させます。
大株にするには
背丈30cmの大株に育てるには、株間を20~30cmとり、早めに間引きを行います。
ただし、春まきではトウ立ちしやすいので、あまり大株にしないで、背丈15cmくらいまでに収穫しましょう。
防寒対策
秋まきでは、大株にするためや、種まきが遅れて冬越しすると、霜にあたって傷みます。
11月上旬~中旬から、不織布をかけるか、ビニールでトンネルして保温するとよいものがとれます。
ミニチンゲンサイ
ミニチンゲンサイは、草丈10~15cmで収穫する手のひらサイズのチンゲンサイです。
生育日数は20~30日と短く、切らずに丸ごと料理に使え、家庭菜園向きといえます。
ミニチンゲンサイの品種:シャオパオなど。
白軸系のパクチョイ
チンゲンサイと同種で、茎が白いものをパクチョイとよびます。
クセがなく、どんな料理にも使いやすいのが特徴です。
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