(苦みの少ない沖縄白ゴーヤ)
沖縄料理のゴーヤチャンプルでよく知られるゴーヤは、ニガウリ、レイシ、ツルレイシとも呼ばれ、古くから栽培されてきた健康野菜です。
沖縄ではゴーヤという呼び名が定着し、独特の苦みから本州ではニガウリと呼ばれますが、正式名称はツルレイシです。
熱帯アジアが原産で、日本には江戸時代に中国から伝わり、長らく沖縄や九州南部で栽培されてましたが、近年の健康ブームにより、全国区の人気野菜になりました。
熟す前の未熟果を食べる野菜で、長いもの、短くて丸々太ったもの、コブの少ないもの、白いものまで、さまざまな品種があります。
最近では、家の庭や学校でのゴーヤ栽培が盛んにされており、子供と成長を観察するのはもちろん、緑化によって地面や室内の温度の上昇を抑える働きもあり、グリーンカーテンとしても活躍しています。
収穫せずに完熟させると、オレンジ色の実になり、中には真っ赤なゼリー状の果肉に包まれた種があり、この赤い果肉は食べられ、とても甘いので、ぜひ試していただきたいです。
目次
ゴーヤの苦みの正体
ゴーヤの独特の苦みの成分には、食欲増進の効果があります。
でも、この苦味が苦手でしたら、とくに苦味が強いワタをきれいに取り除き、塩もみをするか、さっと茹でてから利用ると食べやすくなります。
ゴーヤの育て方
ゴーヤは、病害虫の心配があまりなく、手間もかからないので、初心者でも作りやすい野菜です。
丈夫で、あまり手をかけなくても育つので、緑のカーテンとしてもよく栽培されます。
実の形は長いものや短いもの、色は定番の緑色のものや白いものなど多くの品種があります。
蔓性の野菜なので、支柱を立ててキュウリ用のネットを張っておけば、勝手によじ登って広がり、つぎつぎと実をつけます。
生育適温は20~30℃と高温性で、暑さ、乾燥に強く、夏ならどこでも簡単につくれます。
苗の植えつけは気温がじゅうぶん高くなってから行いましょう。
概要
生育温度 | 20~30℃。 | ||||
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土壌酸度 | 6.0~7.5。 | ||||
連作障害 | あまりない。できれば1年以上あける。 | ||||
品種 | 短くて丸いもの、長くて細いものなど。 | ||||
元肥 | 苦土石灰と元肥を入れる。 | ||||
苗の植える時期 | 気温がじゅうぶんに高くなってから(5月初旬~)。 | ||||
苗の植え方 |
畝幅:90cm。 黒マルチ:有効。 株間:1列、80cm~1m。 |
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支柱立て | 高めの支柱を立て、キュウリ用ネットを張る。 | ||||
栽培中の管理 |
追肥1回目:実がなり始めたら。 以降の追肥:2~3週間に1回。 |
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収穫 | 実の表面の凸凹が大きくなったら。 | ||||
病害虫 |
害虫:アブラムシ、ハダニ、ウリハムシなど。 病気:うどんこ病など。 |
ポイント
- 気温がじゅうぶんに高くなってから畑に植える。
- 蔓がよく伸びるので、支柱は高さのあるものをしっかり立てる。
- 黄色くなる前に収穫する。
時期
※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
ゴーヤは寒さに弱いので、気温がじゅうぶんに高くなってから植えましょう。
品種
短くて丸いもの、長くて細いもの、皮の色が緑色や白色のものがあり、表面の凸凹(こぶ状の突起)も大小あります。
畑の準備
ゴーヤは連作障害のでにくい野菜ですが、できれば1年以上栽培していない場所を選びます。
また、酸性の土壌を嫌うので、酸性に傾いた土壌ではかならず石灰を施し、土壌酸度を調整します。
苗を植える2週間前までに、苦土石灰をまいてよく耕し、1週間前になったら、堆肥と化成肥料を施して耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。
黒マルチは、雑草の抑制や、保湿や地温を上げる効果に期待できます。
苗の用意
ゴーヤは種から育てることもできますが、家庭菜園では1~2株あれば十分なので、苗を購入したほうが得策といえます。
また、ゴーヤは寒さに弱いので、気温が高くなってから苗を購入しましょう。
苗を植える
苗を用意できたら、植える前にポットに水をやり(ポットごと水につけてもよい)、たっぷり水を含ませておきます。
1列で、株間を80cm~1mとり、植え穴を掘り、ポットから根鉢を崩さないように苗を丁寧に取り出し、植えます。
苗の株元に土を寄せ、軽く押さえて根と土を密着させます。
植えつけ後にたっぷりと水をやります。
支柱立て・誘引
苗を植える前か、苗を植えてから2週間くらいまでに支柱を立て、キュウリ用ネットを張ります。
支柱の種類や立て方は色々とありますが、高さのあるトンネル型の支柱がおすすめです。
支柱とネットは紐や結束バンドなどで留めます。
はじめに巻きひげをネットに誘引すれば、勝手によじ登って広がります。
追肥
実がなり始めたら追肥を行います。
以降は、2~3週間に1回を目安に追肥します。
1回目の追肥:実がなり始めたら。
以降の追肥:2~3週間に1回。
ゴーヤは生育期間が長いので肥料切れしないように注意しましょう。
収穫
ゴーヤの収穫は、品種によって実の大きさが違うので、確認しておきます。
一般的な品種では、開花から15~20日くらいで、緑色(品種によっては白色)の未熟果を収穫します。
実の表面の凸凹が大きくなったら収穫適期です。
実と枝をつなぐ花梗(かこう)は硬いので、ハサミなどで切り取って収穫します。
収穫が遅れると、黄色くなって割れてしまうので、早めに収穫しましょう。
病害虫
病害虫には強く、あまり心配はありませんが、葉が混みすぎるとうどんこ病が発生する場合があります。
株間を十分にとり、葉が茂って込み合っているところは、葉をとり除いて風通しをよくします。
また、ウリハムシがつくので、よく観察して、見つけたら手で取って捕殺します。
いろいろな栽培
ゴーヤは生育旺盛で元気に育つので、いろいろな方法で栽培を行うことができます。
フェンスに絡ませて栽培すれば、家の目隠しとして利用することができます。
棚をつくって栽培すると、実がぶら下がるので、楽に収穫できます。
建物の外側にカーテンのように育てると、「緑のカーテン」や「グリーンカーテン」と呼ばれ、日光を遮って室温の上昇を抑えます。
種とり
実を株につけたままにしておくと、完熟してオレンジ色になり、中から真っ赤な果肉に包まれた種が現れます。
種のまわりの真っ赤なゼリー状の果肉を水洗いして取り除き、種を新聞紙などに広げて乾かします。
完全に乾いたら、封筒や瓶などに入れて、冷蔵庫や涼しい場所で保存します。
完熟すると甘い
実を株につけたままにしておくと、完熟してオレンジ色になり、中から真っ赤なゼリー状の果肉に包まれた種が現れます。
この赤い果肉はとても甘く、以前はおやつに食べられていました。
種も食べられる
ゴーヤの種には共役リノレン酸が多く含まれ、これは酵素リパーゼの働きを促し、脂肪を燃焼しやすくする働きがあります。
種をフライパンで炒り、塩などで味をつければおつまみになります。
乾燥させて長期保存
種とワタをきれいに取り除き、薄切りにして風通しのよい場所で乾燥すれば、乾燥(干し)ゴーヤができます。
料理に使うときは、干しシイタケのように水でもどします。
グリーンカーテンを作ろう
暑さ対策として注目のグリーンカーテン。
いろいろな植物で作れますが、生育も早く、暑さや乾燥に強く、病気にも強くて丈夫なゴーヤがおすすめです。
ゴーヤは夏バテに効果的なビタミンCもたっぷりな健康野菜で、収穫もでき、一石二鳥です。
5月にプランターに苗を植えれば、夏には緑の葉がネットいっぱいに広がり、次々と花が咲き、たくさんの実をつけます。
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